こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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俺のこと、坊やって言うんだぜ! 「大都会Part2」

第36回「挑戦」。
柴田恭兵さんがゲスト。
黒さんにかわいらしい挑戦をする清水六郎ことロクちゃんを、演じてます。

渋谷病院の看護師・吉野今日子のところにサングラス、黒いシャツに黒いズボンをはいた若い青年が訪ねてくる。
「看護師の吉野さんって、まだいる?」
「いるわよ」と今日子の居場所を教えられて、「センキュウ!」と足取りも軽く階段を登っていく。

彼の名前は清水六郎、通称ロク。
以前、城西署の黒岩刑事に自動車泥棒で逮捕された。
彼を見た今日子は明るく微笑み、「いつ出てきたの?」と聞く。
「先月」。

仕事は何をしているかと聞かれて、ロクは黙る。
刑務所から出たらまじめに働くと言ったのに、と、今日子が怒る。
するとロクは、世間の風が冷たいんだもん、全然信じてくれないんだもんと言う。

「君にはできるわよ、ファイトがあるもん。意地っ張りだもん」。
ロクが渋谷病院に入院したのは、黒岩刑事と殴り合いをして担ぎ込まれたのだ。
「他のデカが来なかったら、黒岩の奴半殺しにしたのに」。
「呼ぼうか?」

黒岩を呼ぼうかと言われたロクはぎょっとして、「やだよ!」と言った。
「何でそんなに嫌うのよ」と言った今日子は、黒岩があれからロクのことを気にしていたことを教える。
黒岩は優しいのだと言うとロクは「あいつにそんな優しいとこあんのかよ」と言う。

「あるわよ!」
「惚れてりゃ良く見えるんだよ」。
今日子は黙った。
ロクは言った。

「黒岩の奴な、俺捕まえるときに『坊や、おとなしくしろ』って言うんだ!俺のこと、坊やって言うんだぜ!バカにしやがって!」
「だってまだ、はたちになったばかりじゃない」。
「あんたまで俺のこと、バカにすんのかよ!」

今日子が黒岩にロクが出所してきたことを言うと、黒岩はロクのことを「その気持ちわかるな」と言った。
「根はいい子なのよね」と言う今日子。
黒岩は笑って「ガキなんだよ」と言う。

「ロクちゃん、黒岩さんのこと、好きなのよ。憧れてるのよ」。
「小学生のとき、ほら、女の子の髪引っ張って意地悪する男のコいたでしょ。好きなのに口に出して言えないから、意地悪して印象付けようとして。ロクちゃん、きっとそうなのよ」。
それを聞いた黒岩は、うれしそうにはにかむ。

黒岩と今日子が昼ごはんを食べていると、渋谷病院から電話が来る。
輸血用の血液が盗まれてしまい、輸血できないらしい。
急遽、城西署の刑事たちが輸血に協力した。

ロクは自分の2人の仲間に黒岩につかまったときのことを、「俺のパンチが入って、奴がふらついた。他の刑事が来て、勝負はお預け」と言って尊敬を集めていた。
城西署の黒岩刑事といえば、「柔道5段、空手3段、黒岩と聞けばそこいらのチンピラは震え上がる」。
自分と黒岩とは、いずれ決着つけなきゃいけない。
ロクに言わせると黒岩と自分とは、「あいつと俺は武蔵と小次郎」らしい。

その時のことが、ロクの脳裏に蘇る。
本当はロクは、「ちくしょ~」と言いながら組み伏せられる一方だった。
「坊や、てこずらせるな」と、まるで子ども扱いだった。
これがロクには、どうにも悔しい。

そこでロクが考え、2人の仲間と実行に移したのが、渋谷病院から輸血用の血液を盗み出し、道路にまく。
仲間の1人がそこに寝転がり、ロクちゃんが引きずってレンタカーに乗せる。
レンタカーにも血をまいて、そしてマネキン人形を布袋に入れる。
そこでわざと血を踏んで、血をつけて指紋をつけたナイフを道端に捨てる。

