こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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涙拭えぬ 金ぞむなしき 「猫侍」第6話

第6話。

『拙者、元加賀藩剣術指南役・斑目久太郎。
無双一刀流、免許皆伝にて、今日ゆえあって浪人暮らし。
…同居人は、猫』。

心の中で、斑鬼のテーマソングを歌う久太郎。
美しく張った傘を開く。
そこには、猫の足跡。

開いても開いても…。
どれ開いても。
そこには猫の足跡。

のんきに籠で、箱入り娘している玉之丞。
カッと見開いた目で、にらみつけた久太郎。
「きっさまぁ~!」

にゃあおん。
久太郎、玉之丞を押入れに入れる。
『好きな言葉、猫の恩返し』。

にゃあおん!
一層高く響く、玉之丞の声。
「うるさい!」
高く響く、久太郎の喝の声。

表に来ていた、薬売りの五郎がその声に怯え、引き返そうとする。
そこに長屋から若菜が出てきて「あ、江戸に来てたんだ」と声をかけた。
「機嫌悪いみたい」と、久太郎の家に入らず帰ろうとする五郎に若菜は、「だいじょぶ、だいじょぶ。お侍さーん!」と戸を叩いてくれる。

「奥様、受け取ってくれませんでした」。
五郎はそう言って、久太郎に託された招き猫の貯金箱を差し出した。
だんな様に返してくださいと言ったきり、妻は黙ったと言う。

それを聞いた、久太郎の顔色が変わった。
「もう一度届けろ」。
五郎も日を替えて何度も持って行ったのだが、妻は頑として受け取らなかったらしい。

「しかと届けろと、言ったはずだ」。
久太郎のまなざしに背を向けた五郎は、「嫌だな~、こんな板ばさみ」と身を縮こませた。
「もしかして、お金だけ送りつけたわけじゃないでしょうね?」と若菜が言う。
久太郎のまつげがピクリと動き、黙ったまま久太郎は、ぴしゃりと戸を閉めた。

ちゃりんちゃりんと音をさせた貯金箱を手に五郎は、「こんな大金、持ち歩けないよぉ~」と叫んだ。
「じゃあさ、とりあえず、うちで預かっておく。折りを見て、必ず、お侍さんに返しておくよ」と若菜が言った。
「助かるぅ~」。

「ネコババしちゃ、ダメだからね!」
「そんなこと、しないよぉ~」。
「信じてるけど」。

若菜は貯金箱を受け取った。
「でも、ほんと、困ったお人だよ。こんな長いこと浪人してるんだったら、奥様のところに帰ればいいのに」。
「ほんとだね。帰れる場所があるのに…」。

そう言って黙った若菜を、五郎は見つめた。
だがすぐに「じゃあ、また」と笑顔を作って、若菜は部屋に戻った。
久太郎は数々の手紙を前に、妻の「でも今は、あなたを信じる心に、自信が持てない」と言った妻の顔を思い出していた。

にゃあおん。
わおん。
玉之丞の声が響く。

『怒ってない怒ってない』。
久太郎は木刀を手に、精神統一しようとする。
『俺は怒ってない』。

そして、がらりと押入れの戸を明ける。
玉之丞が、四角い籠に中に入っている。
「まだ反省が足りん!しばらくそこにいろ」。
久太郎はそう言って、戸を閉めた。

その頃、加賀屋では主人が絶叫していた。
佐吉が、「どうしましただんな様」と言う。
「夢を見た。玉之丞の夢だわしに向かって、たすけてくれーと叫んでおった。鳴いておった」。

佐吉は主人の汗をぬぐいながら、「なんだか気味が悪いですね」と言った。
すると、主人は佐吉の首を絞めながら「気味が悪いのか!」と食ってかかった。
「くっ、くるしいですよ」。
「佐吉、あの世に行って玉之丞を救い出せ」。

「やめてください!夢の中の話でしょ!」
主人は、しょんぼりして言った。
「鳴いてばかりいる玉之丞、かわいそう。…かわいそう」。

「何で鳴いてたんでしょう?」
「くらぁくて、せまぁい所に閉じ込められているよ。たとえば、壷」。
その言葉に、佐吉がギョッとする。
「壷!」

佐吉は、神社の裏の、玉之丞を封印した壷の元に走った。
辺りをうかがい、誰もいないことを確認して、置いてあった場所にあるはずの壷を見る。
「ない!」
壷は、久太郎が移動させたため、外にあった。

