第5話、「めぐりあい」。


まだ駆け出しのヤクザ、小野田が逮捕された。
それも、おでん屋の皿を1枚割ったことでだ。
別件逮捕だ。

小野田の女に取材をした九条は、彼女の部屋が仕事中に家宅捜査された様子を見る。
アパートの管理人に胡散臭い目で見られ、荒らされた部屋の中で「どうしてこんなことされなきゃいけないの」と彼女が泣くのを見た九条は、「人権無視」だと怒る。
そんなことは警視総監に言えと、松川たちは笑う。
こういうことを非難するのが新聞の役目だと言う九条に、そういうことは新聞社の社長に言えと、また松川たちは笑う。

九条を笑いながら松川たちは、小野田の彼女が普通のデパートガールであることを聞き、笑いながらも目を光らせる。
翌朝の毎朝新聞には、九条が話したことを元に、潮会が進出することが書かれていた。
つまり、九条は特ダネを、毎朝新聞に教えてやったようなものだったのだ。
バクさんにそれを指摘され、九条は松川と大久保をにらみつけるが、もうどうにもならない。

小野田の隠した拳銃は見つからず、小野田も口を割らなかった。
夜打ちと言って、刑事の家に夜、訪ねていくことをバクさんから聞いた九条は、早速夜打ちに出る。
だが黒岩の部屋の扉の前にはすでに大久保がカップラーメンをすすりながら待っていて、黒岩は留守だと笑った。

その頃、黒岩は「ムンク」にいた。
直子は黒岩にもう、妻がいるものだと思っていたと言う。
「いつもハンカチが綺麗だから…」。
妹の恵子が、黒岩の身の回りの世話をしっかりしているのだ。

あんまり良い妹を持っていて、いつまでたっても妻をもらわない男を、もう一人、知っていると直子は言う。
妹が旅行である黒岩に、「明日もいらっしゃる?」と聞いた直子は「たぶん」と答えられて微笑む。
丸山たちは、小野田の部屋の畳まではがしたが、拳銃は見つからなかった。
どうやら小野田はずっと、部屋には戻っていないようだった。

小野田を拘留できる時間は、あと2時間。
現在、小野田には、わかっているだけで情婦が2人いる。
だが深町は、小野田には2人しか女がいないはずはないと言う。
まして片方のデパートガールはまだ、手なずけている最中だ。

取調べ中に小野田に、豪華な重箱に入った弁当が届く。
どこの女かと丸山刑事に聞かれるが、小野田は「さあ…、教えてくださいよ」と言う。
重箱を開いた小野田は、ちらりと丸山のラーメンを見る。
小野田の弁当を前に、丸山刑事はラーメンをすする。

それを見た小野田は、「刑事さんも大変だねえ、あんたも高卒だろう?」と言う。
「俺たちは頭が悪いと、なかなかえらくなれなくてねえ」と言って小野田は、箸で頭の方を示す。
ふてぶてしく弁当を食べ、えびをほおばる。

もうすぐ小野田の拘留期限が切れる。
小野田から何も聞き出せない丸山刑事は、加賀見に叱咤される。
このままでは警察の失態と、マスコミに書きたてられる。

結局、小野田は釈放されてしまった。
黒岩は、小野田を尾行する。
一方、九条は町で、白いコートを着た女性の後をつけていく。

九条が後をつけた女性は、つまらなさそうに映画館の前を通り過ぎ、町を歩いていく。
彼女はあるクラブで半裸で、扇情的なダンスを踊るストリッパーだった。
酔っ払った男たちが、いいぞー!と声をかける。
九条は目を丸くして、ステージから目が離せなくなっている。

小野田を尾行していた黒岩は直子と約束をしていたが、ムンクに行けなくなった。
黒岩のために料理を用意していた直子は、落胆する。
小野田が花を買うのを見て、黒岩は小野田に女性がいると確信した。

ショーで踊っていた女性は、アパートに帰ってきた。
灯りがついているのを見た女性は、「お兄ちゃん、帰ってるの?」と聞いた。
タクシーでつけてきた九条は、黒岩がアパートを張っているのを見た。

