引き続き見ている「大都会 闘いの日々」。
これ、今は地上波で放送できるのでしょうか。
そう思ったのは「第23話 山谷ブルース」!
いきなり23話に行って、すみません。

すごい、濃いです。
ハードです。
薄くちの俳優さんだと、このストーリーにも、脇役さんたちにも太刀打ちできないでしょう。


場所は、山谷。
酔っ払ってご機嫌で歌いながら帰ってくる「おっさん」。
木賃宿で「酒買ってきた!」と話しかけた同部屋の男が、死んでいる。

すると、おっさんは、死んだ男の口に酒をふりかけてやる。
酒が、死んだ男の口からこぼれる。
下のベッドに寝ていた男が、こぼれた酒をぺろぺろなめる。

「おっさん、何やってんの」。
「しんでるよぉ。この兄さん。」
「うん?」
「どこの奴?」

「南友会(なんゆうかい)に居たって言ってたけど、ムショから出てきたばかりだそうだよ」。
そう言って、おっさんはまた酒をふりかけてやる。
青白くなった男の唇に酒が落ち、はじける。

警察が来て、おっさんに話を聞く。
だが、おっさんも男とは知り合ったばかりで良く素性を知らない。
死んだ男は、歌を歌ってばかりいたと言う。

「歌?」
「山谷ブルース」。
おっさんは、取調室で歌いだす。
♪きょおの~、仕事は、つらかった~あ♪

♪あとはぁ~、しょおちゅうを~あおるだけ~ぇ。どうせ~、どうせ~、さん~やのドヤ住まい~、ほかに~、やるこたぁあ~ありゃしねええ~♪
呆れ顔の刑事。
そこまで歌ったおっさんは、「あ、焼酎飲みたくなってきたな」と笑う。

死んだ男は、三上末吉と言った。
資料を見ると、ぱりっとしたスーツを着た、いかめしい顔の男が映っている。
三上は、刑務所から刑期を終えて帰ってきたばかりだったらしい。

殺人未遂という刑の割りに刑期が短いのは、身代わりだったからだろう。
誰か、この男のために助かった男が居るはずだ。
では、なぜ、三上は刑務所を出て山谷などにいるのだろう。
身代わりで入って出てきたら、かなりの待遇が待っているはずだ。

大内刑事の質問に、加賀見は「さあね。そこいらへんは。そういうもんさ」と答えた。
検視官によると、三上の体はボロボロで、とても25歳の体ではなかったという。
死因は、狭心症だった。

南友会の連中に三上のことを聞いても、良く知らないという答えばかりだった。
三上が死んだと聞いて、「誰かにやられたのか?」と聞き返す男はいても、「病死」と聞くとあからさまに軽蔑したような顔をした。
「三上の兄貴分は誰だった?」と聞くと、「秋葉」という男が浮かび上がった。
秋葉は、南友会の若衆頭だという。

高木刑事が秋葉と言う名札の部屋を訪ねると、女性が出てきた。
「あんた、だれ?」
警察手帳を見た女性は、無言であわてて男を呼びに行った。

ドアチェーンの向こうから、ごつい顔がのぞいた。
その男が、秋葉だった。
「三上末吉を知ってるね」。
「それがどうした?」

「今朝方、死んだんだよ。そこでねえ、遺体の引き取り手を探しているんだよ」。
秋葉は、顔色ひとつ変えなかった。
「俺はしらねえよ」。

「しかし」。
「関係ねえ!」
秋葉は言い捨てると、バタンとドアを閉めた。

三上は、渋谷のソープ嬢のヒモをやっていたらしい。
そこに当たることにした。
黒岩に秋葉から、電話が入った。

「もしもし。おう、何だ一体?」
黒岩と秋葉は喫茶店でひとつ離れた席に座り、一見関係ない間柄に見えた。
「しばらくです。変わりないですか」。
秋葉の問いに「何事かね」と、黒岩は尋ねた。

「今日、刑事さんに来られましてね」。
「なんかやったのか?」
「そうじゃないんですよ」。

「昔私の下に居た奴なんです。仏の引き取り手がなくて、誰かいないかって聞かれたんですけど」。
「居たのか、誰か」。
「実はですね、誰も本当に引き取り手がないんだったら、俺が引き取ろうと思ってます」。