佐吉は壷を拝みながら、「玉之丞、だんな様の夢に出てきたってダメだよ!お前はしんじゃったんだから。成仏しい!」と手を合わせた。
そして怖れながら、「成仏」と書いた紙をさらに壷に張る。
「成仏!」
拝みながら、佐吉は後ずさりしていく。

押入れの戸を明ける久太郎。
「少しは反省したか」。
玉之丞は押入れの中の、四角い駕籠の中でおとなしくしていた。
「さあ、飯だ」。

「貴様はすべての傘をだめにした。武士なら切腹もんだぞ。しかし俺は鬼ではない。飯ぐらい食わせてやる。だからお前も少しは猫の恩返しでも…」。
だが、玉之丞は目の前に椀に背を向けていた。
「うん?どうした?」

『少し、おしおきが過ぎたかな』。
玉之丞は食べなかった。
久太郎は、玉之丞を魚籠に入れ、猫見屋に連れて行く。

そこに、先日斬った高札があるのを見た。
高札の柱は、倍以上太い、まるで家の柱のようなものに代わっていた。
『太(ふと)っ!』
『しかし修復が早いな。敵も本気というわけか』。

久太郎は魚籠を手に、高札の前を足早に去った。
猫見屋のお七は、玉之丞の目や耳を確かめ、「お寺に預けたりしたから、一気に疲れが出たんだと思う」と言った。
「そんなことで」。
「猫ちゃんは繊細なのよ、大事にしてあげないと。この様子じゃ食欲もないんじゃない?」

「まあ」。
「猫ちゃんの体調を整える、いいお薬があるわ」。
「いくらだ」。
「一両」。

思わず、久太郎の顔が引きつる。
『うっ、法外な値段』。
「どう?」
「何とかしよう」。

「まいどあり!」
お七は皿に出した、液体の薬を玉之丞になめさせた。
玉之丞は、その薬を綺麗になめた。

「これで元気になるわねえ、ところで、ちゃんと遊んであげてる?」
「遊ぶ?」
「そうよ、運動や心の疲れを癒すために遊びが必要なの。人間と一緒!」
「俺には必要ない」。

「本当に?」
「生まれてこの方、遊んだことは一度もない」。
「はいはい」。

『いつでも真剣だ』。
「でね、猫ちゃんと遊ぶって言うのは…」。
話しているお七をよそに、久太郎は心の中でつぶやき続ける。

『剣の道だけを、突き進んできた』。
「ほらほらほら、こっちよ!」
お七が、ねこじゃらしで玉之丞をじゃらそうとする。

「病み上がりには、刺激が強すぎる!」と久太郎が言うが、お七は「とにかく、こうやって声をかけながら遊んであげると喜ぶわよ。人間の赤ちゃんと一緒!」と言った。
「俺に遊びなど必要ない」。
「猫ちゃんには必要なの!子供と遊んであげない親がいる?」

久太郎が、お七の持っているねこじゃらしを手に取る。
「一本4文、まいどあり!」
お七のすかさずの声に、久太郎が息を呑む。
久太郎が猫見屋の壁に貼られた、値段表を見る。

「それと、薬代と診察料も忘れないでね!」
『たっけえ!ぼったくりじゃないのか』。
久太郎の心の声をよそに、ウインクするお七。
にっこり笑う。

久太郎は、寺に玉之丞を連れてきた。
庭を掃き掃除していた照松が、もう1人の子供につつかれて久太郎を見る。
「何や、また捨てに来たんか!」
照松が怒る。

「いや」。
「ほな、なんや」。
「こいつと遊んでやってくれんか」。

久太郎の頼みどおりに、照松たちはねこじゃらしで、玉之丞をじゃらしている。
『生意気な小僧も、ああしていると、ただの子供だな』。
「なあなあ、おっちゃんも一緒に遊ばへんか?」

