砂塵舞わせろ!用心棒

仲代さんの話を読むと、昔の監督はすごいって言うか、映画の作り方のすごさに驚きます。
黒澤監督の「用心棒」。
舞台となる宿場町には西部劇のように風が吹いていましたが、あの風に舞う砂塵。
あれは砂と、きな粉と、塩だったそうです。

撮影が冬だったので、霜が立たないように塩を入れたらしいんです。
これが、目に入ると痛いこと痛いこと。
目を開けていられないんだそうですが、黒澤監督は「目を開けてろ」と言う。
いや~、難しいことをさらっと、要求しますね。

あの映画の仲代さんは首にマフラーを巻いて、連発銃を持っていました。
それに対して批評家が、ありえないと批判した。
すると黒澤監督は、それは誰が言った?と聞いて、直接話に行ったそうです。

あり得ないと言うけど、幕末で外国と貿易のある港町なら手に入ったんだ。
マフラーだって、卯之助はおしゃれだったから、身につけていてもおかしくない。
監督はそう説明したけど、卯之助の設定の理由は本当は違うんだそうです。

時代劇をやる俳優さんの首って、短いらしいんですね。
猪首。
だから着物や鎧が似合う。

ところが仲代さんは首が長く、細い。
黒澤監督は「首が短いのが良いなあ」と言う。
目を開けろ!には何とか応えられても、これはどうしようもない。
だから長い首を隠すために、仲代さんにあのマフラーをさせたそうです。

でも黒澤監督は、外部の人にはそういうことは言わなかった。
仲代さんの首を隠すために、マフラーさせたとは、言わなかった。
そういう人なんです、と仲代さん。

黒澤監督は映画のテーマについて聞かれても「テーマなんてない。俺は俺の撮りたいものを撮るだけだ」って言っていた。
だけど、テーマはあるんですと仲代さん。
言わないだけ。

監督が言いたいことを見るのではなく、その人の感覚で見て欲しいから。
俳優にも、自分の感覚で演じてもらいたいから。
だから言わない。
テーマ言ってもらうと、俳優としては楽みたいですが。

「用心棒」はというと、「どうしたら街からヤクザがいなくなるだろう」って考えてできた映画なんだそうですね。
「それにはヤクザ同士をケンカさせたらどうだろう?」
「用心棒」は、そんな黒澤監督の考えからできた映画。

黒澤監督は、メチャクチャなことも言うし、やる。
けれど、やっぱり俳優さんやスタッフには尊敬される。
人をがんばらせることをさせられる人だったんだなって、思います。


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俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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