次の日、署へ電話した黒岩はうっかり道路に出て、タクシーと接触しそうになる。
膝を突いた黒岩に「大丈夫?怪我しなかった?」と声をかけてきたのは、九条が尾行していた女性だった。
「急に腹が痛くなった」と言う黒岩に明るく彼女は、「送ってってあげる」と言って、タクシーに乗ることを勧めた。
だが乗ろうとしない黒岩を見て、「車、ダメなの?うちのお兄ちゃんも自動車乗れなかったしねえ…」と言った。

タクシーの運転手が「早くしてくださいよ」と、イライラしはじめた。
彼女はタクシーを断ると、錦糸町まで行くはずだったのにと言う運転手に「これで勘弁して」と札を渡した。
「困るなあ」と言いながらも、タクシーは発車した。

それを見た黒岩は「すみません」と謝ったが、「ううん」と言って女性は「あそこにお薬屋さんがあるわ」と黒岩を連れて行った。
黒岩があわてて「もう、腹痛は治った」と言うと、彼女は急に笑い出した。
「お腹痛いだなんて嘘ついて、ほんとはお腹すいてたんでしょ!」
彼女はそう言って笑うと、黒岩の胸をぽんぽんと叩いた。

黒岩を食堂に連れて行った彼女は、「同じもので良い」と言う黒岩に笑って、お金は持っていると言う。
ビールを頼んだ彼女は黒岩と乾杯しながら、「東京?」と聞いた。
「さっき、道がわからなくなって」。

「どこ?」と、彼女は黒岩の出身を聞いた。
「三原、知らないだろう。群馬県」。
「その三原から、何しに出てきたの?」

答えない黒岩に「いいわよ、誰だって人に話したくないことってあるもんね」と言った。
「実は妹が家を飛び出して、東京で一人で住んでるらしいんで」。
「どこに」。
「それがわかんないんですよ」。

「いくつ?」
「私?」
「妹さんのほう」。

「24…、25になったかな」。
「ふうん、それで東京に探しに来たんだ。私は長崎、それも上のほう。平戸知ってる?」
そう言うと彼女は鉄板で、注文した焼きそばを焼きだした。

彼女は、3日目に東京で金がなくなった時、お兄ちゃんが焼肉を食べさしてくれたのだと言う。
お兄ちゃんと言うが、本当の兄ではない。
その男は「君これからどうする」と聞いたので、彼女は「来た来た」と思った。
「女一人どうやってでも食べていける」と言うと、お兄ちゃんはいきなり「バカ」と言って、彼女をひっぱたいたのだと言う。

「そういう風にして田舎から出てきた女がダメになっていくのを、俺はこの目で何人も見ている」と言ったお兄ちゃんは、彼女のアパートの頭金まで払い、勤め口まで紹介してくれた。
彼女はそこまで話すと、もうひとつ、注文を追加した。

「ねえ、君、どうしてそんなに親切なの?」と、黒岩は聞いた。
「うちのお兄ちゃんに似てるからよ、お兄ちゃん」。
彼女は、兄は山で死んでしまったと言う。

「君のお兄ちゃん、登山家だったの?」
「登山家だって、うちのお兄ちゃんが」。
彼女は笑った。

「だって山で死んだって」。
「お兄ちゃん山知らないの」。
「知ってますよ、群馬県だって谷川岳って」。
「その谷川だけで石炭掘れる?」

「山って炭鉱ですか」。
彼女は晴れやかに笑った。
黒岩は戸惑いながらも、彼女の明るい笑いに引きずられていく。

店を出て「送っていく」と言う彼女に黒岩は遠慮するが、彼女はもう、仕事には間に合わないと言った。
「今から行ったら叱られる」。
「すっぽかすと、もっと叱られるでしょ」。
「それは明日のこと。今日は叱られないもん」。