照松の声に久太郎の心の中は『おっちゃん…!』と反復し、顔を上げた。
『生意気なガキ』。
だが平静を装って、久太郎は言った。

「おっちゃんは、遊ばん」。
「あっそ。お前の飼い主、変わってんな」と、照松は玉之丞に話しかけた。
『言いたい放題だな』。

『剣の道に遊びなどない。厳格な父の元で育った俺は、遊んだ記憶すらない。そんな暇があったなら剣の練習をしろと叱られた』。
ふと、久太郎が思い出す。
『お春…』。

お春が、屋敷の庭で、木刀を懸命に振るっていた。
見ていた久太郎は、背後から木刀を捕らえ、取り上げた。
「お春。遊びじゃないんだぞ」。
「遊んでなんか、いません」。

「父上が江戸にいらっしゃる間、私がこの家を守らなくては」。
お春は唇を噛んで木刀を取り返し、素振りを始めた。
そのつたない素振りを見て、久太郎は黙っていた。

「この猫かわいい!」と言う、甲高い女の声で、久太郎は我に返った。
どこかのお店の娘らしい身なりの、若い女性だった。
照松が「玉之丞言うねん」と答えた。
「抱っこさせて」と言うので、照松が玉之丞を渡す。

女性は、玉之丞を抱いた。
「うわあ、この子連れて帰りたい!」
連れの、どこかのこれまた若旦那風の男が、「連れて帰りたいって、そりゃダメだろう?」と言った。
「ううん、あたし、ぴんときたの。この子は私に飼われる運命よ。ねえ、菊姫」。

勝手に玉之丞を菊姫と呼び出した女性に向かって照松が「玉之丞言うてるやろう!」と言う。
連れの男が、「わかったわかったわかった」と言った。
「しょうがねえなあ。坊主、この猫、譲ってくれんか」と言うと、男は財布から小判を出した。

「あかんあかん、売りもんやない!」
照松が玉之丞を、取り返そうとした。
娘が渡さないよう、強く抱きしめたので、玉之丞が「ぎゃおっ」と鳴いた。

「わかったわかった、2両だ」。
男が小判を、2枚出した。
照松が「おまえら、どういう神経しとんねん!」と叫ぶ。

「おい、調子に乗るなよ」。
男の声が低くなり、照松をにらむ。
「貴様がな」。

気配を感じて、男が振り向いた。
そして、ものすごい形相の久太郎を見た。
2人は怯えて、去っていった。

「しょうもないやつらや。金さえ出せば、なんでも手に入ると思ってる」。
照松の言葉に、久太郎が「金では買えん人間もおる」と言った。
「俺らみたいにな!な!」

照松がそう言って、久太郎を見上げた。
『俺は3両で、玉之丞を斬ろうとした。心がちくちくする…』。
照松のまっすぐな視線から、久太郎は思わず、目を伏せた。

その夜、長屋で久太郎は玉之丞と遊ぼうとしていた。
しかし玉之丞は、ねこじゃらしに見向きもせず、棚の上の箱に収まった。
久太郎は、「今度は毬を取り出す。
だが、玉之丞はじっと見ている。

その時、とんとんと戸を叩く音がして、若菜の「お侍さん」という声がした。
「いるんでしょ?開けるよ!」
久太郎はあわてて、玉之丞を隠す。

若菜は「これ」と言って、貯金箱を久太郎に向かって差し出した。
「ほら」。
久太郎は、黙っていた。

「いつかは家族のために、役立つ日が来ると思う」。
若菜は、貯金箱を床に置いた。
「でも今、奥さんや娘さんがほんとにほしいものは、さ」。

そう言うと、若菜の目が涙でいっぱいになった。
「わかんないの?」
泣きそうな若菜を見た、久太郎がうろたえる。
若菜がぴしゃりと、戸を閉めた。

にゃおん。
玉之丞と貯金箱が、並んでいる。
『ほんとにほしいもの…』。

玉之丞が近づいてきて、久太郎のひざに寄りかかる。
そのまま、玉之丞は眠ってしまう。
久太郎は、あぐらをかき、腕組みをしていた。

かたくなに強がる 君の細き腕 涙拭えぬ 金ぞむなしき



最初の、おごそかな声で始まる、拙者、斑目久太郎!の自己紹介(?)
それがすむと、今度は♪わ~が年、この秋、しーじゅうろくー。
よわたりべーたと、いーわれってもー ちちにちかったてーんかいちー
斬るべしっ 斬るべしっ 斬るべし~っ!ふくつーの まーだらおにー♪のテーマソング。

そして、開く傘。
ポンッ。
猫の足跡!

