坂道の家 いかりや長介+黒木瞳

「坂道の家」は以前に、いかりや長介さんと黒木瞳さんでドラマ化したものを見たことがあります。
2014年12月6日に放送した「坂道の家」は、主人公の「りえ子」の過去がその後の人生に大きな影を落とした設定でしたが、黒木瞳の「りえ子」にはそういう設定はありませんでした。
以下、うろ覚えのまま、小説も何も確認せず書きますが、いかりやさんと黒木さんの「坂道の家」は大体こんな話でした。

まじめな初老の男・吉太郎は、雑貨店を営んでいる。
吉太郎はこの年齢まで、ほとんど遊びと言う遊びもしない男だった。
ある日、店にホステス・りえ子が来た。
華やかなりえ子に、吉太郎は目を奪われた。

吉太郎はりえ子に、店の品物や、支払いのサービスをするようになる。
感謝したりえ子は、吉太郎に店に来るように誘う。
店に行った吉太郎は、完全に美しいりえ子の虜になってしまった。

りえ子がいる店に行ったことから、まじめな吉太郎の人生が狂い始める。
りえ子にのめりこんでいく吉太郎は、雑貨店の経営をおろそかにしていく。
従業員のボーナスも、滞る。
近所にも同様の店があり、吉太郎の店はいつもそこよりも先にボーナスが出ていた。

従業員にも店と吉太郎夫婦の不仲が感じられ、不安が募りだす。
吉太郎は、やがてりえ子を独り占めにしたくなり、囲うことにする。
吉太郎は、坂道の家をりえ子に買い与えた。

妻とケンカの果て、吉太郎は家を出る。
だがりえ子には、年下のバーテンダーの恋人がいた。
密会の現場を押さえられたりえ子に対し、吉太郎は別れるぐらいなら殺すと言う。

言い寄られただけだとりえ子は言いわけをし、吉太郎との仲は修復したかに見えた。
しかし、りえ子とバーテンダーとの仲は続いていた。
二人の仲を察した吉太郎は、りえ子に危険な執着を見せ始めた。

心臓のあまり強くないりえ子を炎天下、買い物に行かせて坂道を上り下りさせる。
風呂に長く押さえつけておく。
りえ子は、危機感を感じ始めると同時に、吉太郎がうとましくなっていく。

ある夜、りえ子が隣の家に駆け込んで来る。
風呂場で、吉太郎が倒れたと言うのだ。
隣家の主人は医者を呼ぶが、吉太郎は既に死んでいた。

医者は吉太郎が変死であることから、解剖に回すと言う。
それを聞いた、りえ子の顔色が変わった。
吉太郎は、心臓発作でなくなったと判定された。

りえ子は遺体の引取りのため、吉太郎の妻に連絡を取る。
妻は吉太郎の死に涙したが、りえ子には「あの人は私を蹴って出て行ったんだ。あんたが葬式を出せば良いだろう。バカにするんじゃないよ」と言って電話を切る。
だが妻は、吉太郎は、りえ子に殺されたと確信していた。

一方、警察でも吉太郎の死に不審を抱いていた。
調べると、吉太郎が死んでいた風呂に、植物の繊維が浮いていた。
それは氷を包むための、藁であった。
浮いていた藁は、近所の氷店で売られている藁と一致した。

りえ子は吉太郎を氷風呂に入れ、心臓発作を起こさせたのだ。
それはりえ子が吉太郎にされたことをヒントに、立てた計画だった。
逮捕されたりえ子は、取調室で疲れ果てた表情で、吉太郎との坂道の家の暮らしを語った…。



いかりや長介さんの吉太郎は、まじめな初老の男が、どんどん狂って行く演技が鬼気迫っていました。
黒木瞳さんのりえ子には、したたかさと哀れさがありました。
恋人との密会を抑えられ、怒りの吉太郎と、怯えるりえ子のシーン。

吉太郎の平手打ちが、りえ子の頬に炸裂する。
血を見るかと思ったら、次は2人が汗だくになって布団の上に転がっている。
りえ子が、甘えた口調で、説明している。
吉太郎は、言い聞かす口調で対応している。

それを抑えこむためにりえ子が取った行動は、描写されませんでした。
だが、りえ子という女のしたたかさがジワジワ来ました。
同時に老いが見えてきた男の執着が、ジワジワと出てました。

りえ子を手放すぐらいなら殺すと言った吉太郎は、暑い中、りえ子に買い物で坂道を何度も行き来させ、暑い風呂場に閉じ込め、湯船から出さない。
息も絶え絶え、意識がもうろうになっていく、りえ子。
怖さ、危険な雰囲気がどんどん高まっていきます。

そして起きた、吉太郎の変死事件。
犯行の場面は出ません。
でも、ああ、ついに殺したんだな…ってわかります。

りえ子の恋人は、故・沖田浩之さんだったと思います。
吉太郎の妻は、白川和子さん。
旦那さんが死んだと聞いて、涙しながら、震える声で遺体の引取りを拒否する。
哀しみと怒りと、りえ子への憎しみが伝わってきました。

隣家の男が、小松政夫さん。
吉太郎が死んでいるのに、当たり前だけど仰天。
さらにこの非常事態に、いちいちビックリするんですよ。

医者の言葉に「変死」「へんしぃ?!」
黒木瞳が「解剖?」と顔色を変えると、大きな声で「かいぼおおお?!」って繰り返す。
おかしくて、良い息抜きでした。
ここから先は、刑事ドラマ。

氷を包んでいた藁で殺人が発覚するのは、平成の今では無理な設定じゃないかなと思いました。
そうしたら2014年のドラマでは、ベランダで氷を割っているりえ子を中学生が目撃していたんですね。
いかりやさんのドラマでも、こういう目撃者はいたかもしれないですが、ちょっとそこら辺は覚えてません。

尾野真千子さんのりえ子には、淡い恋心を抱いていた相手の父親を母親が誘惑して浮気したため、母親を事故死「させた」過去がありました。
尾野さんのりえ子は、かわいそうな悪女だったんですね。
それもおもしろかったですが、男女の仲がひたすらこじれていく、いかりやさんと黒木さんも見ごたえありました。

松本清張が現在に置き換えて何度も映像化される理由は、事件がサスペンスにピッタリであることはもちろんですが、この人間ドラマがおもしろいからでしょう。
人間関係が、人の生死に関わる極限状態になる。
これを表現するためのキャストも、見所のひとつ。
私が前に見た「坂道の家」は、いかりやさん、黒木さん、他みんな、ハマってるキャスティングでした。


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