彼女は映画に行こうという。
お兄ちゃんは仕事でいないと言って彼女は「ねっ、行こうよ」と、黒岩と腕を組んで歩き出す。
2人の後姿を見て、九条は首をかしげた。

映画を見終わった彼女は、「あの女優さん綺麗だったわね」と言って、女優の名を尋ねた。
しほみえつこと言った黒岩に、「お兄ちゃん、スミにおけないわね!」と笑い、自分のお兄ちゃんが山口百恵のファンであることを話した。
自分の部屋に山口百恵の大きな写真を飾り、朝、行くときに挨拶していくのだと言って、彼女は「あったまきちゃう」と言った。
黒岩は下を向いて笑った。

「そうだ、記念写真を撮っていこう!」
「いいですよ」と照れる黒岩を彼女は、証明写真のブースの中に入れた。
肩を組む彼女に「4回あるのよ」と言って、「ねえ、お兄ちゃん、笑って」と言う。

「2分でできちゃうの、便利でしょ。一度東京に住むと、よそに住めなくなっちゃうわね」と言った。
「ほら、出てきた」。
できあがった写真を見て彼女は、「指名手配中の凶悪犯、若い情婦と逃走中」と笑った。

2枚ずつ分けると、突然、小野田が「何やってんだ!」と彼女につかみかかってきた。
「何で店行かなかったんだ!」
「だって行けなくなっちゃったんだ」。

ごめんなさいと謝る彼女を、小野田はひっぱたいた。
「あんた!」と止めに入った黒岩に小野田は「てめえは引っ込んでろよ」と殴りかかる。
だが黒岩は小野田のパンチをかわすと、逆に殴ってしまう。

「やめて、やめてよ、やめてええ」。
そう言うと彼女は、黒岩にしがみつき、腕に噛み付いた。
「痛い、いたたたたっ、わかった、わかった!」
彼女は黒岩にしがみついて「ごめんなさい」と言って、泣き出した。

小野田を背負った黒岩は、彼女と一緒に彼女のアパートに向かうことになった。
それを変なことになったと、バクさんに九条は報告する。
彼女の部屋には、言ったとおり、山口百恵の大きなパネル写真があった。

小野田は鼻血を止めながら黒岩に「相手が自分だから良かったんだよ、東京は怖い町だから、田舎者は気をつけたほうが良い」と言った。
「お布団出そうか」と言って、押入れを開けた彼女をあわてて小野田が止めた。
「ばかやろう、お客さんに押入れ見せる奴があるか!」

小野田はそう言ったが、黒岩は見逃さなかった。
「じゃあ、わたくし、失礼します」と黒岩は頭を下げて、部屋を出た。
まっすぐ公衆電話に向かい、城西署に連絡をする。
その様子を、ジッと九条が見ていた。

黒岩は彼女の部屋の家宅捜査を丸山に頼むと、電話ボックスを出る。
そして「おい、電話空いたよ!おい!」と叫ぶ。
黒岩に呼ばれて九条がしょんぼり、姿を現した。

その時、「お兄ちゃん!」と彼女が走ってきた。
「やっぱり!思ったとおり!駅あっちよ」。
彼女は黒岩が向かおうとしていた方向と逆を、指差した。

黒岩が目を丸くして、「旦那さんは?」と聞く。
「旦那さん?あ、お兄ちゃん?私がお兄ちゃんのこと心配だって言ったら、行ってこいってお金くれたの」。
そう言って彼女は、黒岩を駅に連れて行った。

2人で歩きながら黒岩は、「僕、死んだ君の兄さんにそんなに似てる?」と聞いた。
すると彼女は「ごめんなさい。あたし、嘘ついてたの。お兄ちゃん、あたしの言うこと、みんな信じちゃうのね」と言った。
「お兄ちゃんはね、あたしが3つの時死んじゃったから、顔知らないんだ」。
黒岩は、「ねえ、もうほんとにいいよ。僕、帰れるから。帰んな」と優しく言った。

「送ってくわよ。送ってく」。
その時、パトカーが走ってくる。
パトカーに気づいた黒岩は「やっぱり送ってもらおうか」と言った。
「行こう」と、彼女は黒岩の腕を取った。

