きたーっ! 「猫侍」第2話

ぶっ飛んだ展開の「猫侍」第2話。
いやいや、黒沢明監督の「蜘蛛巣城」見たのでね。
「猫侍」のぶっ飛びぶりに癒されたいと、思ったり。


拙者、元加賀藩、剣術指南役!
無双一刀流免許皆伝。
ついたあだ名が斑鬼。

ものすごい形相で、構える久太郎。
狙い定め、振り下ろした刀。
…と思ったらそれは鍬。
裏庭に野菜でも植えて、食費の助けにしようと言う考え。

(種、たね…、うぉう!)
植えようとした大根の種を、玉之丞が食べている。
「ていっ、ていっ!」

あわてて、久太郎が追い払う。
(おお、こんなに減ってる。ん?そんなにうまいのか?)
種を摘み上げて、見てみる。
一粒、口に入れて、久太郎は顔をしかめた。

しかし、(へっ?ん?結構いける)とすぐにまた一粒、口に入れた。
じいい、と玉之丞が久太郎を見つめる。
(うまっ)
種を食べる久太郎が、玉之丞の視線に後ろめたくなり、背中を向ける。

「いただきます」。
久太郎の前には、ご飯1杯とめざしが乗った皿がある。
玉之丞の前には、やはりご飯が入った茶碗がある。

にゃおん。
玉之丞が鳴いた。
(なんだ?)
にゃおん。

玉之丞が、じーっと久太郎を見つめる。
(これは俺のだ)。
じー。
(そんな目で見るなよ…)

玉之丞は、久太郎を見つめる。
そのつぶらな瞳。
(しかし…。う、うーん)

ため息。
次の瞬間、めざしは玉之丞の前にあった。
玉之丞はにおいをかぎ、食べ始めた。

(うまいか?)
思わず、久太郎はにっこりする。
(お静。おハル。変わりはないか?こちらは玉之丞とめざしを取り合う)

「うふふ。たまにはね」。
「いただきます」。
お静とおハルの前には、うな重があった、

久太郎の声が響く。
(お前たちには苦労をかけて済まない。仕官が決まればすぐに迎えに行く)
そこまでつぶやくと、玉之丞がめざしを綺麗に平らげていた。
(はっ。もう食ったのか?全部?!)

久太郎は庭を見る。
(大根さえできれば…)
あおん、と玉之丞が鳴く。
(今は我慢だ。早く仕事を決めねば)

家を出る久太郎。
大家の菊乃がやってくる。
(出た!)
「おやあ?おでかけかい?」と菊乃は言ったが、すぐに鼻をヒクヒクさせた。

「ん?ん?獣のにおい。このにおい…、また猫?」
久太郎は「猫などおらん!」と言うと、(まずい。さいなら~)と逃げるように走っていく。
「竿は?釣りに行くんじゃないのかい?」と菊乃が言う。

久太郎は、猫見屋へ寄る。
その途中、美少年の役者に群がる女性たちを見た。
すごい人気だ。

(何だ?この騒ぎは?)
するとその美少年が「斑目さま!」と言った。
(んん?)

「これはこれは。ご無沙汰しております」。
(誰?)
「うわあ、懐かしい」。

美少年がしなを作る。
女性たちの嬌声が上がる。
久太郎は去っていく。
「斑目様?」

猫見屋ではお七が玉之丞を抱いて、「少し痩せたあ?相変わらずの貧乏暮らしなのねえ」と言った。
(ほっとけ!)
「そういえば、この近くに新しい口入屋ができたのよ。行ってみれば?玉ちゃんは私が預かってあげる」。

久太郎が壁を見る。
値段表が改正されている。
(んん?おおっ。猫預かり、半日30文。また値上げ!こいつ…!)

