「必殺仕事人IV」の第35話。
「田中筆頭同心お見合いする」。
何と、主水の上司の田中さま、田中筆頭同心が見合いをしました。
タイトルも「田中筆頭同心お見合いする」。


お千賀という女性が、ある男性の身代わりになって罪をかぶりました。
聞けば、お千賀をてごめにしようとしていたので、もみ合っているうちに刺し殺してしまったと言う。
それを聞いたお千賀は、自分が刺したことにして罪をかぶり、島流しとなった。

ご赦免船が江戸に着き、お千賀が帰って来る。
みんな、迎えがいるのに、お千賀にはいない。
ご赦免船に儲けの種を見つけた加代は、倒れてしまったお千賀の面倒を見ることになる。

そこで加代は、お千賀は三味線屋の「勇二」という男を待っていたのだと知る。
仕事人仲間の勇次と思いこんだ加代は、勇次を薄情者呼ばわりする。
町に出たお千賀は、勇二を見つける。
勇二はいまや、三味線屋ではなく、米問屋湊屋の主人となっていた。

お千賀のために殺したはずの男は実は、米問屋湊屋の主人だったのだ。
湊屋の後妻お藤と勇二が組んでの主人殺しだった。
そこに一枚噛んでいたのが、お千賀を捕縛し、出世した南町の今は筆頭与力となった片岡だった。
勇二とお藤、片岡はお千賀に罪をかぶせ、湊屋を乗っ取ったのだ。

湊屋はお側御用人小田切にも賄賂を贈り、買い占めた米を隠すため、大名の下屋敷に米を移していた。
米を買い占め、市中を米不足にしたところで、値を吊り上げて大儲けするのだ。
そんな時、勇二の前に現れたお千賀は過去を知る危険な邪魔者でしかなかった。

再会を果たしたお千賀は歓喜するが、それは勇二の冷酷さと自分を利用した悪事を知ることになっただけであった。
お千賀は小田切によって斬られる。
瀕死のお千賀を勇次が見つけた。

お千賀の哀れな身の上を知った勇次は、お千賀を抱き起こして言う。
「お千賀さん、俺だよ。三味線屋の勇次だよ。待ってたんだよ、ずっと」 。
「うれしい…」。

勇次の言葉に、お千賀は涙を浮かべ、幸せそうに目を閉じた。
お千賀の恨みを晴らす…。
仕事人たちが、お藤、勇二、片岡、小田切を葬る。



すごいですねー。
何がすごいって、仕事の内容、つまり裏稼業とまったく関係ないタイトルがついてます。
しかも、仕事人ではないキャラクターの、物語の中のひとつのイベントについてのタイトルです。
田中さまというキャラクターがいかに愛されているか、わかりました。

実際、復活した「必殺仕事人」に何かが足りないと思いました。
何か寂しい。
そう思ったら、田中さまがいらっしゃらないんですよ。

女性的なヒステリーを起こした田中さまのキーキー声と、それにつきあう主水のやりとり。
これがないって、寂しいんだなあと思いました。
田中さま、お元気でらっしゃるのかしらん。
そう思いました。

田中さまのお見合いは、数日前から落ち着かない。
女とお見合いなんて、嫌なんだそう。
付き添いを頼まれた主水は、困る田中さまを見て楽しそう。

相手は大店の一人娘。
筆頭同心なんかより、よっぽど良いのでは?なんて無責任に言う。
その田中さまのお部屋がすごい。

お人形でしょ、かわいい座布団でしょ、錦絵や羽子板。
まるで年頃の娘さんのお部屋。
ひゃ~、田中さま、「仕事屋稼業」の源ちゃんみたい。

しかし、お見合いにやってきた娘を見て、主水は仰天。
た、大変です。
言われた田中さまが顔を上げて、「きゃーっ!」

相手はかわいのどかさん演じる、ヘビー級の娘さんでした。
娘さんも田中さまを見て、「こんなおかまみたいな人じゃない!」
どうやら勘違いみたいでした。

田中さまがいなくなるかもしれないと期待していた主水も、ガックリ。
くねくね、横座りになって、主水に詰め寄る田中さまでした。
かわいのどかさんは、この後、ダイエットしてすごーく綺麗な女性に大変身。
ダイエット本も、本人が実証例ですから、大変売れたと記憶しています。

さて肝心のお話は、勇次が人違いされる話。
しかも、相手は人でなしの悪党。
人違いが仕事にかけられるまで行かなくて、良かった。

何といってもこの話でよかったのは、勇次の情け深さ、優しさ。
仕事人同士では割とクールな対応する勇次ですが、弱い者、虐げられた者には優しい。
勇次の魅力は色男なだけじゃなくて、時には危険を呼ぶとわかっていても抑えられない優しさでしょう。

絶望の果て、死に掛けたお千賀に「待っていたよ」と言ってやる、この、優しさ!
違うとわかっていても、夢を見せてくれようとした勇次の言葉は、お千賀のむごい最期にどれだけの喜びを与えてくれたことか。
待っていたという一言にうれしい。
いや、その気持ちがものすごくうれしい。

主水が鯉のぼりの浴衣着てきちゃった回とか、田中さまのお見合いとか、強烈なエピソードがあるとつい、本編忘れちゃうんですが、これは忘れられない。
タイトルが田中さまのお見合いではありますが、実は勇次の魅力がたっぷり。
笑って、ジンとする、佳作な回だと思います。



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2014.05.07 / Top↑
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