自動車を、急発進する。
ロクたちは港まで行き、マネキンが入った布袋を海に捨てる。
やがて血の跡を見た人が通報し、夕べ自動車を急発進した音を聞いた人が現れる。

すぐにロクが、城西署に引っ張られた。
一体、誰を殺したのか。
ロクは最初は黙秘、やがて自供する。

死体を捨てた場所を言う。
マスコミも集まってくる。
そこでマネキンが引き上げられ、黒岩刑事が笑われる…。

ロクの筋書きはそうだった。
計画通り、黙秘し、やがて死体を捨てた場所を言う。
いよいよ、黒岩刑事が笑い者になる。
そう思ったロクだった。

だが、引き上げられた布袋から出てきたのはマネキンではなく、本物の死体だった!
ロクは仰天する。
違う、本当に人なんか殺してない!

ロクは訴えるが、目撃証言はあるし、証拠は全部揃っている。
誰もロクの言うことを、信じない。
しかし、黒岩は疑問に思った。

被害者は代議士だった。
一介のチンピラのロクが手に掛けるには、大物過ぎる。
その代議士は裏では竜神会と繋がっており、今度、竜神会は弱小の組織を吸収合併するはずだった。
この仲介が、この代議士だったのだ。

仲介役が死ねば、合併の話は暗礁に乗り上げる。
吸収合併を良く思わない人物が、ロクの話に乗り、本当に代議士を殺害したのではないか。
しかしロクたちは誰にもマネキン人形の件は、話していないと言う。
黒岩刑事はロクを信じて、動く。



結局、犯人はロクちゃんの仲間の1人の青年が、レンタカーのお金を借りたヤクザ・井沢。
自分の話したことが原因で、ロクちゃんが逮捕されたのではないかと思った青年は井沢に会う。
このヤクザ、黒部進さん。
ウルトラマンの、ハヤタ隊員だ~。

井沢は合併に反対しており、代議士さえいなければ話は白紙に戻ると思っていた。
そこでロクたちの計画を知り、便乗して代議士を殺し、遺体を捨てたのだった。
井沢は自分に会いに来たロクの仲間を殺してしまう。
怒りのロクは仇をとる!と涙にぬれて誓う。

そして井沢の女性関係から井沢のことを知り、自分でも井沢を探す。
しかし、黒岩刑事はロクちゃんに人殺しなんかさせない。
ロクちゃんが井沢のマンションに踏み込む直前、城西署の刑事たちが井沢を逮捕する。

逮捕された井沢に向かって、「俺が殺す、俺が!」と、丸さんに押さえつけられながらもわめくロクちゃん。
自分の仲間を殺した井沢に対して、怒りが収まらない。
「井沢ーっ、殺したる!」と叫び続ける。

翌日、田舎に帰ることになったロクちゃん。
今日子さんに連れられて、城西署に挨拶に行く。
ちゃんと挨拶するのよ、と言われて、「やだなあ」と言いながらも城西署に行き、頭を下げたロクちゃん。

「確かお前の故郷は、長州は下関だったな」と言う徳吉。
「広島です」。
「あ、広島か」。

この2人のやり取りが、いいタイミングでおかしい。
下関って、徳吉を演じた松田氏の故郷じゃなかったですか?
黒岩は、というと、ロクを見ない。
ロクちゃんはちらちら、黒さんを気にしている。

「どうもすみませんでした」。
「しっかりやるんだぞ、いいな」と丸さんに言われる。
この丸さんこと、高品格さんが本当に、昔のたたき上げの人情がわかる老刑事といったいい感じなんです。

帰ろうとしたロクちゃんは、ドアに走る。
そしていきなり振り向くと、「クローッ!」と叫ぶ。
「今度会ったら、差しで勝負しろ!俺、絶対負けないからな!」

聞いていた徳吉が、デスクでぶつぶつ、笑いながら「これだよ」と言っている。
手を広げて、裏表に返しながら、「激しいんだよ」と言っているのがおかしい。
ロクちゃんはまだ叫ぶ。
「少林寺かなんか、一生懸命練習して、おめえ、ぶん殴ってやるよぉ!」