秋葉の言葉は、丁寧だった。
「実を言うと故郷が一緒でしてね。野郎をこの道に引っ張りこんだのは俺なんですよ」。
もっとも、上京した秋葉を頼ってきたのは、三上のほうだったらしい。
「ガキの頃から知ってましてね。お袋さんには世話になってます。だからま、この際、あれですよ。葬式ぐらい出してやろうと思って」。

しかし、黒岩から秋葉の話を聞いた加賀見と高木刑事は、話がおかしいと言った。
だいたい、今日、訪ねて行った時、けんもほろろに断ったはずだ。
秋葉が葬式出して稼ごうとしているんじゃないかと、城西署で言った。

その時、高木刑事に霧子という女性が会いに来た。
三上がヒモをやっていた、ソープに努めていた女性だ。
「誰も…、引き取る人がいないんなら、あたし、引き取ってもかまわないわ」。
「悪いね」。

黒岩は、秋葉に霧子が遺骨を引き取ることを伝えに行った。
秋葉の子分たちは、秋葉がもう前金ですべて手配をしたと言って黒岩にすごんだ。
黒岩は約束したのにすまない、と謝った。
憤る子分たちだったが、秋葉はあっさりとわかったと返事をした。

翌日、火葬場に来た霧子は秋葉のことを聞かれ、三上の兄貴分だと答えた。
三上はヤクザになる前はドカタだったので、体には自信があった。
霧子に道路を指差して、自分が作ったと教えたこともあった。

三上の遺骨を持って、アパートに戻ってきた霧子が、はたと立ち止まった。
一人の男が近づいてくる。
秋葉だった。
その様子に霧子は怯えきって、後ずさりしていく。

翌日に、城西署、およびバクさんたちにヤクザの葬式があるという情報が入った。
一体どういうことか。
おそらく、霧子から秋葉が三上の遺骨を取り上げたのだと、加賀見は予想した。

そして、三上の葬式をするのだろう。
香典が集まる。
しかも南友会ともなれば、他の組からも集まるだろう。
相当な稼ぎになるのだ。

黒岩は秋葉に、葬式をやるのは本当か聞いた。
「本当です」。
約束が違う。

「遺骨があります」。
「嘘をつくな」。
秋葉は霧子から遺骨は借りたと言う。

「脅して取り上げたのか?」
「脅しやしませんよ」。
「秋葉。俺はな」。

良いかけた黒岩をさえぎって秋葉は「俺の話も聞いてくださいよ」と言う。
葬式を仕組んだのは確かに、秋葉だ。
それで香典を集めようとしているのも、事実だ。

「しかしね。俺はこの金をあいつのおふくろさんに届けてやりてえから、やってるんだ」。
「おい」。
秋葉に声をかけた丸山刑事をまっすぐ見て、秋葉は言う。

「あんたら、信じちゃくれないだろうけど。これは組に入れる金集めじゃねえよ」。
丸山刑事は「信じねえな」と言った。
黒岩は黙って、秋葉を見ていた。

「いいよ、信じなきゃ。だけど俺はね。俺は野郎と同じ村の出で、野郎のおふくろには世話かけたからね」。
「野郎をこの道に入れちまって、俺はすまないと思ってるからね。おふくろさんは良い人だよとても」。
「当時からぐれてた俺のこともかばってくれて。それが病気で生活保護」。

「あいつも俺も、そのおふくろさんに何もしてやってないからねえ」。
秋葉の目に、光るものがあった。
「だからせめて、香典ぐらいね。奴ら、それぐらいやる義理があるんだ。この際、香典の5万や10万」。

「話はわかるがね」。
丸山刑事が、口をはさむ。
「奴らってのは何だ。誰のことだ」。
「上の奴だよ」。

「お前の組のか」。
「俺のところだけじゃねえよ。他の組もだ」。
「どういうことだ」。

黒岩の目が光る。
だが、秋葉は黙ってしまった。
手元のレシートを、秋葉は折っている。

「どういうことだ。義理があるってのは、どういうことだ」。
「それは三上がムショに入ってたことに関してか」。
秋葉は、レシートを折りたたんでいた。
「それで助かった奴がいるってことか」。

