信がなければそれは獣 「徳川家康」

1983年放送の大河ドラマ「徳川家康」。
今川と織田の両勢力に挟まれた、小さな松平家。
やがて竹千代は、織田へ人質に入ることになる。

織田の若殿の信長は、尾張一のうつけと評判。
茶せんのような髷、帯は腰紐。
それに川でとった魚を下げ、真っ黒な顔をしてわらじをはいて、馬にまたがり、野山をかける。
この、うつけ者が、どういうわけか、竹千代をかわいがった。

まるで実の弟のように、実際「三河の弟」と呼んで、ほっぺたをつねりながらもよく面倒を見た。
竹之内波太郎という、仏に仕える一族を率いる男がいる。
波太郎の知恵者ぶりには、水野の於大の兄も屋敷に寄る。

だが波太郎は於大の兄・水野信元の器の小ささ、意見の違う弟・信近を暗殺する陰険さを密かに軽蔑しているのだった。
信元は於大が岡崎の松平広忠に嫁ぐ時、婚儀による和平に反対し、岡崎と戦をしてねじふせることを主張した。
そして岡崎に向かう於大の行列を、波太郎を使って襲わせようとした。

波太郎は逆にその計略を聞くと、戦国の世に道具のごとく扱われる於大たち女性に心を痛めた。
必ずや、自分が守って見せようと誓った。
そして、瀕死の信近をかくまい、密かに於大の再婚先に紹介し、於大の近くに勤めさせることに成功していた。

波太郎の一族の土地は、今川でも織田でも、水野でもない。
天文学に通じ、天気も予測する。
仏に祈祷する。
彼ら一族が仏に仕えるための土地として、ここはいわば聖域であった。

この戦国の世はもしかすると、自分たちの代では終わらないかもしれない。
波太郎はそう危惧しており、この戦国の世を治めるには、強い指導者が必要と考えていた。
そして、その指導者の姿をまだ幼い頃から信長の中に見ていたのだ。

さらには辛抱がきく少年・竹千代がこの信長の必ずや力になるであろうと見ていた。
はじめは於大の身の上に心を痛めていた波太郎だったが、今は於大の人柄から力になろうとしていた。
波太郎は於大には、次の嫁ぎ先に、織田と近い久松弥九郎の方を勧めた。
いざとなれば、竹千代の力になれるであろうと。

その頃、岡崎の広忠は酒に溺れ、暗闇の湯殿で於大と間違え、お春という下女に抱きついた。
広忠もまた、今川によって正室を迎えたが、お春もまた、自分の側室とした。
だが、彼の心にはいつも於大がいた。
お春にもまた、負傷した婚約者で、松平の家臣の岩松八弥がいた。
やがて、お春は広忠の正室の嫌がらせに流産し、狂っていく。

酒に溺れ、よりどころをなくした広忠は、再婚した於大までも斬って来いと八弥に命じた。
さらにお春の様子に心を痛めた八弥は、お春を自ら手に書ける。
だがお春は、狂ってはいなかった。
彼の手によって、命を絶たれたいと願っていたのだった。

お春を手にかけた八弥は岡崎に戻り、広忠に刃を向ける。
しかし広忠もまた、自ら八弥の刃に貫かれる。
こうして、誰かに殺されたかったと言って。
殿をなくした岡崎に、さらに戦が迫る。

次々とまるで、自分たちを嬲り殺しにするかのような運命。
だが、彼らの希望は竹千代であった。
竹千代がいる限り、岡崎は、松平は滅びない。
松平の家臣たちは、恐るべき勇猛果敢さを発揮し、安祥城を攻め落とし、信長の兄を人質に取った。

一方、竹千代は織田と今川の人質交換で、今度は織田から今川に渡ろうとしていた。
だが今川家のブレーンでもある太原雪斎は、竹千代の祖母であり、於大の実の母の華陽院に、竹千代の養育をかってでると打ち明けた。
彼は無垢な竹千代に、自分の知恵を与え、指導し、後の世をたくすつもりだった。
それほど、彼の目に竹千代は光って見えていたのだ。



