こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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変わらぬ昨日を 恨むことなく 「猫侍」第7話

第7話。


にゃおんの声で、目覚める久太郎。
『朝か』。
傍らにいる玉之丞をなでる。

「いつからかな。お前の声で目覚めるようになったのは」と言う。
そして、ハッとする。
『うおおお、猫に…。話しかけてしまった!」

久太郎は玉之丞を魚籠に入れて、町を行く。
若菜が声をかけてきた。
「おはよー!今日もぜんっぜん売れないよ!」

「…そのわりには、楽しそうだな」。
「笑う角には福来る!ってねっ?」
「のんきな奴」。
「怖い顔には鬼が来る!」

『猫が来たがな』。
その時、「どにゃつぼう、一本くれない?」と客が来た。
「ほらあ、福が来た!」

猫見屋のお七は玉之丞を見て、「熱もないし、脈も正常。毛並みも申し分なし!イライラしたところもないし。さてはこうやって遊んであげたでしょ!」
お七は、ねこじゃらしを久太郎に向かって振る。
久太郎が心の中で、叫ぶ。
『うっ、嫌な女っ!』

だがお七はまじめな顔に変わり、「「お遊びはここまで」と言った。
そろばんを出して、「診察料48文、で、薬が1両。合計1両48文になります」と告げた。
「つけ」。
「断る」。

久太郎の申し出をすばやく、断ったお七に久太郎は『すっげーやな女』とつぶやく。
「あなた、剣の達人なんでしょ?」
「無双一刀流免許皆伝、人呼んで斑鬼」。

「聞いたことないわね。そのあだな、自分でつけた?」
『つけるか!』
「とにかくその鬼瓦さんに、ぴったりな仕事があるんだけどな」。
『鬼瓦?!斑鬼だ!』

「こっちよ」。
お七が案内して来た、店の裏手には薪があった。
仕事とは、薪割りであった。

「しっかり働いてね」。
お七は、ばっさりと斬るジェスチャーをして「得意でしょ?」と言った。
久太郎は、黙っている。

お七は「診察料が48文、薬代が1両で合計…」と言った。
「わかった、わかったよ!」
「お願いします」。

「うわあああ」と、加賀屋では主人の声が響いていた。
佐吉がやってきて「また悪い夢を見たんですか」と聞く。
「いや、そうじゃない。玉之丞が出てこないんだ、夢に」。

「悪夢でもいい。玉之丞や、出てきておくれ!」
主人は天に向かって、両手を伸ばしたかと思うと、布団の上にばったり、仰向けに倒れこむ。
それを見て、情けない顔をする佐吉。

『俺は剣の道を究めた男だ。この斑鬼の前に立ちはだかるものは、斬る!』
『薪だろうと容赦はしない!』
久太郎は、斑鬼のテーマソングを口ずさみながら、薪を割っていく。
『結構、楽しい…』。

玉之丞は、お昼寝をしていた。
久太郎が薪を割る音で、ちらりと目を開ける。
「ご苦労様、ちょっと休憩してちょうだい」と、お七がおにぎりを持ってやってくる。

久太郎が、ほおばる。
そして、思わず笑顔になる。
見ていたお七が、かすかに笑顔になる。
ハッとした久太郎がお七を見て、おにぎりを戻す。

「やあね、これはただよ、ただ!」
それを聞いた久太郎がしかめっ面を作って、再びほおばる。
「どうお?お口に合うかしら」。

「最近、いい顔してるよ。最初会った時はこう、肩に力が入っていたというか。そんな生き方、窮屈だろうなあって印象だった」。
「俺は変わってない」。
久太郎はそう言って、茶を飲む。

「そうかなあ。きっと、あの子のおかげよね」。
お七の視線の先には、籠に入った玉之丞がいた。
「あたしもそう。昔はもっと見栄や駆け引きの中で生きていた。裏切ったり裏切られたり。そのうち、本当のことが見えなくなって」。

お七は、玉之丞に何か食べさせながら言う。
「でもこの子達は、嘘をついたり、騙したりしない。だからこっちも、素直になれるのよね」。
「食べ終わったらさ、薪運んでちょうだい」。

「運ぶ?」
「そう、お得意さんのところにね」。
黙った久太郎に、お七はそろばんを手にする。
「わかった!」

地図を手に、久太郎は薪を担いで町を行く。
「ねこ、ぢゃや?」
猫茶屋という看板の前で、久太郎は立ち止まった。

中は、猫を相手にくつろぐ人々で一杯だった。
体の大きな女性がやってきて、「いらっしゃいませ!」と言った。
「客ではない。猫見屋の使いだ」。

すると、女性の態度が変わった。
「なんだよ、だったらそこの勝手口においておいとくれ!」
そう言うと、女性はさっさと背中を向けた。

『ったく、客商売の表と裏だな!』
茶屋の中では、猫を相手にくつろぐ人々がいる。
出て行こうとした久太郎に、声がかかった。

「おやまあ、これまた奇遇ですなあ」。
『出た猫じじい!』
あの、町で出会って助けて、そして猫見屋を教えてくれたおじいさんがいた。

「すばらしいお店ができましたよ。猫に囲まれて、まさに天にも登る心地です」。
『おいおい、ほんとに召されちゃうんじゃないだろうな』。
「ご覧ください、店にあふれる幸福感」。

