夏八木勲さんが、お亡くなりになりました…。
ちょっと前に2時間サスペンスでお見かけした時、「お痩せになった」「すごくお痩せになった」と思ったんです。
すごいな。
役者魂、役者根性を感じます。

これから、貫禄ある大物ポジションを演じてほしかったのに…。
渋い、素敵な俳優さんだったのに…。
本当に昔から、見ていた俳優さん。

角川映画が最も勢いがあった時の、常連さんでした。
「白昼の死角」の完全犯罪のラスト。
「戦国自衛隊」の長尾景虎のすさまじさ。

「野生の証明」の刑事。
「復活の日」もあった。
千葉真一さんや、高倉健さんとの男っぽいシーン。

今では考えられないような肉食男性たちのシーンで、活きました。
でも知的な役もお似合い。
演技の幅の広さですね。
ご家族とのプライベートな面を一度、テレビで見たのですが、プライベートなのにサムライっぽかったです。

「八つ墓村」で、炎上する多治見家を見下ろして笑う落ち武者姿は、子供を震え上がらせたはず。
うっ、いたんだ…、ついに、ついに復讐を全て果たしたんだね…。
「柳生一族の陰謀」、後に北大路欣也さんの「子連れ狼」では烈堂さまでした。
萬屋版「子連れ狼」では「可の字無残」「喰代柳生」。

「可の字無残」での、草入り忍びがすばらしい。
約束を守った一刀を守って、密かに命を張る柳生の草。
優しい百姓の父親の顔、忍びの非情な顔、親の仇を討ちたい男の顔。

「喰代柳生」では、父の烈堂を慕いながらその気持ちが通じない。
戦うことでしか、父に認められない男。
その心の傷を、一刀に突かれて敗れる。

「必殺仕置人」では、金持ちと芸者の遊びに巻き込まれ、人生を狂わされた板前・鬼寅。
鬼のような殺人鬼と追われ、おきんの家に逃げ込んだが、理由を知ったおきんとの間に淡い思いが通じ合う。
だが逃げられるわけもなく、「今度生まれ変わったらあんたのような人と…」という言葉と賞金をおきんに残し、散っていく。

あと、誰も覚えていないでしょうね、ザ・サスペンス「悪魔のような完全犯罪」。
たしか古尾谷雅人さんが息子で、後妻が大竹しのぶさん。
田舎の封建的な一家の、傲慢で独裁的な父親が夏八木さん。

最後は後妻を手に入れようとした息子に殺されるんじゃなかったか。
だが全ては後妻が仕組んだこと。
惨めだった姿が嘘のようにあでやかになった後妻と、原宿で再会した息子は「あなたも、あなたの父親も大嫌い。あなたたち2人はそっくり」と言われる。

平幹二郎さんが近藤勇、古谷一行さんが土方歳三、草刈正雄さんが沖田総司を演じた新選組始末記では、永倉新八だった。
「真田太平記」では、真田の忍びの頭領・壺谷又五郎。
良いドラマだったな。

「鬼龍院花子の生涯」では殺された闘犬の飼い主で、その理不尽さを鬼龍院政五郎に訴える。
犬の仇をとってくれた政五郎に、その後は従う男。
最後は政五郎と鬼龍院一家と、運命を共にする。

「丑三つの村」では唯一、主犯格なのに襲撃から身を守ることができた男だった。
打ち込まれる猟銃の弾丸を、畳を何重にも立てて防ぐ。
そして、最後は狂ったように笑っていた。
あの人は、正気を保っているのか。

京極夏彦氏原作の「怪」「七人みさき」では、炎を操る裏の仕事人・みあかしの甲右衛門。
最後は、因縁ある小松正夫さんが演じる家老の刃を両手を広げて受け止める。
いぶかしく思った小松さんを斬って、湖に倒れこむ。
この背中から倒れこむ体勢が見事。

倒れこんだ甲右衛門を、湖から突き出た七本の腕が引きずり込むのが衝撃的。
うわ、「七人みさき」はいたんだ。
甲右衛門は、七人みさきの最後に加わって、人を湖に引きずりこむようになるのだろうか。

…こうやってざっとでも思い出すと、時代劇、現代劇問わず、ものすごく見てきたんだなと思いました。
昔から、ずっと。
悲しい。

夏八木さん、すごくすごく長い間、楽しませていただきました。
男っぽくて大好きでした。
素敵な俳優さんでした。

ありがとうございました。
とても寂しいです。
もう、夏八木さんの新作が見られないと思うと、とても悲しい。

安らかにお眠りください。
長い間、ありがとうございました。
…いや、ちょっと、いや、かなりショックだな。


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2013.05.12 / Top↑
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