「影同心」から、ちょっと間が開きましたが、「影同心II」が始まりました。
本放送の時はたぶん、「影同心」の翌週から「影同心II」を放送していたと思います。
再放送も見た記憶がない「影同心II」で覚えているのは、水谷豊さんが演じた青年が、必死に女性をかばっているシーン。
彼女はたぶん、お女郎さんとなっていて、しかも病気になっている。

豊さん演じる青年は、彼女のために女装までして彼女を店に出すまいとします。
客が胸元に手を入れてきた時のため、こんにゃくをおわんで型を抜いて、胸まで作っていたと思います。
この辺、土曜日なので家に泊まりに来ていた中学生の従姉妹が見て、大爆笑していましたから。

豊さんが演じていたのは、留吉だったんですね。
留吉がかばっている女性は確か、オランダ語が少しわかる。
それで留吉に、オランダ語でこれは何ていうか、ちょっと教えたりしている。
星は、ステルン。

しかし健闘もむなしく、彼女は死んでしまう。
そこで影同心が仇を討つわけですが、独りぼっちになった留吉は彼女から教えてもらった単語を反芻している。
見上げると星空。

だけど留吉は、星は…、と言うと黙ってしまう。
そして、言う。
忘れた。
忘れたよー!

確か、そのシーンで終わりました。
ああ、哀しい話だなと思いました。
「影同心II」で覚えているのは、そのシーンだけ。
何話に出てくるのか、自分の子供の頃の記憶とどれだけ一致しているのか、楽しみです。

「影同心I」では、最初から同心の3人はもう、裏の仕事をしていました。
どうやって結成に至ったのかわからなかったですが、「影同心II」では1話で結成が描かれていました。
1人の女性のあまりな殺され方に、事件に関係した香月尼と寺社奉行配下の同心・堀田源八郎と、元土蔵破りで今は牢番をしている平七と、こそ泥で寺男として雇われた留吉が憤る。

しかし、社会的には彼らは無力で、事件は闇に葬られる。
もともとそういう下地があった彼らは、この事件がきっかけで裏の裁きに立ち上がる。
だけど、頼み人はいないんです。

「影同心」はお奉行が指示を出して、それでやっていました。
途中からお奉行の指示なしで、「勝手に狩ります」ってやってましたけど。
一応、お奉行から報酬は出ていたのではないか?と思ったんですが、「II」はお金のやり取り、依頼自体が発生していない。
完全に私設警察ですね。

「必殺」は、たとえば穴開きの1文銭でもいいから、お金をもらって依頼する人がいなければ、手を出してはいけない。
仕置きする側が別のことでもらったお金を仕事料に換えて、自分が依頼するというパターンもありますが。
とにかく、お金と依頼人がいること、それが殺人鬼にならないためのけじめでもありました。

しかし、「影同心」はもう、激情のままに仕置きに走ります。
その点では本家「必殺」より過激といえば、過激です。
結成に至る悲惨な事件があったこと、もともとアウトローだったこと、奉行所の正義に絶望したところなど、初期の「仕置人」っぽいかもしれません。

激情に走らせるためには、被害者は無残に殺されるし、悪党は本当に道場の余地がない悪党であることが望まれます。
こんなことで?と思わせてはいけないため、事件は非常に救いがなく、悲惨です。
ただ、ちょこちょこ、「こいつはターゲットから外れてるけど、大丈夫なのかなあ…」とか、「この子供は孤児になっちゃったけど大丈夫なの?」とか、「同心殺して後はなんともなかったのか?」なんて疑問がわくものもある。

同心については「必殺」の後期も奉行所や同心はほとんど機能していない無能で、怖くもなんともなくなっちゃってますが。
「仕置屋」では、若い市松に主水が「だめだっ!おめえは組織の怖さを知らねえ」って止める。
それほど、奉行所は怖かったし、その配下である同心や岡引を仕置きする時は慎重になってたものです。

「影同心」には工藤監督や、「必殺」でも名作を作った監督の作品もあります。
救いがないなと思うと、「仕留人」でも屈指の救いのない作品を作った監督だったり。
「I」には深作監督作品までありました。
そこが数ある類似番組と、「影同心」の違うところかもしれません。

「II」は、浜木綿子さん、黒沢年男さんはもちろん、晩年、いろんな話を聞かされた山城新伍さんもやっぱりうまい。
水谷さんの若い頃のパワーも、見ていて楽しい。
安定した俳優さんの演技で、おもしろい。
主題歌のエレキの音も、あの時代の雰囲気を感じさせます。


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2014.05.01 / Top↑
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