こたつねこカフェ

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そなたも鬼になろう 大河ドラマ「徳川家康・竹千代誕生」 

1983年放送の、大河ドラマ「徳川家康」。
第1話は、岡崎の松平と敵対している水野家・水野忠政の姫・於大を嫁にもらうよう、松平の家臣たちが松平広忠に勧めているところから。
松平と水野は、力の均衡がどちらかに傾くのを繰り返しながら、今日まで来た。
広忠の父の時代には、松平の力が強く、酒宴の席で広忠の父が戯れに、忠政の妻・華陽院の美しさに目を留め、嫁にもらいたいと言った。

強者の戯れは、弱者にとっての戯れではすまなかった。
忠政は妻・華陽院を差し出した。
つまり、於大は血のつながりはないとはいえ、広忠の義理の妹でもある。

そんな娘を嫁にもらうほど、松平は今は水野とことを構える力がないというのか。
広忠にとって於大との縁組は、偉大な父と比べて明らかに劣る自分を思い知ることでもあり、反発するばかり。
しかも広忠にはすでに、お久という側室がいて、子までなしていた。

忠政の考えは違った。
水野と松平、双方が争えば、後ろに控えている強大な今川、織田に食われる。
したがって、二つの国は決して争ってはならない。
ともに栄えるのが、この戦国の世を生き延びる方法との考えだった。

於大は母に会えるうれしさと、素直な気持ちで広忠の元へ嫁ぐ。
だが広忠は於大を寝首をかきに来た女と疑い、また於大の身を案じる侍女たちの目に於大を疎ましく思う。
於大は梅の心。
梅がうぐいすを呼ぶことなく、うぐいすが来るように、梅の花のように広忠を癒す気持ちでいようと思っていた。

於大に母は言う。
人の心には、仏と鬼が棲んでいる。
鬼の心を見るではない。
さすれば、そなたも鬼になろう。

於大を突き放し、お久の元へ行った広忠だったが、自分の器の小ささに嫌気が差す。
作らずとも良い敵を作るところだった。
そう言うと、広忠は於大の元へ帰る。
自分は於大の控えめさ、賢さ、度量に嫉妬したのだと打ち明ける。

於大はお久にも気を使い、菓子を持っていくが、お久はいまだ懐妊していない於大が子供を毒殺するのではないかと疑った。
お久の気持ちを知った於大は、自ら菓子を食べてみせる。
「母とはありがたいものですね」。

その言葉に、お久はひたすら、恥じ入るしかなかった。
しかし、その帰り道、於大は具合が悪くなる。
あの菓子は悪いものだったのか、於大は心配するが、それは懐妊だった。

やがて於大は寅の年寅の刻に、男子・竹千代を産む。
於大は侍女に子供が生まれる時、寺から菩薩像を隠し持ってくるように言う。
はたして、竹千代誕生と同時に消えた菩薩像。
その話を、人々はあれは消えた菩薩がこの世に現れた、竹千代は菩薩の生まれ変わりだと噂した。

しかし、平和な時は長く続かない。
巨大な今川の圧力に、広忠は於大と離縁せざるを得なくなる。
離縁の朝、お久が密かに竹千代を抱いて見送りに現れる。

お久の心遣いに涙する於大。
於大と別れた広忠は、酒に溺れる。
そして、於大はまた、嫁がされる。
戦がまた、始まろうとしていた…。



鬼の心を見るではない。
さすれば、そなたも鬼になろう。
こういうセリフがあるから、大河はおもしろかったなあと思いました。

大竹しのぶさんが、愛らしくて。
於大の悲しさ、けなげさ、前向きさ。
母の愛に、涙してしまう。

広忠の近藤正臣さんも、いいです。
この殿は、平和な世だったらいい殿様だったと思う。
人柄が良くて。
しかし、戦国の世ではおそらく戦略的な力強い父に比べて、繊細で弱い人ということになってしまう。

自分でそれがわかっているから、とても扱いにくい人になってしまっている。
それでもちゃんと、於大の気持ちをくめるんだから、良い人なんです。
自分のような弱い男ではない。
強い男を生んでくれと言う、広忠。

お久もまた、子供を身ごもる。
しかし、もう、お久の子は誰にも見向きもされない。
お世継ぎ誕生の華やかな喜びの中、ひっそりとしている側室の部屋。

お久が子を生んだのは、竹千代と同じ、寅の日、寅の刻。
誰も名前をつけてくれない。
父親がやってくる。

名前を携えて。
それは松平のどんないわれのある名前なのですかと、お久が尋ねる。
僧侶の名前だ。

竹千代と同じ日、同じ時刻に生まれたこの子は、後に必ず、争いの種になる。
余計な血を流さず、この子を生かしておきたかったら、道はそれしかない。
号泣するお久。
この無情さもまた、良く描いてます。

この頃、信長はまだ9歳。
秀吉は、泥にまみれた海のものとも山のものとも知れない7歳。
まだ誰も、後の運命を知らない。


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