その時、久太郎に向かって「お侍さん」という声がかかった。
『また、余計なのが来た』。
若菜だった。

「偵察よ偵察。どにゃつぼうが売れないのは、このせいね」。
「お知り合いですか?ささ、お2人ともこちらへ」と、おじいさんが座敷にあがれと促す。
「帰る!」
「え?」

久太郎は帰ると言って、背を向けた。
「そうおっしゃらずに、おいしいお茶をご馳走しますよ」。
久太郎は歩き出した。

「甘いようかんもつけますが」。
『ようかん?』
さきほどの女性が、ようかんを運んできた。

「当店自慢のようにゃんです。どうぞ、ごゆっくりだにゃん」。
そこには、ネコの顔型にくりぬかれたようかんが載っていた。
「ようにゃん…」。

若菜は「完全に、ぱくられてるんですけど!そもそもなんで、こんなに繁盛してるの?猫なんか、家で飼えばいいのに」と言った。
ところが、じいさんが言った。
「お嬢さん、それができればどれだけ幸せか」。

「え?」
「猫を飼うには、金がかかる」。
『激しく同意!』

「猫嫌いの大家も、たくさんおる」。
「飼いたくても飼えない人が、これだけおると言うことじゃ」。
「ふうん」。

「わしのように、うちに猫がおっても、それでも足を運ぶ者もおる」。
「猫が好きなんだね」と若菜が言った。
「猫はいい。わかったようなことを語るでもなく、傍にいてぬくもりをわけてくれる」。

その頃、佐吉はこっそり、玉之丞の壷の元に行っていた。
おののきながら、壷を持ち上げ、振ってみる。
「もう骨になっちまったのかな?だんな様が夢で会いてえってよ。屋敷の庭に埋めてやるからさ、たまには出てやってくれよ、夢の中だけな!あと、俺んとこには出てこなくていいからな!」

猫茶屋から、久太郎と若菜が戻ってくる。
「見た?おじいちゃんのかわいがりかた!」
だが、久太郎の顔が曇る。

若菜が振り向いた。
どなつぼうを売っていた屋台がひっくり返され、どなつぼうが散乱していた。
笑い声が聞こえ、いつかのショバ代をよこせと言ったチンピラが、仲間を連れて3人で、笑っていた。

若菜が、散らばった拾い始めた。
「全然平気、平気」と言う。
久太郎が、ぎこちない手つきで手伝い始めた。

やがて、久太郎が猫見屋に戻ってきた。
「おかえりなさい、どうだった?なかなかおもしろいお店でしょ?」と、お七が言う。
気づいた玉之丞が、久太郎に「にゃああおん」と鳴いた。

久太郎は腰を落とし、玉之丞と向き合って玉之丞の顔を見つめた。
「ほんとに猫には、人を癒す力があるのかな」。
「どしたの?」

久太郎は黙っていたが、じっと玉之丞を見つめていた。
「そんなの、あなたが一番良く知ってるはずよ」。
にゃあおん。

辺りをうかがいながら、佐吉が壷を持ってそろそろ歩く。
うっかり人とぶつかりそうになると、壷をかかえてしゃがみこむ。
「おい、佐吉、何だそれ」と、物陰から声がかかる。

物陰から、石渡と岡引が出てきた。
石渡が壷の札を「もののけ」と読む。
「漬物の壷でございます!急ぎますんでこれで!」と言って、佐吉は走る。

林の道にある、どにゃつぼうの屋台を見て、久太郎がやってくる。
若菜が林の中、小川のほとりで座っていた。
ぽつり、と若菜が言った。

「もう、どこにも帰る場所がないんだ」。
「あたしの家はね、貧しい農家なの、来る日も来る日も痩せた土地を耕して。でもそんなのつらいなんて、思ったことない。家族で仲良く暮らせれば、それでよかったの」。
「でも一番下の妹が肺病にかかって、おっ父は…薬代のために、あたしを遊郭に売ろうとした」。

思い出の中、若菜、若菜と探す声が響く。
若菜が、廃屋の中に逃げ込む。
解いた髪を握り締め、鎌を手にする。

泣きながら、若菜は髪を切り落とした。
ぎゅっと、切った髪の束を握り締める。
「あたし、逃げ出してきたの。心の中で謝りながら」。

「女郎になるよりも一杯稼ぐから、堪忍してくださいって」。
若菜の声が震える。
久太郎が魚籠から、玉之丞を取り出す。

「猫?」
久太郎は、玉之丞をそのまま若菜に抱かせる。
玉之丞は両手をつっぱり、つぶらな目で若菜を見ていた。

「あったかい…」。
玉之丞を抱っこした若菜が、涙をこぼす。
久太郎はゆがむ顔を、必死にこらえていた。

夜、長屋で久太郎は、ねこじゃららしで遊ばせている。
久太郎の思い出の中。
「父上」と、お春が旅立つ久太郎に向かって走ってくる。

「江戸に行ってしまわれるのですね」。
「お静は」。
久太郎は、妻のことを聞いた。

「見送りする気にも、と」。
「そうか」。
「これを」と言って、お春は鈴のついた守り袋を出した。

お春は「いってらっしゃいませ」と、頭を下げた。
その様子を、妻のお静は黙って、影から見ていた。
久太郎は、玉之丞を見つめる。

「人は誰しもm過去を背負って生きているんだな。猫だってそうだろう?うん?」
そう言って、久太郎は玉之丞をなでる。
久太郎は、ハッとした。
『また…猫と話している…』。

