こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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ただ者ではない不吉な雰囲気 「暗闇にベルが鳴る」(3)

40年も前に作られた映画。
今のホラーを見ている自分には、もう怖くないだろうな…と思って見ました。
とんでもない。

怖い。
怖い。
怖い。

侵入場所を探す犯人目線で始まる映像。
こういう視線の映像は見慣れたはずなのに、すごく怖い。
ああ、犯人はこういう風に見ているんだ。
思わず、それを見せられて戸締りを確認しに行ってしまうような迫力がある。

場所は多少の移動はあるものの、ほとんどが寮内で繰り広げられる。
短い時間で、寮生たちの何となくな背景、性格、個性がちゃんとわかる。
今見るとこの設定、映像、俳優はすばらしかったんだなとわかります。

最初から最後まで、緊張の連続。
不吉。
途中、捜索隊の男性がフィルを窓から覗き込んで驚かせるシーンは、そんなに必要ないかなと思う程度。

ジェスはオリヴィア・ハッセー。
外国人でもゴージャス系ではなく、それでも日本人が好きな、清楚な美人ですね。
「ロミオとジュリエット」のジュリエット役ですが、ピッタリだったと思います。

「スーパーマン」で見たマーゴット・キダーが、バーバラ。
とても女子大生とは思えない、すれ方。
警部はジョン・サクソン、70年代の映画でよく見たお顔です。

かなり怖い描写があった記憶があるのですが、スプラッタな場面、残酷描写、痛いシーンがあんまりないんですね。
公園で子供が発見されるシーンなんか、かなり怖いシーンだったと思うんですが、遺体の描写は一切なかった。
発見者が悲鳴を上げたのは覚えていますが、遺体は一切映っていない。
それなのに覚えているということは、かなり不吉な雰囲気があったんですね。

犯人の名前も不明。
動機も不明。
狂気を溢れさせているのに、妙に知恵が回る。

人に見つからないで行動する力がある。
さらに、精神攻撃がうまい。
恐怖の演出に一番効果的だったのは、何と言ってもこのいたずら電話の声。

気味が悪い。
こんな電話が何度も来たら、それは危機感感じる。
それほど、この声と言葉には狂気が溢れている。

昔見たのは吹き替えですが、この吹き替えもうまかったんですねえ~。
卑猥な言葉、そこからわけのわからない複数の人間のやり取りを1人で演じる。
さらにヒロインの超個人的な話まで、知っている。
うまく人の心理を攻めてくる。

警部が「がんばって!」と言うけど、自分がこの電話を聞き続けるのは無理だと思う。
後半、ジェスが耐えている表情を見せるが、それはそうだ。
ヒロインも、見ているこちらもものすごく追い詰められてくる。

1人殺され、屋敷の中に遺体がある。
なのに、誰も気が付かない。
その遺体はわざわざ窓際に置かれる。

窓際で、外から見ると見えるのに、最後まで誰も気が付かない。
遺体はずっと外を見ている。
殺された時の表情で固まって、ビニールがかけられたまま。

寮長が殺されても、誰も気がつかない。
このシーンも残虐描写はないのに、足が物語っている。
梯子から足が上がっていき、悲鳴と閉まる出入口が怖い。
運転手が迎えに来るが、わからない。

もちろん、寮内の仲間は、人がいなくなっているのに誰もがそれに気づかない。
遺体はやはり、屋根裏に置かれている。
でも最後まで、警察も気が付かない。
この嫌さ。

公園で見つかった子供を殺した犯人と、今回の犯人は同一人物か?
子供を殺したのは、別にいたとしたら?
ピーターはこの殺人事件に、一切関係ないのか?

最後のジェスの行動。
自分なら、できるだろうか。
人を探しに、2階に上がっていけるだろうか。

さらにあの目。
私は「リング」の貞子を見た時、この映画を思い出しました。
「リング」の貞子の目が話題になりましたが、私は目といえばこの映画が怖かったなと思いましたもん。
中学生の時、友達の家の玄関で、一緒に話している友達が急に固まったことがあります。

その様子が、尋常じゃなかった。
声も出ない、と言った様子だった。
「何?」と私は聞いても、彼女は動かなかった。

ジッと、私たちが座っていた先にある、ドアを見ていた。
ドアは少し、開いていた。
この時の恐怖。

でも友達は「ああ、びっくりした」と言って笑った。
ドアが少し開いていて、その隙間から誰かの目が見えたような気がしたと言いました。
この映画とどっちが先立ったか、この映画のほうが先だったかな。

恐怖の瞬間でしたね。
忘れられない。
ジェスの恐怖といったら、なかったと思いますよ。

髪の毛を引っ張られ、それでも何とか逃げのびる。
ドア一枚、外には侠気をむき出しに殺しに来ている男がいる。
さらに表には犯人が歩いている。

ガラスに映る。
でも本人が見えるわけじゃない。
こちらを見ている。
すごい恐怖。

しかし、ラストにバトルはなく、気絶したジェスとピーターが発見されて終わる。
ちょっと拍子抜け?
いやいや、本当の恐怖はこの後に来るんです。

エンディングとなっても、解決していない謎。
発見されない死体。
鳴り響く電話。
1人にされたジェス。

表に1人、見張りがいるようだけど。
ジェスはこの後、大丈夫なのか。
どうしてこんな現場に1人にするのか、警察。

なぜ、ちゃんと寮を捜索しないのか。
1人、確実に見つかっていない女性がいるじゃないか!
監督も言うように、この映画、警察が警部以外、本当に役に立っていない。

そしてまた、あの電話が鳴り響く。
事件は解決などしていない。
遺体は見つかっていない。
この結末、見事です。

犯人の動機も、正体も不明。
これは下手をすると、ただ殺しのシーンを描きたかっただけの映画になってしまう。
一体何がしたかったの?という、不満が残ってしまう。

「ストレンジャー・コール」だったか、子守の女子学生が殺人鬼に追い詰められる映画がありました。
犯人は誰かと思ったら、本当に知らない男だった。
何の関係もなく、突然出てきた犯人に「何これ」とルール違反な気分を抱きました。

ところがこの映画は、そうならなかった。
意味もわけもわからないながら、犯人の動機や育ちなどをこちらに想像させる演出があった。
わからないものが、理解を超えたものが一番怖いと感じさせる映画でした。

十分、今も怖いすばらしいホラーサスペンスです。
この後に作られたホラー映画に、影響も与えた映画じゃないかな。
監督はボブ・クラーク監督。
クリスマスの澄んだ空気と寒さ、闇が感じられる映画です。


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