長谷川明男さん。
最近、お見かけしなくて、気になっています。
非情な悪役がうまいのですが、善人役、コミカルな役もうまいんです。

「必殺」シリーズの「暗闇仕留人」では、鉄砲鍛冶職人で銃を作ることに夢中になってしまう。
その腕を見込まれ、悪人に言われて接近してきた女性に引っかかる純情な男。
しかし女性もまた、彼の純で誠実な性格に惹かれ、2人はいつしか本当に愛し合う。

その女性が、悪人に肉体でつなぎとめられていることを見せ付けられても、彼の気持ちは変わらない。
手に手をとって、逃げる2人は、無残にも引き裂かれて殺される。
この鉄砲職人が長谷川さんですが、悪党と同じ人が演じてるとはとても思えない自然な演技で純情青年を演じています。

しかし次のシリーズの「仕事屋稼業」では、自分のかつての恋人を地獄に突き落とし、遊郭の3代目に収まろうとする野望家の男です。
夢が叶うかに見えた時、男は死を覚悟したかつての恋人に刺されます。
てっきり黒幕かと思ったのに、あっさり殺される長谷川さんでした。

「仕置屋稼業」では、主水に「根性が曲がった隠密」「やりすぎ!やりすぎだよ!」と言われる。
善人の顔をして、作家の妻を死に追いやった、根性曲がった男。
もう一本、このシリーズでは妹と結託して悪事を働く男を演じてます。

そして「仕業人」では200回記念の「あんたこの替え玉をどう思う」に、ご出演。
この回は歴代必殺シリーズを色どった俳優さんがずらり、出演しているのですが、長谷川さんも実は功労者じゃないかな。
この回の長谷川さんは、主水の後輩の若い同心。

これがね、すごく楽しい。
主水と夜勤なんですが、主水はこの夜勤の間に、女盗賊の替え玉として牢に入れられた女性と、この女盗賊を入れ替えなくてはならない。
翌朝、女盗賊は死罪になる。

ろうそくに時を刻む印が入っているのを見ながら、時間を計っている主水に対して、とってものんきなこの同心。
眠気覚ましにか、お茶ばっかりいれて飲んでる。
お歌があらかじめ気を失うよう、又右衛門に教えられたとおり、針を打ち込んだ女性が運ばれてくると、気になって伸びをして覗き込もうとしてる。
何か言われると、「お茶ですか」。

さて、いよいよ替え玉を入れ替える時間になり、長谷川さんは主水と見回りに出る。
夜の見回りで、どこかで音がしたと主水に言われ、音の先が拷問蔵とわかると、「拷問蔵ですよ」と怖そうに言う。
いつもは使う側?ひどいことしちゃってるのに!なんて思ってしまうのも楽しい。
恐る恐る、主水と蔵に入ると、今度は「いろんなものがありますねえ」と感心してしまう。

そこにひとつあった、首輪に興味を示し、「これ、何ですか」と聞く。
すると主水が「これはこうやって使うんだ」と、長谷川さんの首につけてくれる。
「苦しいですね」と言うと、主水が笑う。
「取ってくださいよ」と言うと、主水が何と鍵がないと言い出す。

「ええーっ!」と仰天。
ちょっとお!と、大慌て。
静かにしないと、輪がどんどん締まると言って、鍵を探しに行く主水に小さい声で長谷川さん、「早くしてくださいよ!」
「おしっこ、したいんだからっ」。

お茶の飲みすぎなんです。
その間に主水は、女性と盗賊の入れ替え。
当然、時間は遅くなる。

又右衛門に「あの若いの、どうした」と言われて、主水は拷問蔵に走る。
「遅いですよー!」と叫ぶ同心。
輪をはずしてもらうまでに、「早く」と、ごちゃごちゃ言う。

身は縮こまり、相当切羽詰ってる。
大変だ。
外すなり、長谷川さん、ダーッシュで走っていく。

その様子が、おかしいやら、かわいそうやら。
いや、身につまされるわ。
でもやっぱり、おかしい、ごめん。

戻ると長谷川さん、今度は女盗賊と入れ替わった女性を外に運ばされる。
主水に「おい!」と声をかけられると、先ほどあれほどお茶の飲みすぎで苦しんだのに「お茶ですか」。
違ーう!
この言い方が、とぼけていて、ぬけていて、それでいてかわいらしい。

ああ、楽しい。
もうね、立派な200回目のゲストです。
非情な悪役の長谷川さんを思い出しながら見ると、さらに楽しい。
やっぱり悪役をやる人って、うまいんだなあと思いますね。

この後も、長谷川さんはしれっと?悪役を演じてくれます。
ふと、この方にあの「田中様」やってもらっても楽しかったかも、と思ってしまう。
最近、お見かけしないんですが、お元気でいてほしいです。
長谷川明男さん、私は大好きです。


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2013.04.19 / Top↑
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