久太郎の視線にお七は「何よお」と言った。
「これで仕事が決まれば、安いもんでしょう。さあ早く、行った行った!」
久太郎を送り出し、玉之丞を抱っこしながら、「がんばってねえ!行ってらっしゃあい!」と手を振る。

口入屋の看板には、ぴんはね、と書いてあった。
(ぴんはね…。えげつない名前だなやっぱり帰ろう)
踵を返した久太郎の背中に、店から出てきた主人が「旦那!仕事をお探しですか!」と声をかけた。
「お侍様にピッタリな仕事を取り揃えております!」

そう言って、久太郎の前に回ると、その顔にびくっとなるがすぐに笑顔になると「どうぞどうぞ」と店の中に招き入れた。
「亭主の天引と申します。先ずはこの、登録帳にご記入願います」。
(名前…、斑目久太郎。年、47)

「47!結構行ってらっしゃるんですねえ」。
(大きなお世話だ)
(経歴、元加賀藩、剣術指南役、無双一刀流免許皆伝)。
それを見た天引屋の主人は、「おお、おお、それはすごい」と感心した。

「どうしておやめに?」
(まあ、一身上の都合)
「ああ、首、ですね」。
(たっ、失礼だなこいつ!)

(好きな食べ物。んん?ようかんだな)
その答えを見ると天引屋は、「ぷっ。甘党ですね」と吹き出した。
(いちいち!)

(自分を動物にたとえると。うん…、トラ。いや、イヌワシかな。…この質問、(就職に)関係あるかな?)
「ところで、どういったお仕事をお探しで?」
(剣術指南役)
「いや、いやいやいや、無理ですよ。もうちょっと妥協していただかないと」。

「あははは」と笑いながら、「そうだなあ、用心棒なんかいかがでしょう。その怖い顔だ、立ってるだけで相手が逃げ出しますよ」と言った。
(怖い顔は生まれつきだ!)
「そう、その怖い顔!用心棒にピッタリだ!間違いない!」
(こいつ…)

久太郎は黙ったまま、店を出る。
「あ、ちょっとお待ちを!斑目さまー!」
その名前を聞いて、店先で腰掛けていた武士が立ち上がり、後を追いかけてくる。

路地で久太郎を見つけたその太った武士は、「お待ちください!」と言った。
「拙者、戸田藩士、小野寺信吾と申す。失礼だが、おぬし、斑目久太郎殿か」。
「うむ」。
「おお、そうか。剣の達人との噂だが、それはまことか」。

ハエが飛んでいる。
久太郎は答える代わりに刀を抜き、閃かせ、鞘に収めた。
「ん?」

小野寺は気が付かない。
(ん!)と久太郎は心の中でつぶやく。
だが、小野寺は気が付かない。

(ふん!)と、久太郎が地面に向かって視線を送る
「ハエ?」
小野寺が地面を見る。
「羽が切れてる。まさか今ので?お見事!」

(えっへん)
「その見事な剣の腕、我が藩にて生かすつもりはないか?」
(きたーっ!)
久太郎は心の中で叫んだ。

その頃、お七は玉之丞をブラッシングしながら、「相変わらず良い毛艶してるわねえ」と言った。
「私も分けてほしいわあ」。
玉之丞をとかしていた櫛で、自分の髪をとかす。

小野寺の屋敷で、久太郎は「息子に剣術を教えてほしい」と言われていた。
それも、子供向けではなくびしびしと教えてほしいと。
成果が上がれば、剣術指南役に推挙すると言われた。
(剣術、指南役…)

久太郎の顔が、思わずほころぶ。
(いかんいかん、気合。気合)
「貫太郎!」と小野寺が自分の息子を呼ぶ。

「父上、貫太郎です」。
まだ年端も行かない子供がやってくる。
「こちらは斑目久太郎殿。今日からお前の師匠だ」。

貫太郎と言われた子供は、久太郎の顔を見ると途端に泣き出した。
「顔が怖い!」
(へっ?)
「鬼みたいだよ~」。

小野寺がうろたえる。
(お、鬼?まずい、いかん)
久太郎も内心、あわてる。
(し、しまった!ええ。えええええ。やってしまったのか…)

話はなかったことになった。
その帰り、久太郎は再びあの、美少年がいた芝居小屋の前を通った。
(猫又座?)
「斑目さま!」

声がして、中から、あの美少年が出てきた。
(あ、またあいつだ)
(え?こっち来た。おっ、来た)

美少年は、久太郎の前まで近づいてきた。
(何か、怖い…)
「なぜお逃げになるのです」。
(だから、誰?)