秋葉はレシートで紙飛行機を追って、2階の席から飛ばした。
「俺はとにかく、あいつのおふくろにまとまった金を入れてやりたいんだ」。
丸山刑事はしかし、「かっこいいこと抜かすんじゃねえよ。お前の理屈はそれで通るかもしれねえが、払わされる堅気は大迷惑だ」と言った。
「堅気から金はとらねえよ」。

「とぼけるな!」
「とぼけちゃいねえよ」。
そして秋葉は黒岩に向き直ると「黒岩さんよ。この人は何だ。はなっから人を疑ってかかって」と抗議した。

だが丸山刑事は、秋葉の子分の山中が縄張り内の店から金を集めているのだと教えた。
秋葉は山中を殴り倒した。
それを見ても丸山は、下手な芝居だと信じなかった。

しかしそれは三沢という幹部の指示だった。
直接彼らに指示したのは、音松という男だった。
秋葉は彼らに面会に行くが、三沢は最近は飲み屋の稼ぎがよくないから、この際、盛大にやって稼げと言う。
そこから先は、音松が話を聞くと言う。

雨の降る中、黒岩のアパートを秋葉が訪ねてきた。
恵子が応対に出ると、秋葉は丁寧に黒岩が帰っているか尋ねた。
「ぬれますからどうぞ中へ」と恵子は勧めたが、秋葉は「黒岩さんにお伝えください」と言う。
「約束したことは、必ず守るって」。

「用はそれだけです」。
それだけ言うと、秋葉は激しい雨の中、傘もささずに歩いていく。
恵子は傘を持って追いかけ、「持っていってください!」と差し出す。
「体に悪いです」。

秋葉は恵子を見つめると、「妹さんですか」と聞いた。
「はい。これ」。
「いいです。ほっておいてください」。
秋葉は頭を下げると、雨の中、歩いていく。

翌日の新聞の紙面には、暴力団が資金集めか、勢力誇示か、住民の心配と恐怖をよそに寺を借りきり、「黒い葬儀」をするという文字が躍った。
葬儀に出る秋葉を、黒岩が待っていた。
秋葉の行く手を、黒岩がさえぎる。

黒岩は猛烈に怒っていた。
「お前だって自分のお袋や、妹は別の世界に置きたいだろう?刑事も同じだ!もしもこの先、家に面ぁ、出したらただじゃ置かないからそう思え!」
それを聞いた秋葉の顔色が変わる。

「黒岩さん。あんたを勘違いしてたよ。他のデカたちとちょっと違って、あんただけは俺らを普通の目で見てると、勝手に買いかぶっていたんだがな」。
「やっぱりあんたも所詮、デカだな」。
「あんたとの約束はきちんと守るよ。今日の香典は三上のおふくろに全額届ける。安心して見てな」。

音松が仕切る中、次々と組関係の男たちが香典を持ってやってくる。
それを遠巻きに、城西署の刑事たちが見守る。
三上の葬儀が始まった。
香典の一万円札が次々、金庫に入っていく。

車の駐車で、バンパーに当たったと組員同士がもめ始めた。
城西署の刑事が、収集を図りに跳んでいく。
秋葉が突然、金庫の蓋を閉じ、上着で覆う。
辺りを見回しながら、金庫を持って走る。

音松が気がついた。
秋葉は墓を動かすと、骨壷の中に金庫を隠そうとした。
その時、誰かの足元が見えた。
音松だった。

金庫を取り上げようとした音松を、秋葉は突き飛ばした。
音松はズボンのすそをめくると、ベルトで足首に固定していたナイフを取り出した。
秋葉が音松を見る。
「秋葉ぁ…」。

逃げる秋葉は卒塔婆をつかみ、音松に向かって振り下ろす。
秋葉も音松も、地面に手を付き、膝をつく。
ナイフを突き出した音松を、秋葉が投げ飛ばす。
音松はなおも、襲い掛かる。

墓と墓の間を、音松と秋葉は取っ組み合いをしながら駆け回る。
秋葉に音松のナイフが突き刺さった。
なおも迫る音松。
秋葉は墓に張られていた鎖を手に持ち、音松に振り下ろした。