いつの日も 明日を信じて進むのみ 変わらぬ昨日を 恨むことなく



う~ん、7話はジンとしました。
若菜はわけありだなと思ってましたが、そうだったのか。
あの時代に妙な短髪でしたが、そのわけもわかりました。

「バカ売れ、間違いないよ♪」と明るいだけに、その過去はショック。
屋台のことで落ち込んでいる若菜を、励まそうと思った久太郎だけど、若菜の口から出たのは哀しい過去。
妹が病気だから、仕送りしなくちゃって言ってたけど。

必死に生きてきて身につけた明るさなんだな、と。
明るくないと生きていけなかったんじゃないかと思うと、切ない。
売れないよ~と明るく話していた若菜に、「なのに元気だな」「のんきな奴」と言った久太郎はショックだったと思います。

「前回のあらすじ」が毎回、冒頭にあるんですが、その回に関係があるあらすじが紹介されるんですね。
だから今回は、若菜がショバ代を要求したチンピラをぶっ飛ばしたシーンが出てきました。
陰険な仕返しだけど、屋台そのままで行くとは、いくら売れなくても若菜さんもちょっと無用心かな。

逃げてしまった自分を責めて、一生懸命稼ごうとしていた。
髪を鎌で切るなんて、どれだけつらかっただろう。
その後も、あの髪でいる間、どんな思いをしていたんだろう。

一番下の妹のために、お姉ちゃんを売るっていうのも、お姉ちゃんの気持ちってたまらない。
妹はきっかけで、前から売りたかったのかもしれない。
それほど、生活が苦しかったのかもしれない。
加賀藩にいた久太郎には、想像もつかなかったに違いない。

秘密の玉之丞を、若菜に見せて、抱っこさせる久太郎。
玉之丞の癒しパワーを、誰よりも知っているから。
おとなしい玉之丞がすごく、かわいい。

つぶらな目でじっと見て、心が緩んで泣けてしまう。
横で、一生懸命、泣くまいとしている風の久太郎。
優しい斑鬼。

お七に『うっ、嫌な女っ!』と言う久太郎が笑える。
「つけ」。
「断る」。
『すっげーやな女』。

このタイミングも笑える。
「無双一刀流免許皆伝、人呼んで斑鬼」。
「聞いたことないわね。そのあだな、自分でつけた?」
『つけるか!』

「とにかくその鬼瓦さんに、ぴったりな仕事があるんだけどな」。
『鬼瓦?!斑鬼だ!』
この辺りの掛け合いが、絶妙に楽しい。

久太郎を見ていたお七が、かすかに笑顔。
「やあね、これはただよ、ただ!」って言ったけど、お金取られると思ったんじゃなくて、笑顔に自分にはっとしたのかな。
「最近、いい顔してるよ」ってお七が、過去の自分を久太郎に見ているみたい。

「俺は変わってない」って言うけど、久太郎の心の声が、はじけてきている。
薪を割る時も、遊んでる。
遊ばないんじゃなかったっけ?

『結構、楽しい…』。
おにぎりをほおばって、久太郎が笑顔になるところからも、だんだん心がほぐれてきているのがわかる。
声に出すまで、あと一歩だな。

そして、猫カフェ?!
体の大きな女性の、客じゃないとわかった時の態度の豹変がすごい。
まさに『ったく、客商売の表と裏だな!』

「猫を飼うには、金がかかる」。
『激しく同意!』
久太郎の、激しく同意がおかしい。

しかし、考えたら「悪夢でもいい。玉之丞や、出てきておくれ!」の加賀屋の主人はかわいそう。
実は傷つきまくっている。
そりゃ、あの玉之丞が…と思ったら、当然。
あまりの嘆きぶりと、悪夢でもいいから会いたいという思いに、佐吉は壷を庭に埋めようと決意。

「人は誰しも。過去を背負って生きているんだな」と言ってしまう久太郎。
「猫だってそうだろう?うん?」って、また話しかけちゃっている。
玉之丞が加賀屋に行くまでの過去って、玉之丞だけしか知らないから。

それを考えるのも、なんか、切なくなってしまう。
生まれた時から知らないなら、この猫の過去も、永遠に自分にはわからないままなんだなって。
なぜか、切ない。
切ない話の今回。

だからこそ、玉之丞の癒しパワーが効く。
猫茶屋にいる人たちも、きっとそうなんだろう。
あのチンピラ、最後に石渡さんにでもいい、〆られるといいですね。


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