「ねえ、お兄ちゃんが言ってた。もたもたしてると最終に乗り遅れちゃうって」。
「そう、あの人だな?東京に出てきた時に、君に焼肉食べさせてくれたの」。
「いっけない。そんなことまで言っちゃったの?時々、あたしのこと、ぶったりすることあるけど、良い人なんだ。あたしの稼ぎ、みんな持ってっちゃうから、頭にきちゃうけどさ、しかたないじゃん。惚れてるってかさ、どうしようもないんだよね、人間って」。

彼女の声は明るかった。
「でも今日はどうして君、僕なんかと」。
黒岩がそう言って、ふっと横を見ると、彼女がいない。

彼女は野良猫を抱いて、戻ってきた。
「かわいいでしょ」。
黒岩が笑う。
パトカーの音がする。

丸山たちが彼女の部屋で小野田を押さえつけ、押入れを開ける。
小野田が、ジタバタする。
拳銃と弾丸が見つかり、小野田が逮捕される。
九条が走っていく。
拳銃15丁、実弾250点が見つかったと、九条がバクさんに報告する。

駅の階段で彼女は「おばあちゃん、大丈夫?荷物持ってあげる」と、階段を下りる老婆の荷物を持ってやる。
黒岩が、列車に乗った。
彼女は黒岩が座った座席の窓を叩くと、「お兄ちゃん、開けて」と言った。

「ほんとにいいですよ、帰ってください」。
黒岩の言葉に彼女が言った。
「お兄ちゃんがね、いつも言ってる。面倒見なきゃいけない時はとことん、見なきゃって。だからあたしと一緒にいてくれるんだって」。
「お兄ちゃん、あんまり人信じちゃダメだよ。だまされちゃうから」。

発車のベルが鳴った。
「元気でね。今日の映画でも言ってたじゃない。人生悪いことばっかりじゃないって」。
黒岩から、笑みが消えた。
彼女からも、笑みが消えた。

「お兄ちゃんの妹さんだってきっと、あたしみたいにどっかで元気でやってるわよ」。
「じゃ」。
「お兄ちゃん、あたし、嘘ばっかり言ってごめんね」。
彼女が謝った。

「ねえ、ちょっと笑いなよ」。
黒岩が「君の名前、まだ聞いてなかったな」と言う。
「いいじゃない、そんなこと。またどっかで会えるわよ」。

列車が走り出した。
「ね、えほんとに元気でね」。
彼女が追ってくる。

黒岩が手を振る。
ホームに残った彼女も、手を振る。
どんどん、ホームの彼女が小さくなっていく。

黒岩は夜、タクシーで自宅に戻ってきた。
タクシーを降りると、肩をすぼめて歩く。
アパートに入る。
数日分の、新聞が落ちている。

真っ暗な部屋の、電気をつける。
こたつに入る。
タバコを取り出したポケットから、彼女と撮った証明写真が落ちる。
黒岩がタバコの煙を吐く。

宙を見つめ、彼女の言葉を思い出す。
「お兄ちゃん、あんまり人信じちゃダメだよ、だまされちゃうから」。
「お兄ちゃん、ちょっと笑いなよ」。
黒岩は黙って、タバコの煙を吐き出した。



松川は、宍戸錠さん。
大久保は、平泉征さん。
とっても世話好きで、優しいストリッパーは宮下順子さん。
これが、かわいい。

小野田は、先月おなくなりになった蟹江敬三さん。
狡猾な男を演じてます。
いずれあのデパートガールも、水商売やらされるんでしょう。

凶悪犯じゃなくて、女がよろめくような残酷な優しさを持つ男。
女に罪な夢を見せる男。
でもほんとはどこか、優しいのかもしれない。

深町の佐藤慶さんなんか見ると、彼よりは優しいよなあ…って思っちゃう。
鼻血を止めながら逮捕されるところも、なかなかコミカル。
やっぱり、良い俳優さんだなあ…。
すごく残念。

九条の家は、なかなか豪華。
お母様がお見合いを勧めたり、お坊ちゃまであることがわかりました。
もう、ストリップを見る目がまん丸。
目が釘付けで、ホステスさんに笑われる。