よろよろと立ち上がった秋葉は、近くの墓に備えてある花の水を飲み干す。
音松は地面に倒れて、動かない。
秋葉は上着を羽織り、通りに出て、タクシーを止めた。

タクシーの後ろの席で、ぐったりしながらも秋葉は目的地に降りた。
ふらふらの足取りで道路を渡り、1軒のソープ店に入る。
「いらっしゃいませ」と声をかけた男を無視し、秋葉は見せの奥に入る。
「お客さん」。

秋葉の姿を見て、飲み物を運んでいた女性が、悲鳴をあげてコップを落とした。
金庫を抱えながら、秋葉はあちこちのドアを開ける。
廊下に倒れこんで、秋葉は動かなくなった。

今日の仕事はつらかった…。
あとは、焼酎をあおるだけ…。
どうせ、どうせ、山谷のドヤ住まい。
他にやること、ありゃしねえ…。

霧子が控え室で、歌っているのだった。
秋葉は店員の男を振り切り、這いつくばりながら階段を登っていく。
階段を登りきった秋葉は、控え室に入る。
秋葉を見て、霧子が呆然とする。

霧子に向かって、金庫を持って、秋葉が笑った。
そして、倒れた。
階段を転げ落ちていく。
金庫から一万円札が散る。

取調室で、霧子が加賀見と丸山刑事に語る。
秋葉さんは、末ちゃんと故郷がおんなじで。
小さい時から、一緒だって言ってた。

末ちゃんのお母さんも、良く知ってたみたい。
ワルだけど、面倒見がとっても良いんだって、末ちゃん、秋葉さんのこと頼りにしてたみたい。
上の人の罪背負って、末ちゃんが刑務所に入ってる間、ずっと秋葉さん、差し入れに通ってたみたい。

入所して、組が末ちゃんのこと見放したって、秋葉さんひどく怒っていた。
でも…、あたしはやっぱり、怖かったけど。
「タバコ頂戴」。
丸山刑事が、霧子にタバコを渡して、火をつけてやる。

「すると君は、秋葉に脅されて三上の遺骨を渡したわけかね?私はあの時、てっきり君が故郷に遺骨を届けたものと…」。
加賀見の言葉に霧子は「届けたわ、遺骨は」と言った。
「ちゃんとお母さんに」。

「あたしさあ…。刑事さん、黙っててくれる?」
「ああ」。
「いくら秋葉さんと末ちゃんが親しくっても、骨渡すのだけは嫌だったの。だって…、ヤクザの金集めなんか、末ちゃん、骨になってまでもやること、ないもんね」。

霧子の声は抑揚がなく、淡々としていた。
「だから1日待ってもらってさ。あたし、細工してやったの。信妙寺で盛大にお弔いやったのはさ、あの骨壷の中…、消し炭なのよね」。
骨壷が割れ、中から真っ黒い炭が現れる。

丸山刑事が、ぽかんとする。
加賀見は黙って、霧子を見ていた。
霧子はただ、目の前を見ていた。

霧子の濃い紫色に塗った指先に、紫色の指輪が光る。
「秋葉さん、そのお金をお母さんに届けるんだって、むきになってそう言ってたけど、あたし…。やっぱり信用してなかったのよね。だけど…。あの人、本気だったんだね」。
霧子はそう言うと、紫色に塗った爪でタバコを吸った。

黒岩が花を持って、墓参りをしている。
秋葉、と墓には刻んであった。
年老いた三上の母親が、お坊様と、寺男一人を前に墓の前に居た。

滑り台で遊んでいる子供に、黒岩は花を渡した。
子供は三上の母親のところに走り、花を渡す。
顔を上げた三上の母親に「あのおじさんがくれた」と、子供が指をさす。
その先を三上の母親は見たが、滑り台と遊ぶ子供たちだけで、誰も居なかった。

秋葉の声が、歩いていく黒岩を追いかけてきていた…。
「黒岩さん。あんたを勘違いしてたよ」。
「他のデカたちとちょっと違って、あんただけは俺らを普通の目で見てると、勝手に買いかぶっていたんだがな」。
「やっぱりあんたも所詮、デカだな」。



