こたつねこカフェ

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純情徳吉 「大都会Part2」

第41回は、松田優作氏演じる徳吉刑事の悲恋物語「野良犬の恋唄」。
相手役は「蘇る金狼」でも松田氏と共演する、風吹ジュンさん。
今もかわいらしく年齢を重ねていて、好きな女優さんです。


いわゆる暗黒外の顔役・沼田の捜査が大詰めを迎えたある夜、黒岩は徳吉に張り込みを命じる。
だがその日に限って、徳吉は渋い顔をした。
デートだと言う。

黒岩はすぐに交代をやるからと言って、徳吉を張り込みに行かせたが、黒岩が来たのは8時半を回った頃だった。
いまどきの娘が2時間も男待ってないですよ、と徳吉はガックリしながら待ち合わせに向かった。
店はもう掃除を始めており、客はいないかに見えた。
その時、奥の席にブーツを履いた足が見えた。

徳吉の顔がぱっと輝く。
うれしそうに走りよりそうになるが、まじめな顔を作り直し、徳吉は待っている娘・曜子の近くに立つ。
徳吉を見た曜子は、怒った顔をして立ち去る。
追いかける徳吉。

「3時間よ。3時間も惨めな思いで待ってたのよ」。
うれしそうだった徳吉は、前に回って涙に濡れた曜子の頬を見た途端に動揺した。
しどろもどろにうろたえ、何と言って謝っていいのかわからない。
言葉が出てこない徳吉は曜子を抱きしめ、ひっぱたかれる。

次の日、徳吉は黒岩に曜子恩父親に自分の職場の先輩として会ってくれと頼む。
徳吉はつい、曜子には刑事と言うことを言いそびれてしまっていた。
黒岩と一緒に曜子と会った徳吉は、曜子が「父だわ」と言う方を向いて驚いた。

沼田がいた。
曜子は沼田の娘だったのだ。
父親から黒岩も徳吉も刑事と聞かされた曜子。
これで終わりだと思った徳吉が、酔っ払って帰宅する。

アパートの前に大きな旅行バッグがあり、「引越しでもするんですか~?」と呼びかける徳吉。
階段に人が座っているのに気づいて振り向くと、曜子だった。
「私、家を出てきたの」。
「ええっ!」

曜子は父は父、自分は自分と思った。
そして曜子は、徳吉との愛を選んだのだ。
徳吉は曜子を大切そうに、自分の着ていたコートでくるむ。

翌朝、徳吉は警察に出勤した。
曜子がアパートにいるとき、沼田の秘書が連れ戻しにやってきた。
徳吉がいないことを指摘され、曜子は事件でもあったのだろう、立川へ行ったと言う。
秘書の目が光った。

黒岩たちはインターポールの刑事たちとともに麻薬の取引を抑えようとしたが、向こうは待ち受けていた。
火炎放射器での攻撃を受け、インターポールの刑事は重症を負う。
情報が漏れている。
内通者がいる。

インターポールの刑事は、徳吉のダイヤモンドのネクタイピンに目を留めた。
刑事の安月給で、あんな高価なものが買えるだろうか?
ネクタイピンは、曜子からのプレゼントだった。

疑いをかけられた徳吉は、沼田の養子にでも何でもなってやる!と叫んだ。
「てめえら、女に惚れたことねえのか、ばかやろう!」
「俺は惚れてるんだよ!」

徳吉はそう叫んで、署を出て行く。
だがアパートで待っている曜子に徳吉は、ネクタイピンを「これ、返します」と言って返した。
そして、「自分はあなたと一緒にはなれません」と涙ながらに告げた。

自分には、刑事しかない。
そう思ってやってきた。
これからもそうだ。
だから自分は、曜子と一緒になる道ではなく、刑事の道を選びますと徳吉は言った。

でもこれから先、もう自分は女の人を好きになりません。
それから自分は、沼田を憎みます。
あなたの父親の沼田ではなく、犯罪者としての沼田を憎みます。

徳吉の告白で、自分の不用意な一言、「今、徳吉はいない、立川に行ったわ」の一言が徳吉を追い詰めたことを知った曜子。
曜子は飛び出した徳吉とともに、自分の父親のところに行く。
そして拉致された徳吉を助け、徳吉は沼田の麻薬と武器の取引先を急いで黒岩に知らせる。

徳吉のもたらした情報から、黒岩たちは沼田の取引先に急行。
組織は壊滅、沼田は逮捕された。
徳吉は、お前には人の気持ちはわからないと言って、沼田を殴る。

沼田は宗方のいる渋谷病院に、入院した。
曜子は父親に別れを告げに来たが、沼田はどんなに嫌でも曜子が沼田の娘と言う事実は消えない。
世間もそう見る。
徳吉としても沼田の娘と一緒になれば、警察官としては一生無駄うだつがあがらないだろうと言う。

