こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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本当に幸福なら人を欺く必要などない 「夜行観覧車」

3月1日の金曜日には、春一番が吹いたそうで、むずむずむず、ついに鼻がむずむず。
目を触らないようにしていたけど、かゆくてかゆくて、かゆかった。
信号を待つ間も、くしゃみ連発。
それでもまだ、一時より良くなっているけど、昨日はついに「飛んでるなあ」という日が来てました。

「夜行観覧車」、先週は何と、録画に失敗してました。
がっくり。
今週はしっかり見られました。

謎解き部分、犯人探しはあんまり進展してませんでしたが、まあ、これは「犯人は誰だミステリー」の原作じゃないことを思えば、こんなものか。
事件が起きるなら、隣家じゃなく、家だと思っていた主人公。
セレブな「ひばりが丘」に住む夢をかなえたが、そこでは「一番小さな家」と言われ、セレブな町内についていけない。
私立に通っている子供ばかりの地域に合わせ、娘を受験させるが娘は落ちる。

主人公は「まさかパートなんか行かないわよね」と周りの住民に言われながら、ローンが苦しいため、パートに出る。
何しろ、町内会費は5万円なのだから。
公立に通う娘は娘で、「お高く留まった」母親と娘として同級生からいじめにあう。

ついに母親の働くスーパーで、万引きまで強要される。
その鬱屈とした思いは、見栄を張った母親に向かい、娘は夜毎、家の中で暴れ、食事をひっくり返し、わめき散らして部屋を破壊するようになる。
自分の部屋さえもない父親は、帰宅して玄関先でわめく娘の声を聞くと、家に入れない。
騒動が収まるまで、車の中で身を潜める。

そこまでして住むセレブな街なのに、母親は場違いな家族として、さりげないがきつい意地悪を受けている。
主人公を唯一かばうのは、隣家の母親だった。
絵に描いたようなセレブな夫婦だが、妻は実は後妻。
父親は次男がおぼれそうになるのを、唇をゆがめて笑った。

妻はそういう親子関係に気づいていながら、繕っていた。
父親と良い関係にあった長女は、しかしさりげなく、隣家の娘が自分の通う学校に落ちたことをいたわる振りをして制服を見せびらかすようなことをする。
バスケット部のエースで、アイドル的な存在に見えた次男。
だが、最後の部の試合の朝、家のごみから自分のバスケットボールやユニフォームが捨てられているのを見る。

ついに、事件が起きる。
主人公の林家の父親が殺害され、母親と次男は行方不明。
セレブな家庭のお嬢さんだった長女は、学校で「事件のあった家の子」「母親か次男が、家族が家族を殺した家の子」として「お嬢様」たちに距離を置かれる。
世間から、後ろ指をさされる。

主人公の隣家の妻には、妹がいた。
セレブな姉と違って、パートに精を出していた妹。
姉はセレブな街に住んでいるのにと思うと、姉と同じ街に住み、自分のいるスーパーにパートにやってきた主人公に対し、態度はとげとげしくなる。
やがて事件により居場所がなくなった姪っ子である長女を引き取るが、夫には嫌味を言われてしまう。

それを影で聞いていた長女は家を飛び出し、京都にいる兄である長男の家に行く。
長男は着実に医者の道を歩み、父親の後継者としてなんら問題がない道を歩んでいた。
しかし父親が殺害され、母親と次男が行方不明という非常事態に際し、結婚に反対されるとパニックに陥った恋人もなだめられない。
頼ってきた妹を放り出し、研究室に逃げ込むという弱さを露呈する。

「ひばりが丘」の、ボス的な存在の女性がいる。
彼女の自慢の息子は家に寄り付かず、外国勤務から帰宅しても母親に距離を置く。
孫ができると知った母親はベビー用品をそろえて喜ぶが、息子に突き放される。

妻のせいなのだろうと思った母親だが、息子には母親が嫌なんだと宣告される。
スキャンダラスな街となったせいと思い込みたい母親は、「ふさわしくない」と思った家に次々嫌がらせをしていく。
自分たちが築いてきた「ひばりが丘」のイメージが崩れた、と思い込む。
「そう、一つでも傷物が混ざれば、途端にその価値を失うものがある。私はそれを見過ごすわけにはいかない。たとえ、どんなに犠牲を払ってでも」。


と、ま~あ、良くここまでみんな、「人にぶつける」人ばかりと思うぐらい、秘密を抱え、その鬱憤を人に意地悪をすることですっきりしようとしている。
だけど、セレブな母親も、娘に意地悪する同級生も、母親に当たる娘も、みんなそんなことですっきりはしていないのは明白。
それで相手より優位に立ったように見えても、一時的には晴れても、問題は何も解決していない。

たぶん、登場人物全員が、表面的には幸せの要素を持っている家に、人に見える。
でも本当は、誰も幸せじゃない。
それぞれに、秘密を抱えている。

この秘密は人には絶対に言えない、と思っている。
秘密を守るために、心を保つために、他の人間に意地悪をする。
でもますます、心の中には重いものが沈んでいくだけ。

「人に家族の問題を話せないのは、どうしてだろう。一番そばにいる家族の心が他人より遠い」と主人公はつぶやく。
「誰かに打ち明けて泣けば、少しは何かが変わるんだろうか」。
「どうして家族の事情を、人に言えないんだろう?それは、『お前の家は壊れている』、と後ろ指さされるのが怖いからだ」。

いじめられている方も、いじめを誘発させるような、人をイライラさせるような様子に描写する。
暴れる娘は、「あんたのせいだ」と主人公である母親を責める。
自分がこんな目にあうのも、こんな街で分不相応な生活を望んだ母親のせいだ。

毎日繰り返される、街の人の嫌味。
こんなところに引っ越さなければよかったと夫に言われ、娘に責められた主人公の心が悲鳴を上げる。
私の何が悪いの、夢をかなえて、みんな幸せになれると思ったことの、どこがいけないの、と。

玄関から逃げる父親は、我が家の前にあのボス的な女性が立っているのに気づく。
お宅は変わらないのね。
殺人事件があっても。
それは皮肉でも嫌味でもなく、まるで自分の息子が自分を拒絶する現実を噛み締めているような口調だった。

しかし、それは主人公の夫にはわからない。
逃げようとする夫に、彼女は言う。
入らないのか、入らなければ入れなくなる。
だが、夫は逃げていく。

事件のほうは、凶器が特定され、その凶器を主人公の夫が埋めているという展開。
行方不明のまま、さまよう次男。
母親はついに警察に拘束され、しかし黙秘をしている。

一方、その夜、家の中ではあんたの幸せだ、あんたの身勝手な、と娘が叫んでいる。
ついに、主人公は暴れる娘の口に夕食に作った唐揚げを詰め込み、押さえつける。
「殺してやる」。
母親の目が、そう言っているように見えた。

「ひばりヶ丘」。
「高台にあるこの街は、誰もが羨む幸せの象徴」。
「本当に幸福な人間は、人を欺く必要などない。でもこの街は今、嘘と秘密であふれている」。

人から見た幸せじゃなくて、本当に自分が納得している幸せなら、見栄を張る必要なない。
取り繕う必要もない。
いつもはとげとげしているひばりヶ丘のボスである彼女が、息子に拒絶された夜だった。

このボスを演じるのは、夏木マリさん。
妙に穏やかな、悲しげな、いや、もっと透明な表情で荒れた主人公の家を見上げている。
うまい。
彼女を見るのが、楽しみだったりしてます。


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