秋葉は、志賀勝さんです。
子分役で、後の弁慶刑事こと、苅谷俊介さんが登場。
霧子は杉本美樹さんです。
山谷のおじちゃん役で、山谷初男さんが出演。

もう、この話は、志賀さんに尽きる。
見せ場、全部志賀さんだもの。
音松こと黒部進さんとの一騎打ちからは、志賀勝劇場と言って良い。

志賀さんといえば、ものすごい凶悪なご面相。
ヤクザ役なんかやると、本職にしか見えない。
「前略おふくろ様」では、新入りの板前さん。
しかし、サブちゃんも先輩もみんなビビっていました。

顔を見ただけで、飛びのく。
この板前さん、大人しい性格なんですけどね。
いや~、この方、普段、どうしてるんだろうと心配になるぐらいのご面相です。

この話の中でも、霧子が向こうから近づいてくる秋葉を見て凍りつく。
後ずさりしていく。
それも無理ないと思ってしまう。

逆に秋葉が訪ねて来ても、おびえない恵子ちゃん。
過去にひどいことが、あったんでしょう。
本当なら、一番に秋葉におびえてもしかたがないのに。
さすが、クロさんの妹というべきか。

さてこの話、秋葉の凶悪なご面相が逆に悲しい話。
遠藤太津朗さんの「顔と態度で損した親分の一生」という話が「必殺」でありましたが、そんな感じ。
末吉の母親に良くしてもらったというぐらいだから、家には恵まれていなかったんだろう。
ただでさえそれで、つらい目にあったに違いない。

加えて、あのごつい顔。
小さい頃から、誤解されまくったんじゃないか。
もう、自分を守るために彼は不良少年になるしかなかったんじゃないか。

でも実はもともと、気持ちの優しい男だったのかもしれない。
だって組も見捨てた末吉に、彼だけは優しかった。
いや、つらい目にあってきたから、自分を慕ってくれる相手や面倒を見てくれた人には人よりも数倍、誠実に接していたのかもしれない。
高木刑事たちに見せた冷たい態度は、組を欺くために必要だったのだと思う。

秋葉の黒岩刑事に対する態度は、丁寧だった。
恵子に対する態度は、もっと丁寧だった。
凶悪な風貌に、寂しさと哀しみがにじみ出ていた。
終始、秋葉から感じられたのは、寂しさと哀しさだった。

それが黒岩に恵子に近づくなと言われた時、一変する。
裏切られた思い。
どす黒いものが、彼から漂い始める。
それでもなお、彼の怒りは哀しみの裏返しだと感じられた。

秋葉に、恵子ちゃんには悲しい過去があったんだよ、と誤解しないでね、と言いたくなる。
簡単に言ってはいけないことだけど。
秋葉がそれを知ったなら、黒岩の言葉に納得してくれただろう。
秋葉なら恵子ちゃんをひどい目にあわせた奴らを追い詰められたかもしれないとさえ、思ってしまう。

黒岩に裏切られた思いのまま、秋葉は死んでしまった。
それが切ない。
もちろん、あの時の秋葉にはそんなことは考える余裕はなかっただろうけど。

そして霧子さえも、秋葉を信じてはいなかった。
でも秋葉は満足して死んだんだと思う。
約束守れたから。

秋葉の霧子の下へ走り、金庫を見せた時の微笑みを見たら、そう思える。
思いたい。
それが救い。

階段を登り、笑い、転げ落ちる志賀さん、懇親の演技!
音松に刺され、立ち上がるために、墓に供えてある花の入った水を飲む。
お腹大丈夫か!?って思うけど、必死さが伝わって来る。

秋葉の真摯な行動を知った黒岩は、すごく後悔している。
秋葉と言う男を、所詮は自分も信じていなかったのだと思い知った。
黒岩はたぶん、人よりももっと、自分が秋葉を傷つけたのだとわかってる。
黒岩は自分には秋葉の大事な人、三上の母親に会う資格がないと思って、花だけ託して帰った。

今、作ろうと思っても出せないこの時代の雰囲気。
この時代にしか作れないものって、ある。
雰囲気と切なさを倍増させるのは、「山谷ブルース」。

1本の映画見たみたい。
切ないながらも志賀さんが堪能できて、満足。
秋葉の言葉は黒岩には、ずっとずっと、重くのしかかるのだろう…。


次回は、川谷拓三さんの「急行十和田2号」!
坂口良子さんが泣き崩れるシーンを覚えてます。
今回といい、次回といい、こういうのが見られていたなんてすごい時代。



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2014.08.10 / Top↑
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