外に出た曜子は、徳吉の前を素通りしていくしかなかった。
うつむく徳吉。
黒岩が肩を叩き、車に乗せる。

後部座席でサングラスをかけ、徳吉は涙をこらえる。
やっとのことで搾り出した言葉は、「黒さん、今晩おごってくれますか」だった。
「おお、いいよ。前来いよ!」

黒岩の声で徳吉は、黒岩の隣に移動する。
去り行く車。
いつも城西署の凶暴刑事・徳吉としての殺伐とした日常が戻ってくる。



この話は、覚えていました。
普段は、城西署の凶暴刑事と言われる徳吉刑事。
松田氏が映画の撮影なんでしょうか、たまに徳吉刑事がいなかったり、ワンシーンしか出ていない回があるんです。

それで気づいたんですが、徳吉刑事がいるといないでは攻撃力、破壊力が違う。
渡哲也さんの黒岩刑事は、どんな時にも対応するし、変わらないんですが、黒岩刑事をサポートする力が、全然違うんです。
課長をからかったりと、ちょこちょこさりげなくおかしいセリフをはさみ、ムードを盛り上げる役でもあります。

酔っ払って戻ってきた徳吉が口ずさんでいるのが、「くちなしの花」。
黒岩刑事を演じる渡哲也さんのヒット曲なのが、おかしかった。
この回は、そんな徳吉刑事の今まで見たこともない顔が見られる。

犯罪者たちを「や、やめてくれよぉ」と怯えさせる徳吉の顔は、ここには一片もない。
殴り合いになれば、相手の攻撃はほとんど功をなさず、余裕で相手を吹っ飛ばす。
発砲すれば、的は外さない。
凶悪犯にしてみると怖ろしく手ごわく、他の刑事たちにしてみると徳吉がいれば大丈夫と思わせる。

そんな徳吉が城西署で曜子への気持ちを叫んだ後、アパートに戻る。
沼田の養子になってやる。
おめえらもぶっ殺してやる。

そう言って飛び出した徳吉がうつむき、「自分はあなたが好きです」と曜子に言っている。
「あなたのことを考えると、頭が変になりそうです」と。
徳吉にこんな面があったのかと、見ているこちらが驚くような顔を見せる。
とまどい、弱気になり、悲しみが隠しようもなく徳吉を覆う。

この時も徳吉は、徳吉相手に見張りが1人って無謀だと思わせるほどの有能を見せる。
格闘も強い。
しかし黒岩のところに向かう前、徳吉は曜子を抱きしめる。

曜子をコートでくるんだ時、部屋に入れる時、抱きしめる時。
指の先にまで、徳吉の曜子への愛しさが溢れている。
凶暴な刑事と思われているけど、この人は本当はとても優しいんだと思う。

いや、同僚たちに対する徳吉の優しさは、どちらかというぶっきらぼうで乱暴な愛情表現だった。
こんなに細やかに優しいのは、曜子にしか見せたことがないんじゃないか。
当たり前だと言われそうですが、いや、松田優作氏の演技ってこんなに幅が広かったんだと新鮮な驚きを持って見ました。

以前、黒岩に「女ってこえーな」と言われた時、自分の理想を言っていた徳吉。
悪女や狡猾な女をたくさん見てきた徳吉には、曜子はきっと、その理想だったに違いない。
徳吉はそう簡単に、人を好きになる男ではないだろう。
だとすると、徳吉はこれから先、本当に誰も愛さなかったかもしれない。

父親に、曜子と一緒になった徳吉がこれから受けるであろう仕打ちを知らされた曜子。
その、まるで人形のような表情。
彼女もまた、二度と誰も愛さないのではないかと思ってしまう。
でもこんな徳吉が家族を持ったら、特に曜子なんか悪党たちの標的になっちゃっただろうな。

この話を覚えていたので、「蘇る金狼」で松田氏と風吹ジュンさんが共演した時はうれしかったんですけどね。
朝倉は徳吉じゃないから非情だったし、その非情さが彼女に対してだけ薄れた時にはもう遅かった。
2人のハッピーエンドが見たかったなあと思ってしまうのは、この時の徳吉の純情が哀しかったからでしょう。

しかし、徳吉は「野良犬」かあ。
あの汚れ具合、荒む具合がの野良犬という表現にピッタリなんでしょうが。
せめて、警察犬と言ってほしかったなあ。
そうは見えないけど、大学出てて、あの刑事さんたちの中では、結構な物知りでインテリさんなんですよ。


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