時代劇専門チャンネルで放送している萬屋版を見てから、テレビ朝日で再放送している北大路版の「子連れ狼」を見てみました。
北大路版の大五郎って本当に、和みのマスコット的存在ですね。
いや、萬屋版の大五郎もかわいくて、和みですが。
当時だって、やっぱり大五郎は「かわいい」と人気があったんでしょう。

でも見て思うのは、やっぱり萬屋版・大五郎には、怖さがある。
子供のかわいさと何を考えているかわからない、何を見ているのかわからない不気味さがある。
得体の知れなさが、ある。
大五郎を演じた子役の今を考えると、複雑な気持ちになりますが、冥府魔道を行く子供にはピッタリ…。

さて、続けて見ると、北大路版は明るいんです。
画面のせいでしょうか。
でも気持ち的にも明るいんです、見ていて。
そして着物もセットも新しいせいか、綺麗。

だから、うらぶれ感があんまりないです。
萬屋版はほんと~に、貧しい場所なんかは貧しさ、古さが伝わってきます。
また萬屋版の拝親子は、口数が少ない。
一刀も大五郎も、必要最小限しか語らない。

父親の一刀に至っては笑顔を見せない、見せてもほんのわずかだけ。
笑う時は大概、楽しくてじゃなくて、相手の魂胆を見破って攻撃する時の高笑いという怖ろしさ。
人と交流しようという気を、感じさせない。
ものすごく、ビジネスライク。

それほど、柳生の攻撃がすごいんですけどね。
後でも出てきますが、ただ道で会話した人を殺すなんてことも、平気でやるし。
でも北大路さんの一刀にはまだ、人間らしさを捨てきれないところがある。

だから、どこか交渉というか人情に訴えることができそう。
ですが、萬屋さんの一刀にはそれはない。
そのせいか、威圧感もすごい。
暗いし、1人で待つ大五郎や、旅をする親子に、行き場のなさや寂しさもある。

これに殺伐とした話、容赦ない展開が加わる。
北大路版は被害者は出るんですが、最終的に関わった中心的な人は救われている。
萬屋版にもホッとする展開はあるんですが、罪もない人を手にかける…、なんて展開もある。
関わった人が救われる結末にならない場合も、もちろんある。

一刀親子と口を利いただけで殺し、立ち寄りそうな山の家では一家全員を殺す。
そうやって誰とも関わらないようにして、孤独地獄に追い込む…なんて攻撃まであったんですから!
こんな風に、萬屋版の親子は普通の人間が踏み入れてはいけない道を行っている感じが、すごくするんですね。
「逃亡者おりん」も関わった罪のない人が良く殺されてましたが、「ああ、これは『子連れ狼』だ」と思いました。

そういう親子の話だから、最後まで緊張の連続。
北大路版は、そんなひどいことにはならないだろうなという安心感がある。
ただどちらも、追われる刺客・子連れ狼と関わったことにより、その人たちに、それまでにあった出来事に区切りがつくことは確か。

ただ、北大路版だと関わった人が、関わる前より救われる、癒される結末になるということでしょうか。
でもこれはもう、時代によってできたこと、できないことや時代のニーズによる違いなんでしょうね。
だから北大路版はそういうものだと思って、見ました。

冥府魔道の度合い、怖ろしさ、寂しさ、うらぶれ感や暗さ、そして話の空しさ、残酷さは圧倒的に萬屋版。
ですが、北大路版もおもしろいですよ。
続けてみると、違いがわかっておもしろかった。

北大路版第1回には、本田博太郎さんが出てたんですね~!
やっぱり、この人に阿部怪異を演じてみてもらいたかった。
金田龍之介さんとは全然違うけど、思い切った怪演が見られたと思います。
ただねえ…、今はもう、阿部怪異という人物自体がもう、放送コード引っかかってしまうんじゃないかと…。


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2012.10.23 / Top↑
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