銀座のママ物語と言うと、演じる女優も生活感がない美女ばかり…と思いますが、あの市原悦子さんも演じたことがあります。
タイトルとかは忘れてしまったし、かなり前の2時間ドラマでしたが、さすが市原さん。
庶民的なキャラクターが得意な市原さんですが、ちゃんとママに見えました。

このママ、男を何人も破滅させている。
そんなママには娘が1人いて、娘は母親の生き方を嫌っている。
結局、娘は母親とはケンカの果て、出て行ってしまう。
もう少し、うまくやれたらよかったのに、と娘自身、寂しそうに言って。

ママは店で雇った、新人ホステスと馬が合った。
行くところがない彼女を家に泊める。
自分を否定し続けた娘と違い、彼女はママを尊敬していた。

ある夜、ママに貢いで破滅した男がママを襲った。
ホステスはママを守った。
男は自分で勝手に破滅したのだと、ママは言う。

ママとホステスは、2人はまるで親子に見えた。
かわいがっている小型犬と、ママとホステスの暮らしが始まる。
ママはホステスに、店の経営や男のあしらい方まで教える。
自分の娘がこのホステスのようだったら、ママはこうしていたことだろう。

ママにはかわいがっていた、かなり年下の恋人がいた。
その恋人のため、店の拡張のため、ママは借金をする。
相手は真っ当な筋の人間ではなかったが、ママは「返せないときは体で払うわよぉ!」と啖呵を切った。
その話をホステスに得意げにするママ。

しかし、破滅はすぐにやってきた。
そしてその借金は、ママから店を取り上げるためのワナだったのだ。
取り上げられた店は、何と、あのホステスのものになった。
さらに男はママの影で、ホステスと恋仲になっていた。

怒りで震えるママに、ホステスは言った。
勝手に破滅したんでしょ、と。
そしてサラ金のボスも、ママの恋人も、みんな私のご機嫌を取ろうとしていろんなことをしてくると言った。

いい年してるのにね、と、彼女はキュートに笑った。
怒りのあまり、ママはナイフを手にしてホステスを刺した。
ホステスは腰の辺りを刺され、ソファに崩れ落ちた。
そして数ヵ月後。

ママの店は、ホステスをママにして華やかにオープンした。
刺されたホステスは軽傷で、何のダメージもなかった。
たくさんの花が届き、男たちを迎えてホステスだった彼女はママと呼ばれて華やかに笑っていた。
ママの恋人も、サラ金のボスも、かつてのパトロンも彼女の周りにいた。

病院の掃除をしている、掃除婦がいた。
床を掃除していた掃除婦は、救急患者を運ぶ医師と看護師に突き飛ばされた。
それでも掃除婦は、ぼんやりとしていた。

掃除婦は、ママだった。
住んでいた場所は、豪華なマンションから狭い古いアパートに変わっていた。
帰ってきたママを迎えたのは、犬だけだった。


市原悦子さんがママで、ホステスは甲斐智恵美さん。
無邪気な悪意が出てて、良かったです。
年下の恋人は、国広富之さんでした。
たぶん、佐藤慶さんも出ていたと思います。

「こんな手に引っかかるなんて…」と思うような手口だったと思います。
でも娘との関係が、ママに微妙な影響を与えていたのかもしれないなと。
だから娘のように付き合っていたホステスと、年下の恋人に良いようにだまされたのかも。

市原さんが、ものすごい落差を演じるんです。
最後に徹底して、本当に惨めで抜け殻になったママ。
それと対照的に華やかに笑うホステス。
ママの一撃は、彼女に何のショックも与えていなかった。

迎えるのは、犬だけ。
すっかり萎れた市原さんは、ぼんやりした初老の掃除婦以外には見えない。
見かけのすごさというより、気力が抜けてしまっている。
生命力がない人を見た衝撃がありました。

かろうじて彼女を世の中につなぎとめているのは、あの犬だけなのだろう。
逆に、犬だけは、本当に彼女自身を好きでいてくれる。
彼女に付属しているものとか、本当に関係ない。

タイトルも何も忘れてもこれだけ覚えているんですから、話はもちろん、市原さんはじめ、俳優さんたちの演技が良かったんでしょうね。
このまま、あの人は朽ち果てるのだろうか…と思わずにはいられない。
娘が帰って来て、母親を非難しながらも、支えてくれと思わずにいられない。

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2015.05.08 / Top↑
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