ポンッ。
もうひとつ。
猫の足跡。

ポン、ポンッ!
ほかも、ぜーんぶ、猫の足跡。
「きっさまぁあ~!」

傘、全部ダメにしたと言うが、猫の足跡柄の傘、ほしい。
猫見屋さんで、置いてくれそうなのに。
この商品価値に、久太郎は気がつきそうもないな。
お七か、若菜が見たら、売れると言うだろう。

『好きな言葉、猫の恩返し』。
爆笑。
映画にありましたね。

薬売りの五郎さんに、「しかと届けろと、言ったはずだ」って声、たぶん加賀藩にいた頃、こんな感じで五郎さんに久太郎は言ってたんでしょうね。
五郎さんの、「嫌だな~、こんな板ばさみ」って言い方もおかしい。
久太郎ピクリと動く眉毛や、顔の筋肉が笑える。

若菜のさびしそうな「帰れる場所があるのに…」。
この娘、故郷がないのかな。
五郎さんも、若菜さんに何か事情があるのがわかったらしい。

『怒ってない怒ってない』。
『俺は怒ってない』。
いやいや、怒っている。

玉之丞に「まだ反省が足りん!しばらくそこにいろ」とか、無理です。
猫はなんでそんなことに入れられてるのか、全然わかんないと思う。
しかし、ご飯を食べない玉之丞を心配した久太郎は、猫見屋へ。
猫、ご飯食べないと心配だもの。

途中の高札の柱は、倍以上太い、まるで家の柱のようなものになってる。
しかも、黒い。
『太(ふと)っ!』
ほんとに、太い。

そして、お七の薬が1両。
『たっけえ!ぼったくりじゃないのか』。
笑える。

久太郎の心の声をよそに、ウインクするお七。
にっこり笑う。
高橋かおりさん、キュート!

久太郎さん、遊んだことがないんだ。
遊びのないハンドルは、事故の元だぞ。
だから遊べない久太郎は、照松のところへ。

「おっちゃんは、遊ばん」。
「あっそ。お前の飼い主、変わってんな」。
『言いたい放題だな』。
この流れもおかしい。

でも、照松いい子だ。
「俺らみたいにな!な!」
照松の、まっすぐな視線に、久太郎の心が痛む。
『俺は3両で、玉之丞を斬ろうとした。心がちくちくする…』。

そして、思い出すお春のこと。
お春が必死に、子供なりにがんばっていた姿。
何も言ってやれなかった、あの時の自分。
今も、何もしてやれない自分。

心がちくちくする。
さらに、若菜にも答えられない久太郎。
わかってるだけど、素直に言えない。

泣きそうな若菜を見た久太郎の表情が、うろたえている。
何のためらいも、計算もなく近づき、眠ってしまう玉之丞が、すごくかわいい。
不器用で、哀しい斑鬼を癒す玉之丞。

佐吉と加賀屋の主人のやりとりも、おかしい。
主人の伊藤洋三郎さんの「鳴いてばかりいる玉之丞、かわいそう。…かわいそう」の声が、本当にかわいそう。
…なんだけど、おかしい。

「くらぁくて、せまぁい所に閉じ込められているよ。たとえば、壷」って、佐吉には壷とピンと来た。
だけど見ているこちらには、押入れに閉じ込められた玉之丞のSOSなの?と思えてしまった。
テレパシーというか、加賀屋のご主人、本当に玉之丞が好きなんだなあ。
この点は、かわいそうなんですよね。

しかし、お七の薬は、なんだろう。
またたびでも、入ってるんだろうか?
勝手にお金出して連れ去ろうとした男女が、久太郎にいっぺんで怯えて去っていく。
久太郎に怯えないのは、猫と子供と、若菜とお七ですね。

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