徳吉の隣で新聞を読んでいた黒さんは、「差しで勝負だよ、たまらんよ、助けてくれよ、おい!」と笑っている。
この言い方が、いい大人の言い方なんです。
いたずら坊主を前にして笑う、大人の余裕とあったかみがある。

部屋を飛び出したロクに、今日子さんが「もう…」とあわてている。
ポケットに手を入れて、背中を丸めてロクちゃんはスタスタ歩いていく。
いじけている。

黒さんは、自分の方を向いてもくれなかった。
俺は黒さんに無視されたんだ。
もう会えないかもしれないというのに…。
やっぱり、黒さんにとって俺なんか…。

すると黒さんが、まったくもうと言った感じで部屋から出て来る。
廊下で黒岩が、ロクの後姿に向かって「勝負してやるぞ!」と言う。
ロクの足が止まる。
「いつでも東京に出て来い!」

ロクの顔に、笑顔が広がる。
くしゃくしゃと、うれしそうな笑顔。
ポケットから手が出る。

ロクがうれしそうに手を上げて、手を振るかと思うと、その手が下がる。
力を入れて振り下ろした手が、「やった!」と言っている。
後ろを向いたままだけど、スキップして、ロクは足取り軽く去っていく。

ロクちゃんにとって黒岩刑事は、憧れ。
素直に出せない憧れ。
どうしても自分を認めてほしい相手。
それに、子ども扱いされた苛立ち。

一人前に扱ってもらいたい。
自分と言う存在を認めてもらいたい。
そして、男として超えたい壁なんだ。
ロクちゃんの心の動きが、実によくわかります。

もしかしたらロクちゃんには、父親がいないのかもしれませんね。
こういう強い父親がほしかったのかも。
そんな背景を感じさせる、柴田恭兵さんの演技。
若いチンピラのあんちゃんを演じてうまい、うまい。

当時の柴田さんは軽やかなお調子者を演じたら「地じゃないの!?」って言いたくなるほど、はまっていた。
取調室での徳吉こと、松田優作氏とのやり取りが軽快でおもしろいですもん。
実に息があっている。
松田氏のアドリブかわからないようなセリフにも、ちゃーんと応えています。

ロクちゃんの、最後のうれしそうな笑顔。
あれを見たら、きっとロクちゃんは、故郷に帰ってもやっていけると思う。
今日子さんも、意地っ張りだからできるわよと言っていましたし。

最後の黒岩刑事の一言で、ロクちゃんは冷たい世間の風の中でも、今度はまじめにやっていけると思います。
自信がついた、故郷を出て、わけもわからず漂っていた東京にサヨナラできた。
そして自分のような若い子に、暖かく接してやるようになるのでは。

最後にまた布袋があがったと言う通報があり、城西署の刑事は港に向かいます。
すると今度はマネキンが入っていて、そこにはビニール袋に守られた一枚の紙がある。
「最高だよ」と徳吉が笑い、他の刑事たちが笑う。

そこにはロクちゃんが描いた黒岩刑事の、思いっきり間抜けな似顔絵と「城西署のバカ刑事黒岩、ご苦労さん!」の文字。
笑いながら、ロクちゃんがかわいくてしょうがないといった風の黒岩刑事。
今日子さんも言ったけど、ロクちゃんはいい子なんです。
ロクちゃんが黒さんを好きと言われた時の黒さんは、とっても恥ずかしそうでうれしそうな、はにかんだ笑顔だった。

それは黒さんも、わかっていた。
でも、仲間を殺した井沢を、ロクちゃんは自分を顧みず仇をとろうとしていた。
このひたむきさを見て、黒岩さんはロクちゃんの良さをもっと知った。
かわいい奴だと思ったに違いない。

今日子さんも、ロクちゃんをまるで弟のように扱っている。
城西署の刑事さんたちも、ロクちゃんが憎めない感じ。
ロクちゃんて、弟キャラなんですね。
この話は、柴田さんの個性あっての話でしょう。

さすがだと思います。
今回はロクちゃんも、黒さんもかわいい。
芸達者の柴田さんを迎えての、楽しい回でした。


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