柴田昌弘さんが少女マンガ雑誌に描いた「成層圏のローレライ」。
名前忘れたので登場人物は適当に名づけました、すみません。
手元にマンガもないし、何となく覚えているような名前です。
ごめんなさい。


飛行機の墜落事故が発生し、ボイスレコーダーが回収された。
ボイスレコーダーの記録には、機長はじめ乗務員の笑い声が残っていた。
乗務員全員が発狂した…?

客室乗務員の紀子は、持病のため気圧の変化により気を失ってしまう。
症状は隠しおおせるものではなくなっており、親友はフライトを交代してくれる代わりに仕事を辞めるよう進言していた。
だがその親友が乗った機が、今度の事故にあった。

同僚達は紀子に「今度フライトを代わる時は言ってちょうだい。私もやめるから」などと悪意のある言葉を浴びせた。
パイロットの航一は、紀子をかばう。
紀子は事故でなくなった恋人の代わりに、空を飛ぶ夢を持っていたのだった。
その夢を、今度のフライトで終わらせる。

決心して乗った最後のフライトに、ある双子の兄弟の1人も乗っていた。
この双子は兄は眼が良く見えない。
弟は耳が聞こえない。
2人はテレパシーにより、互いの見えない目、聞こえない耳を補える能力を持っていた。

フライトの最中、紀子はやはり、突然気を失ってしまった。
その時、大空の禁断の一角に、飛行機は進入するところだった。
機内に、ゴーという音が響く。
そしていきなり、オペラを歌うような女性の歌声が鳴り響く。

「聞くなっ!この声を聞いてはいけない!」
機長は叫んだが、すでに遅かった。
乗客乗員、この女性の歌声を聞いた者は精神のバランスを失い、大声で笑うと失神した。

紀子が目覚めた時、乗客も乗員もすべて、失神している。
このままでは、この前の飛行機と同じ、墜落する。
愕然とする紀子の前に、双子の弟が現れた。
彼もまた、歌声を聞かずに済んでいたのだ。

地上で弟の手術の成功を祈っていた兄は、弟の異変に気づいた。
紀子は双子の力を借り、地上の航一の指導に従って、飛行機を着陸させることに全力を注ぐ。
乗客の命を危険にさらす恐怖に耐えられないと言う紀子に、航一は好きだ、生還してほしいと訴える。
無謀な試みは成功し、飛行機は生還する。

…と、まあ、突っ込みどころはあるマンガですが、当時は最後まで一気に読みました。
この無謀な試みは成功し、全員無事に生還します。
その歌声を聴くと、船は難破するというローレライの歌声にちなんで、この空域は「ローレライ」と名づけられる。
「大空にはまだ、人間が踏み込むことを許さない、禁断の空域がある」というラスト。


この話には続編がありまして、航一が滞在先であるジプシーの占い師に言われます。
「大勢の人間が死ぬ。赤い子猫が死を呼ぶ。あんたが死を運ぶ」と。
だが航一は、今週の占いで自分はついていると出ていると言って、取り合わない。

友人で客室乗務員のフューリーという女性が航一に思いつめたように、相談があると言う。
その頃、滞在している客室乗務員達が次々、誘拐されていた。
一方、航一と約束の時間にフューリーは現れなかった。
航一は副操縦士としてフューリーとフライトに出る前に、話は何かと聞くがそれはもう解決したと言われた。

誘拐されたはずの乗務員達も、全員揃っていた。
航一はふと、気になる。
赤い子猫が死を呼ぶ。
フューリーの髪は、赤い…。

その頃、運河にはフューリーの全裸死体が、身元不明者として浮かんでいた。
フライトに出てしばらく。
この機の客室乗務員のあまりの態度の悪さに、乗客が文句を言い始めた。

パーサーがたしなめようとすると、客室乗務員達は全員、ピストルを向けてきた。
客室乗務員がハイジャック?!
「私たちは赤い子猫」。
フューリーは日本政府の代表者を出せと言う。

この機には原爆が積んである。
2千億円用意しないと、原爆を日本の上空で爆発させる。
とんでもないことになったが、10人を全員、一気に取り押さえるのは無理だ。
下手をすれば、原爆のスイッチが入ってしまう。

その時、航一が言う。
前方に乱気流。
航路をそれます。

機長に、航一が告げた変更先。
それはあの、ローレライの空域だった。
機長と航一は、言い争いを始めた。

腰抜け機長。
ひょっこが!
その言葉に機長は航一を殴り飛ばし、航一は気絶した。

だがフューリーは機長の様子がおかしいと思い始める。
「何をジグザグに飛んでいるの?!」
「航路を元に戻しなさい!」

その時だった。
ゴーという音が,機内に響いた。
そして、オペラを歌うような女性の歌声。

「なっ、何、この声は?!」
女性の歌声が機内に鳴り響いた。
ハイジャックしていた乗務員は全員、気が狂ったように笑い、そして失神した…。

目覚めた航一は、「ありがとう、ローレライ!」と叫ぶ。
だがなぜか、原爆のスイッチは入ってしまっていた。
「どこにいる、赤い子猫!お前の計画はもう、失敗した!」
しかし誰も応えない。

日本政府は航一に、このまま日本の領域に入らせるわけにはいかないと伝えた。
もし、このまま入ることになれば、撃墜するしかない。
しかし自衛隊の爆弾処理班が、機に向かっていた。
タイムリミットは2時間。

だが決死隊が到着するには、2時間を切ってしまっていた。
帰るように命令されるが、処理班は「今さら戻れるか!」と計画を決行。
原爆のタイムリミットを示す時計は、3分を残し、沈黙した。

正気に戻ったフューリーたち、客室乗務員。
彼女達はみんな、誘拐された時、催眠をかけられていた。
原爆には時限装置が設置されており、いずれにしても爆発することになっていた。
さらにそこからは電波が出ており、客室乗務員達はそれに操られていたのだった。

「機械に操られていたのね、私…」。
航一にフューリーが言いたかったこと。
行方不明だった姉が突然、現れた。
「姉さん、私と同じ顔だったの」。

姉は何かの組織と関係ができ、客室乗務員の妹そっくりに顔を変えていた。
しかし姉とは連絡が取れなくなってしまった。
フューリーはそのことを航一に相談したかったのだ。

だが目的が大量殺人と知った姉は、妹に知らせようとしたらしい。
運河に浮いていたのは、姉の死体だったのだ。
このとんでもないテロを仕掛けた組織、および国家は判明しなかった。

紀子との婚約をフューリーに知らせた航一。
笑顔のフューリー。
航一は言った。
「結局、占いは全部当たったんだよ。俺はついていたのさ」。

祝福しながら、フューリーは思った。
一緒に、搭乗員を目指す学校にいた時から、変わらないのね、航一。
あなたが大好きだったわ。


こちらも突っ込みどころは満載なんでしょうが、おもしろかった。
ローレライがハイジャック犯を全員、気絶させるところなんて迫力。
話はこの後も展開がありますが、やっぱりここがクライマックスです。

ローレライとハイジャック、うまい展開だと思いますね。
「成層圏のローレライ」で、ローレライはたくさんの犠牲者を出す災いの源。
それが次の「赤い仔猫」では、人を助ける。

しかしローレライ自身はただ、そこに存在しているだけ。
人間が、ローレライの周りで動いているだけ。
そんな設定も含めて、優れたサスペンスだと思います。

今でもパニック映画としてできそう。
でも、飛行機については、安易なものは作れませんね。
30年以上前の作品。
もう一度、読みたいです。

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2015.09.27 / Top↑
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