三國連太郎さんといえば、山口百恵さんの「赤い」シリーズにも出演してました。
タイトルは赤い…、赤い…、なんだったっけかな、「赤い運命」?!
百恵ちゃんの父親役なんですよ。
しかし、父親っていっても実の父親じゃないんです。

百恵ちゃん一家は、17年前、百恵ちゃんが生まれたばかりの時、伊勢湾台風の被害にあい、離れ離れになってしまっていたんです。
伊勢湾台風というところに、時代を感じるでしょう。
当時の私でも感じたんですから。
台風で、それほどの被害が出る時代だったんだなあ、と。

それで百恵ちゃんは、孤児院に預けられている。
こういう設定が通るのも、時代ですねえ。
そこにはもう1人、同じ境遇の同じ歳の娘、こちらは秋野暢子さんが演じている娘がいる。
ある夜、孤児院が火事になり、救命に来た隊員は床に落ちた2人の箱の中身を拾った際、中身が入れ替わってしまった。

箱の中身は、2人が孤児院に来た時に身につけていたもので、2人の身元を証明する唯一のものだった。
この火事がきっかけで、百恵ちゃんと秋野さんの父親が判明する。
百恵ちゃんを迎えに来たのは、飲んだくれの三國さんだった。
そして秋野さんを迎えに来たのは、エリート検事の宇津井健さんだった。

しかし、視聴者にはわかっている。
本当の父親は、宇津井さんなんだ!って。
宇津井さんのところには見習いの若い検事士がいて、彼は苦労する百恵ちゃんに惹かれて行く。
だが、彼に憧れてしまった秋野さんは、百恵ちゃんに彼はふさわしくないと女の嫉妬を燃やして、百恵ちゃんをいびりはじめる。

血が呼ぶのか、なぜか宇津井さんは百恵ちゃんを放置できない。
そしてやはり血が呼ぶのか。
秋野さんは三国さんに対して、異常なほどの拒絶反応を示すのだった。
そして一体、何でみんなして娘の私より百恵ちゃんをかまうの!とますます、秋野さんは百恵ちゃんの邪魔をする。

三國さんは、「満蒙開拓青年団」の生き残りだった。
彼は自分たちを「この世の楽園だから」と騙して満州に連れて行き、ソ連が来るとさっさと見捨てて逃げた、今は大物代議士となっている男を付けねらっていた。
ソ連に抑留されたり、逃げる途中でほとんどの仲間は死んでいった。
そのため、彼の心はもう、折れてしまっていた。

酒に溺れ、百恵ちゃんに働かせる日々。
しかし、彼にはたった一つ、執念を燃やすことがあった。
彼は仲間に託されていた。
自分たちを騙して連れてきて、真っ先に逃げたあの男に恨みをぶつけてくれと。

そしてある夜、三國さんは殺人事件の容疑者として逮捕される。
裁判の検事の担当は、何と宇津井さんだった。
実の父親と娘は、法廷では敵同士なのだった。
百恵ちゃんを心配しながらも、彼は父親の三國さんを糾弾せざるを得ない。

殺人犯の娘なんて、ますますふさわしくないと秋野さんのいびりは激しくなる。
裁判で、散々父親に苦労をかけられた百恵ちゃんは言う。
父がやってないというのなら、私は父を信じます。

そのけなげな姿は、話題になる。
さすがの三國さんも、法廷で涙ぐんだ。
裁判の結果は、無罪。

喜びにわく百恵ちゃんと三國さん。
自分たち親子の、エリート親子への勝利だと三國さんは思う。
今まで粗末に扱っていた娘に向かって、報道陣が押しかけると、三國さんは報道陣をにらみつけ、娘を自分の背後にかばう。
その迫力に、報道陣が一瞬引く。

やがて、真相は明らかになっていく。
なぜなら、行方不明になっていた百恵ちゃんの母親であり、宇津井さんの妻、岸田今日子さんが見つかるからです。
しかし彼女は記憶を失っており、今はある大企業の社長の妻となっているのだった。

これがね、確か、百恵ちゃん、実の娘の腕にほくろが3つ並んでいるんですよ。
で、岸田さんは百恵ちゃんの腕を見て、思い出すような、思い出せないようなもどかしいものを感じるんです。
どこかで…、私はこれを見ている…って、具合に。

本当は百恵ちゃんが実の娘だと知った宇津井さんだが、三國さんはすっかり、生きる目的を百恵ちゃんとの生活に見出している。
真相を知っても、絶対にこの娘を手放したくないと思う。
逆に自分に対して嫌悪をあらわにする、あの娘が実の娘だなんて、三国さんのほうでも絶対嫌。
そう言いながらも、陰でこっそり見たりして、気にはなるんですけどね。

百恵ちゃんのほうでも、三國さんを見捨てられないとこのまま娘でいる決意をする。
さらに宇津井さんは妻の会社が危ないと見ると、自分の家を担保にして助けてやったりとこちらも百恵ちゃんに負けず劣らず、献身的。
やっぱりこの2人が、親子じゃー。
そして物語のクライマックス。

今は大物代議士として、壇上にあがり、演説を始める三國さんの恨むべき相手。
三國さんはついに、警備の目をかいくぐって、男に向かって刃物を突き出す。
しかし、彼を殺人犯にしてはいけないと宇津井さんは身をもって止める。
刺される宇津井さん。

娘として駆け寄ってしまう百恵ちゃん。
逮捕される三國さん。
代議士は戦時中のスキャンダルが明らかになり、失脚する。

全てが終わり、親子はそれぞれの形に戻っていく。
だが、岸田さんは今の生活があるので、それを続けていく。
会社をなくした夫には、彼女が支えだし。

秋野さんは、人気絶頂の百恵ちゃんをいびったので、大変だったらしい。
電車の中なんかでおばあちゃんに「あんたね、あんたの本当のお父さんはあっち。三國さんだよ」って言われたりしていたらしい。
「知ってるよー」と思ったけど、「えーっ?!」ってビックリして見せてたんですと。
大変でしたね。

意地悪はするが、百恵ちゃんほど芯が強くない秋野さんは、連行される父親を涙で見送るしかない。
百恵ちゃんを好きだった宇津井さんの弟子は、秋野さんを支えてやらなくてはいけないと秋野さんの肩を抱いた。
自分は父親との生活を手に入れたのだから、と、愛は秋野さんに譲る百恵ちゃん。
岸田さんといい、これ、単純なハッピーエンドじゃなかったんですよー。

それから満蒙開拓青年団の悲劇と怨念なんて、子供の私にも三國さんは強烈に印象付けたんですね。
すごい演技だったんですよ、やっぱり。
それとこの作品、設定や話は時代を感じるものでしたが、戦中戦後の問題もまだ生々しく取り上げていたのかなと思います。

ラスト、2人は家で、百恵ちゃんがむいた、りんごを食べていました。
「お父さん」。
2人は微笑みあう。
やっと幸せの時が訪れたで、終わり。

何の資料もないし、見直してもないので、違うところはご容赦を。
あと、記憶によれば宇津井さんの役の苗字は、吉野…だった気がします。
百恵ちゃんの役名は「なおこ」だった気がします。

それは思い出すとやっぱり、三國さんの「なおこ」って声のおかげなんですね。
「なおこ、俺を見捨てないでくれ」とか言ってる声。
だとすると、あの頃は怖いと思いましたが、改めて俳優さんとしてはすごい方だったんだと思います。


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2013.04.20 / Top↑
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