「拙者、職を変えたでござる」。
(誰だ?)
「私ですよ。ほら」。

美少年はそう言うと、手にした扇子で手のひらにすらすらと書く仕草をした。
「ひい爺ですよ!」
(ひい爺?)

久太郎の脳裏に、猫と一緒に裏路地に座っていたあの老人の姿が蘇った。
(ええええ?ジジイ?まじ?!)
「その節はいろいろお世話になりました。絵描きをやめて、今は役者の世界で生きております」。

(理解不能!)
「すべてはあれのおかげです」。
ひい爺だった美少年が指差す先には、一軒の店があった。
(整形?)

「私は生まれ変わったのです。ひい爺から、相崎すみれの助」。
そして袖をめくり、力こぶを見せた。
「青春を取り戻します!」

「座長、そろそろ」と、男が呼びに来た。
「ちょっと待ってておくれ」。
そして、「さらば。お名残惜しいが、これにて失礼!」とポーズを決めて去っていく。

(なんだ、いちいち?)
(えええ?なんだ、あいつ?)
整形屋と書かれた店の看板を見て、(さらば、さえない私?ううん?)とつぶやく。

「いらっしゃいませー!」と、店の中から、青年が出てくる。
「いかがですか、整形!人生が変わりますよ!」
しかし久太郎は、あわてて逃げていく。

その夜。
「そば、そば~。いつもあなたのそばに~」と呼びかける夜鳴きそばの屋台があった。
そこで、同心と岡引きがそばを食べている。

「あちちち」と同心が、そばから口を離す。
「だんな、猫舌ですか?」
「うるさい!」

岡引きの問いに起こった同心だが「あちちち」とまた、そばから口を離す。
くすっと岡引きが笑う。
「あっちい!」

同じ夜。
長屋。
玉之丞は、ざるの中。
(人生は変えられる、か…。ううん)と、久太郎は考えていた。

布団をはがし、座り、玉之丞をざるから取り上げる。
玉之丞の顔を見て、抱きしめる。
そして思案する。

翌日、久太郎はまた、猫又座の前を通る。
整形屋の前で、足を止める。
(何が整形だ、まったく)

「そうそうそう、その怖い顔。用心棒にピッタリだ」と天引屋の主人は言った。
「顔が怖い」と、小野寺の息子は泣いた。
「青春を取り戻します!」と、ひい爺は力こぶを見せた。

(ばかばかしい!)
(うん?)
1人の老婆が、整形屋に入っていく。

(ま、まさか)
「いらっしゃいませえ!」という声がした。
(うん?)
「ありがとうございましたー!」

(早や)
久太郎の前を、整形屋から若い女性が出て行った。
(えええ、ええ?ぴちぴち?!)

(まじ?)
(んん?)
信じられない思いの久太郎の前を、ひい爺だった美少年が「みんなついておいで!」と言って走っていく。
女性たちがその後を追いかけて走り、久太郎が巻き込まれる。