なのにまた、直子の時みたいに、九条がまた、黒岩の正体をバラすような余計な真似をするんじゃないかと、ハラハラしました。
直子はというと、野菜が足りないであろう黒岩のためにサラダを作って待っているのに、黒岩が来なくてがっかりする。
黒岩への気持ちが、わかります。

さて、黒岩をつけ回す九条坊ちゃま。
黒岩は自分は尾行しても、坊ちゃまには気がつかないのかと思いました。
そうしたら、ちゃんと気づいていた。

電話ボックスから出て、「おい!」と言う時の顔と声は、さっきまでの純朴な田舎青年じゃありません。
鬼刑事・黒岩です。
それが追いかけてきた彼女を見て、またまた一瞬で変わる。

今回は渡哲也さんが、二つの顔をさりげなく演じてます。
彼女と一緒の時は、本当に純朴な田舎から出てきた青年に見えます。
小野田も黒岩の顔を知らないとはいえ、完全にだまされてる。

でも一人になると、たちまち、刑事・黒岩に戻ってる。
渡さんの達者な演技にも、驚かされます。
やっぱり、うまいなあと感心しました。

結果として彼女をだました黒岩は一人になって、罪悪感で一杯になる。
一人の部屋、落ちる新聞。
このわびしさが、都会で生きる彼女の寂しさを連想させる。

だましてたってことになるけど黒岩だって、彼女と一緒の時は純粋だったと思う。
渡さんは達者な演技していたけど、黒岩は演技してただけじゃない。
あどけない、まるで少女のような彼女に、黒岩の純粋な面が引き出されている。
黒岩も、一人の純朴な青年に戻ってたんだと。

黒岩刑事が「痛い」と噛み付かれて、わかったわかったと言う言葉なんか、本当に優しい。
パトカーに気づいて小野田の逮捕を見せまいと、「やっぱり送ってもらう」と言う。
優しい彼女に対しては、黒岩も優しいんです。

彼女はおばあちゃんの荷物を持ったり、本当に何でそんなに優しいの?って思うぐらい、優しい。
だからこそ、哀しい。
それほど、宮下順子さん演じる彼女は、純朴。

本当にかわいらしい。
いじらしい。
宮下さんの演技に、ホロリとしてしまいます。

小野田はきっと、彼女を金づるとしか見ていない。
他に女性だっている。
彼女はもしかしたら、それをわかってるかもしれない。
いや、きっとわかってる。

時々、ぶったりする。
お金を全部、持って行っちゃう。
でも、しょうがない。
好きなんだ。

人間って、しょうがないよねと言う彼女が、最後まで明るいのが救い。
わかってるけど、でも、小野田の優しさが彼女には必要なんだ。
彼女は人に優しいのは、彼女も優しくしてもらいたいからかもしれない。

悪いことばかりじゃないって、彼女が言ったことは自分に言ってるんだ。
黒岩に「だまされちゃうよ」って言ったのは、自分がそうだからだ。
九条が尾行しているときは、つまらなさそうに映画館の前を通るだけの彼女が黒岩を映画に誘う。

彼女は誰かと一緒に、この映画見たかったんだ。
それで、悪いことばっかりじゃないよ、ってセリフを言ってみたかったんだ。
言ってわかる人が、ほしかったんだ。

最後まで、彼女の名前がわからない。
そういえば彼女は、小野田のことも、黒岩のことも「お兄ちゃん」と呼んだ。
黒岩の名前も、聞かなかった。

名前を聞かれて「いいじゃない」と言う彼女に、とても切ないものを感じる。
「ねえ、笑って」と言う彼女の言葉も、切ない。
そうだ、「大都会Part2」で良かったのは、黒岩も大声で笑うことかもしれない。

でもね、きっと、良いことがある。
彼女には良いことがある、絶対に。
だって彼女は明るいもの。
明るいところには、明るいものが寄ってくるもの。

1本の映画になりそうな今回の話。
いや、映画で見たくなるような話。
映画で見たくなるような宮下さんと渡さんと、蟹江さんの演技。
良い話、見せてもらいました。


スポンサーサイト
2014.06.23 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://kotatuneco.blog59.fc2.com/tb.php/2879-c9fca783