よぅし、わかった! 加藤武さん

俳優の加藤武さん。
私の世代では映画「犬神家の一族」や「悪魔の手毬歌」などの横溝正史原作の映画で、警察署長や警部さんとして有名でした。
勝手に「よぅし、わかった!」と手を打つ。
そして「犯人は珠代だ」と、見当違いの見立てをする。

これが毎回のお約束。
楽しみだったんですね。
サスペンス劇場で検事局長の弟と間違えて警察に引っ張られ、後で刑事さんたちが謝るシーンがないとつまらない。
そんなお約束。

この加藤さんが、実はすごい実力の俳優さんだと知ったのは、子供だから後でいろんな日本映画の名作を見てから。
身近で言えば、「必殺」シリーズの「助け人走る」16話。
この話、妹のしのと、恋人のお吉を人質に取られた文十郎の一瞬の大逆転があったり、話としてもかなりおもしろい。
加藤さんは、スリの親分にして岡引きの仙八を演じていました。

たくさんのスリの女性を縛り付ける悪党。
鮎川いずみさん演じるスリの女性・おようが、好きな男性・定吉のために抜けたいと願う。
そのため、彼女はスリができないように自分の手を傷つけた。
だがそんなことを仙八が許すわけもなく、おようは定吉の命と引き換えにもう一度スリに戻ることになる。

しかし、おようは仙八の前で茶碗を落とす。
手が使い物にならないなら、おようも定吉も殺されてしまう。
おようはまだ立派に仕事が出来ると、親分に懇願。

仙八は、それなら自分が街を歩く間に財布をすってみろと言う。
もしできなければその時は…。
おようは死ぬ思いで、仙八を待ち伏せする。
この緊張感。

ついに仙八の懐に、おようが手を伸ばす。
だが仙八は、おようの手をつかむ。
失敗だ。
おようの絶望的な表情。

それをあざ笑う仙八こと、加藤さんの笑み。
凶悪で、無慈悲な笑み。
凄みがある。

微笑がこんなに、こわいなんて。
あれが、「よぅし、わかった!」の人だなんて。
良い俳優さんだなあ。

その時、紫煙と、助け人のテーマソングとともに鬼の形相で現れたのが中谷一郎さんの平内さん。
このタイミング。
まさに助け人!

平内さんのキセルから抜いた針が、仙八の首筋にグッサリと刺さる。
仙八の笑顔は、凍りついた。
息を呑むおようを支える平内。
2人が仙八を見送る。

仙八がゆっくり、ゆっくり歩いていく。
機械的に。
そして倒れる。

人々が集まってくる。
病気の突然死。
この迫力あるシーンは、加藤さんの名演によるものです。
加藤武さん、長い間ありがとうございました。


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