その嵐が去った後、久太郎は「玉之丞?」とびくの中に呼びかける。
びくの中は、空だった。
あおん。

玉之丞の声がする。
「玉之丞!」
玉之丞を探して、久太郎が整形屋の中へ入る。

「いらっしゃいませ!」
「違う!」
「どうぞこちらへ!」

「やめろ!」
久太郎が叫ぶ。
「あああああーっ!」と悲鳴が聞こえる。
ばたん、がしゃんと音がする。

「玉之丞、俺だ玉之丞!」
玉之丞が逃げていく。
「玉之丞、玉之丞!俺だーっ!」
叫ぶ久太郎の顔は、まったくなさけない顔に変わっていた。

一句。
鬼面と 言われ続けて 四十七 うれしはずかし つかの間の夢



もはや、時代劇でもなんでもないと言いましたが、このことか~。
閑話休題の回かな。
玉之丞の愛らしさはますます、パワーアップ。

前回より表情がリラックスしていて、撮影にも慣れた感じがします。
良い表情が撮れてます。
あんな目で見られたら、食事譲りますね。
久太郎の職探しも、スタート。

しかし、ひい爺の若返りはわからない。
あんな技術は、現代にもない。
整形って、どーいうこと。
つかの間の夢ということは、期間限定のような気がする。

かる~く見られるお笑いの回。
玉之丞の愛らしさを愛でる回。
しかし、久太郎がめざしで、妻子がうなぎってかわいそう。

お静の実家がいいのかな。
それでお静さんが、おっとりしているのかな。
お七こと、高橋かおりさんが綺麗ですね~。
高橋さんの楽しそうな笑顔が見られるのも、猫侍の楽しいところかな。

久太郎の表情も、パワーアップ。
北村さん、顔の筋肉すごい動くなあ。
今回はストーリーは進展なかったですが、 久太郎の心の声と表情に笑わせてもらいました。
シーズン2は、2人でいろんな人と関わり、いろんな経験をして、人の人生を見ていく物語みたいですね。


スポンサーサイト

コメントの投稿

Secret

お久しぶりです。

「猫侍」……実は全く知りませんでした。
こちらのご紹介で知り、あわてて無料配信で第1シーズンを一日で一挙に観ました。

一瞬で玉之丞の可愛さに心を奪われました。北村さんの表情と心の呟きも楽しく、大ファンになってしまいました。

第2シーズンも楽しみです。
ただ、第1シーズンのときのしっとり感も味わいたいなと思っています。(あまりにぶっ飛びすぎなので……)
前シーズンでは、自然の効果音(蜩の声とか)がずっと使われていて、良かったんですが……。

とにかく玉之丞の名演技と、あの可愛い目には「何でも許される」感じです。

ありがとう!e-464

お夕さん

>お優さん

お久しぶりです!
コメントありがとうございます。

>こちらのご紹介で知り、あわてて無料配信で第1シーズンを一日で一挙に観ました。

そうだったんですか。
ありがとうございます。

>一瞬で玉之丞の可愛さに心を奪われました。北村さんの表情と心の呟きも楽しく、大ファンになってしまいました。

かわいいですよね、また玉之丞のかわいらしさが実に自然に、ちゃんと撮れているのに驚きです。
北村さんの「ねこっ…、ねごをがいだいっ!」の叫びが忘れられません。

>第2シーズンも楽しみです。

もう、パワーアップしてました。

>ただ、第1シーズンのときのしっとり感も味わいたいなと思っています。(あまりにぶっ飛びすぎなので……)

コワモテで、武士として生きること以外は考えられない不器用な男が、小さな猫にデレデレになっていく過程。
主人が好きで猫に嫉妬しながら人間らしさを捨てきれなかった番頭。
このあたりの絡み方が猫を愛でるだけのドラマではなく、実にうまかったですね。

>前シーズンでは、自然の効果音(蜩の声とか)がずっと使われていて、良かったんですが……。

時代劇の魅力は季節を感じさせてくれるところにもありますもんね。
今回は雪の中の白猫から始まったので、春への移り変わりが出てくれるといいなと思っています。

>とにかく玉之丞の名演技と、あの可愛い目には「何でも許される」感じです。

玉之丞のあの目で、にゃーと言われたら、もういいや!ってなりますよね。
あなごさんを主演にしたキャスティングの勝利です。

コメントありがとうございました。
第3話を見た時、やっぱり紋次郎の影響ってやはりすごいんだなって思いました。
見て憧れた世代が作り手になっていますね。

茶色の猫さん

>茶色の猫さん

いえいえ、こちらこそ読んでくださって、コメントありがとうございます。
3話、ちょっとしんみりしました。
さすが清水さんです。
プロフィール

ちゃーすけ

Author:ちゃーすけ
癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブロとも一覧

本も映画も文具も、いいものはいい!

LEVEL1 FX-BLOG
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード