こたつねこカフェ

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追悼・蟹江さんの小房の粂八

蟹江敬三さん演じる、密偵・小房の粂八。
盗賊の知恵袋と呼ばれた彼が、鬼平の密偵となる話です。
まだ若い粂八は、押し込んだ先で女性をてごめにしようとしてお頭の血頭の丹兵衛に追放される。

犯さず、殺さず、貧しき者から奪わず。
これが盗人の掟だ。
以来、粂八はこれを守ってきた。

自分にこれを教えたのは、丹兵衛だ。
今、急ぎ働きの外道働きをしている盗賊が血頭の丹兵衛を名乗っているが、絶対に違う。
粂八は自分の正体を明かし、鬼平にその偽者を捕らえる手伝いを名乗り出る。

そのために牢から開放される粂八。
ふと、自分がこのまま逃げたらどうするのかと聞いてみる。
しかし粂八は「お頭はお前はそんな奴ではない」と、鬼平が言ったと聞かされた。

そんな時、江戸に奇妙な盗賊が出た。
家人の誰も気づかないうちに大金を奪い、丹兵衛の名札を残していった。
さらにはその翌日、またまた誰も気づかないうちに奪われたはずの金は元に戻されていた。

それこそが、丹兵衛の仕事だ。
こういう仕事が、お頭の仕事なのだと粂八は言う。
やがて、島田宿で逗留する粂八に丹兵衛一味が接触してくる。

丹兵衛との再会。
だが粂八が心酔する丹兵衛は、人が変わってしまっていた。
あの急ぎ働きの外道は、確かに丹兵衛率いる一味がやったことだった。
粂八の働きで、丹兵衛たちはお縄になる。

鬼平は粂八に自分のところで働かないか、と打診される。
密偵は犬と蔑まれ、正体がわかったら殺される危険な仕事だ。
だが、粂八がためらうのはそんな理由じゃない。
粂八は、人間に絶望しかかっているのだ。

自分が信じてきたことが、崩れ去ろうとしている。
再び、人を信じてやっていけるだろうか…?
こんな気持ちで、密偵と言う仕事ができるのだろうか。
蟹江さんの苦悩の表情。

鬼平は密偵にならないのなら、このままどこかに消えちまえ。
二度と自分のために、面を見せるなと言って、粂八を放免する意思を伝える。
その時、旅人が立ち寄る茶店に、一人の老人が入ってくる。
蓑火のお頭と、粂八は呼んだ。

お頭は先ごろ、丹兵衛を名乗って外道働きをする盗賊が許せなかったと言う。
だから、本当の盗賊の仕事を見せてやったと言う。
先ごろ、江戸に出現した奇妙な盗賊は、このお頭の仕事だったのだ。

冥土のみやげに、一仕事。
今、江戸には鬼の長谷川平蔵という火盗改めがいるが、まだまだ。
お頭はそう言って、笑った。

犯さず。殺さず。
貧しき者から奪わず。
守れよ。
粂八の顔が、晴れやかになっていく。

お頭は去っていく。
鬼平は、すべてを聞いていた。
お縄にしないのですか…。
鬼平は笑って、良いみやげだろうと言う。

お頭の後姿を見送った粂八は、長谷川さまー!と叫び、鬼平の後を追ってきた。
鬼平の器の大きさ。
暖かさ。
情け深さ。

自分が仕えるべきは、この人だ。
この人に必要とされ、認められることが喜びだ。
粂八の吹っ切った表情。

蓑火のお頭は、名優・島田正吾さん。
短い出番ながら、さすがです。
鬼平のすばらしい人間ドラマがしっかり描き出されるのは、この俳優さんたちの演技があるからだと改めて思いました。
この回でいえば、鬼平、粂八、蓑火のお頭が織り成す人間模様。

名優の演技を、がっちり受け止め、応える蟹江さん。
ああ、本当にこれからが楽しみの俳優さんでした。
でも蟹江さんの演技は、しっかり残っていて、これからも楽しめます。
本当にすばらしい俳優さんです。


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