政吉とおせいの親子。
ろくでなしの蕎麦屋の亭主の半兵衛と、文句を言いながら支えるお春という男女。
仕事屋組織の崩壊も衝撃ですが、この人間関係の崩壊が切ない。
この時代はよく、物語の世界をとことん崩壊させて終わりましたが、これはもう、すごかった。

最後に、親としての情に負ける元締め。
相棒をとことん助けながら、最後はすべてを捨てて殺し屋として旅立つ半兵衛。
ヤクザな遊び人だった政吉は元締めとの親子の絆を沈黙のままに守り、殺し屋の掟を守って死んでいく。
仕事屋としての自覚に欠けると言われ続けた2人に守られて、元締めのおせいは生き延びる。

つらかったですね。
その前にも半兵衛と政吉が、旅先での後味の悪い仕事を終えて帰ってくるシーンの回がある。
蕎麦屋の前で半兵衛が「じゃ」って言って、別れる。
あ、そうか…って顔をした政吉は歩いて行く。

しかし、ふと立ち止まると、来た道を引き返して行く。
その時の政吉の、ヤクザっぽい、肩を揺らした後姿に行き場のないものすごい孤独感が漂っている。
旗本の養子になった政吉が、どうしてヤクザになっているのか。
この背景が一切明かされないだけに、重さが増す。

林さんの演技は、大してつらそうな顔もみせていないんですが、もうどうしようもない孤独がにじみ出ている。
この年齢の林さんだからできた演技かもしれません。
外道殺し屋との抗争や、奉行所からの追求、強敵との戦いで組織が崩壊するラストはありますが、「仕事屋」はそれはきっかけに過ぎない。

「仕事屋」の衝撃は、人間関係の崩壊のすごさ。
いつもどんでん返しの仕事屋らしく、最終回は親子の関係も、男女の関係も、元締めとちょっと自覚の足りなかった殺し屋も、すべての関係がひっくり返って終わる。
政吉の後ろ姿に感じた寂しさ、切なさが数倍強くなって、「仕事屋」は終わります。



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2015.08.19 / Top↑
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