徳川家康をアップしたつもりで、アップできず、昨日はまだ下書きの時点でアップしてるし。
なんだか落ち着きがない、レビューが続きます。
昨日、未完成のレビューをちょこっと読んでしまった方、すみませんでした。


さて、竹千代の養育を買って出る雪斎の、孔子の教えが深い。
天下を治めるのに必要なものは、3つ。
食と信と兵。
このうち、1つを捨てなければならないとしたら、何を捨てる。

竹千代は言う。
兵。
孔子もそう言った。

では、もうひとつ捨てるなら?
信である。
なぜか。
食がなくては、生きてはいけぬ。

そう言った竹千代に雪斎は、竹千代はよほど、食が大切と見たと言う。
織田家に預けられている時は、ひもじかったか。
竹千代は言う。
ひとつのものを3つに分けて、食べたことがある。

竹千代は食べるものを、自分についてきた家臣の息子と分けた。
その時、竹千代は2番目に食べた。
なぜなら、徳千代は自分が食べなければ食べなかったから。

三之助が、最初に食べた。
なぜか。
三之助は、小さいからと竹千代は答えた。
だが次からは、三之助も一緒に食べた。

すると、雪斎は言う。
三之助が最初に食べたのは、竹千代に全部食べられると思ったからだ。
しかし竹千代は、全部自分ひとりで食べなかった。
だから次からは、三之助もちゃんと同時に食べたのだろう。

三之助は、竹千代を信頼したのだ。
これが信だ。
信がなければ、食があってもそれは獣と同じこと。
いくら食があっても、戦いは止まない。

うわ~、ためになるわ~。
本気でそう思いました。
先生が、大河ドラマは見なさいと言ったわけです。

波太郎は、石坂浩二さん。
彼のインテリさ、万能さ、影での活躍。
あなたは後の、忍びの頭領ですか?

於大は再婚先でも、大事にされている。
再婚相手は竹千代のことも、思いやってくれる。
於大の人柄なら、どこに行っても信頼される。
一方、悲惨なのは広忠。

しかし、松平はいい家臣を持っている。
松平の家風は、相手が殿でも言いたいことを言えること。
だからこそ、いい意見が出るし、みんながんばれる。
於大の花嫁行列が、兄にも教われそうで危ない時、賊を装って奪ったと見せかけ、無事岡崎まで送り届けるという知恵で名も上げた。

さて、何といってもここでは織田信長で役所広司さんが登場。
濃姫と最初に会った時の無礼さ、濃姫の虫を見るような目。
信長が嫁をもらうと聞いて、嫁はどんな姫かと竹千代が聞く。

美濃の斎藤道三という、まむしの娘じゃ、食わせ者だ。
嫁は食わせ者が良いのか。
ははは、そうじゃ!

おい、竹千代、何か祝いをよこせ。
では、と、竹千代は物干しを差し出す。
これは物干しではないか!
物干しではござらん、これは竹千代が唯一持たせてもらった槍じゃ!

竹千代がそう言うと、信長が受け取る。
礼には馬が一頭ほしい、と竹千代が言う。
大将には、馬が必要なのじゃ!

この生意気なこせがれめ、わしのゆすり方を心得ておる!
ぎゅうっと、信長が竹千代の口をつねる。
一頭だけじゃぞ。
ありがとう!

信長は、於大から母の心を受け取り、於大に影から竹千代を見せてやる。
そして信長は、竹千代の槍から戦のヒントを得る。
しかし、竹千代の運命はまだ流転する。

竹千代は今度は、織田の、信長の兄が人質に捕らえられたので、今度は人質交換で今川に行くことになった。
最後の夜、信長は竹千代に膳を振舞う。
濃姫を見た竹千代は、「うるわしき姫まむしじゃ!」と言う。

「かわいそうな小僧、そなたは首をはねられるのじゃ」。
「首がのうては、飯も食えん。今夜は信長が馳走してやろう」。
この乱暴な、かわいがりかた。

信長の乱暴な、それでいて人の心を読む、そして思いやれる器の大きさ。
波太郎が、見込むわけです。
役所さんが、ものすごい当たり役。
このときの役所さんを超える織田信長は、私個人の中ではまだいないです。


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癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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