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大河ドラマ「勝海舟」の以蔵
2016/03/09(Wed)
このところ、時代劇専門チャンネルで、毎週、「総集編で見る大河ドラマ」を見ています。
ものすごい久しぶりというか、もうほとんど初見に近い。
NHKの大河ドラマ「勝海舟」を、総集編で見ました。

渡哲也さんが勝海舟だったと思ったのが、途中で松方弘樹さんになって、その理由がわからなかった。
自分の勘違いだと思ってました。
松方さんも良かったですが、渡さんも相当に良かった。
渡さんの海舟も、見たかった。

「勝海舟」でたびたび話題になるのは、若き日の萩原健一氏の岡田以蔵。
人斬り以蔵です。
萩原さんこと、ショーケンについては私よりこの方に書いてほしいという方がいらっしゃる。
この方が書くべきではと考えているのですが、これはやっぱり良かった。

「龍馬伝」で佐藤健さんが、哀しい以蔵を演じて印象に残りました。
この「哀しい人斬りの若者」の元って、ショーケンの以蔵なんじゃないでしょうか。
教養もなく、身分も低い以蔵の武市半平太に対する尊敬と献身が、空回りする。
「斬ってくれないか」ではなくて、「斬れ」と言ってくださいと以蔵は言う。

その以蔵に命じられた人斬りは、勝海舟だった。
武市先生も偉い人だが、勝先生も偉い人だ。
そして、勝先生のことは大好きだ。

張り裂けるような思いで、勝に会いに行く以蔵。
斬れない。
勝について夜道を行く以蔵は、逆に襲ってきた刺客を斬り伏せてしまう。

すべてをわかっている勝は、以蔵にここから離れろと言う。
やがて以蔵は捕らえられ、土佐に引き渡される。
散々、汚い仕事をさせられた挙句。

その様子を知った勝の心は、痛む。
以蔵は籠に乗せられ、まるで家畜のように運ばれる。
籠の隙間から勝を見た以蔵は、知らない人だと言う。

役人は、あれほど恩を受けた奉行に対して、無礼だと怒る。
でもそれは以蔵の勝に対する、迷惑をかけまいとする精一杯の思いなのだった。
それがわからない勝ではない。

以蔵を救えない。
蔑まれ、動物のように殺される以蔵。
救えなかった。
人を斬るのは、楽しいか。

以蔵は、そう聞かれた。
だが以蔵の目は決して、血に飢えてもいなかった。
楽しそうでも、充実感に溢れてもいなかった。
ただ、ただ、哀しく、寂しそうだった。
人を斬ることでしか、以蔵は尊敬する相手に尽くせないと思っているようだった。

でも、自分が相手を思うほど、相手は自分を思ってはいない。
わかっていながら、以蔵はそうするしかなかった。
その先に破滅が待っているとわかっていても、そこに向かって行くしかなかった。
ショーケンには、以蔵ってこういう青年だった!と思わせる力があった。

以蔵は、ショーケンみたいな青年だったんじゃないか?
いや、ショーケンがこの時代にいたら、以蔵になったんじゃないか?
勝のような大人と、もう少し早く、以蔵が出会えていたなら。
そんな以蔵は、悲しく、切ない。

歴史を扱う大河ドラマ。
その放送された時代の俳優さんも、時代の空気も感じることができる。
過去のドラマはいろんな意味で、ちょっとしたタイムマシーンになります。


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コメント
- ご病気による降板だったはず…です -
ちゃーすけさん、ご無沙汰しております。
私も大河総集編、用事をしながらながら見をしておりますが、
各作品のオープニングのキャスト一覧に、毎度のけぞっております!!
もうどんだけ豪華なんですか!っていうね!!
皆さん当然お若いわけですが全然チャラついた感じが無く、
役者として、また役柄としての存在感(オーラ)を醸し出されていらっしゃって。
そんな役者の力を十二分に引き出すスタッフの力も大きかったのでしょう。
翻って現在のドラマ制作の現場…。
時間だのお金だのと色々言われてますが、それだけではない原因がある気がいたします。
やっぱり現場の熱は画面を通して伝わると思うので…。

当時の珍しくなかった現状…VTRが高価な為、放送終了すれば上書きで次の映像を撮る…

その結果、局にも映像が無い、二度とお目にかかれない名作が大河に限らず多々あるというのは、
何とも悔しくホント勿体ないですよねぇ…。
春日太一氏が、今秋予定でNHKの大河や他時代劇作品についての本を出される予定だそう。
まだかなり先ですが、購入しようかなぁと思っております。

あ、タイトルは、渡海舟から松方海舟になった理由です。むか~し昔、母から聞いた記憶があり^^;
2016/03/10 12:31  | URL | まっきー #-[ 編集] ▲ top
- まっきーさん -
>まっきーさん

こちらこそ、また来てくださってありがとうございます!

降板の理由は、病気ですか。
教えてくださってありがとうございます。

>私も大河総集編、用事をしながらながら見をしておりますが、
>各作品のオープニングのキャスト一覧に、毎度のけぞっております!!

すごいキャスティングですよね。
お1人で主役のドラマ、映画ができる俳優さんがズラリと。

>もうどんだけ豪華なんですか!っていうね!!

こんな贅沢な時代があったんですねえ。
その中にいる時はわかりませんでしたよ。

>皆さん当然お若いわけですが全然チャラついた感じが無く、
>役者として、また役柄としての存在感(オーラ)を醸し出されていらっしゃって。

いつも驚くのは、当時の年齢を聞いて。
この完成度の高さ、成熟度は何なんだろうと思います。
今の自分より年下だなんて!
それでこれだなんて!
人生、無駄に生きていないなあなんて、自分を反省したり。

>そんな役者の力を十二分に引き出すスタッフの力も大きかったのでしょう。

「必殺」もそうですね。
個性を引き出し、最大限に魅力的に見せる。
スタッフの情熱と才能を感じます。

>翻って現在のドラマ制作の現場…。
>時間だのお金だのと色々言われてますが、それだけではない原因がある気がいたします。
>やっぱり現場の熱は画面を通して伝わると思うので…。

現場にいる人間ではないので、何が起きているのかは想像するしかないのですが…。
チャンレジとか、実験的なことが許されない。
必ずヒットさせなくてはいけない。
すると、ることは決まってしまう、ということは良く指摘されていますね。

いくら実力があるとわかっても、当時無名の人を主役にするとか、今までホームドラマをやっていた俳優さんや喜劇俳優だった人に殺し屋をやらせるとか。
確かに、そんなことは許されなくなってきます。
納得いくまで作ろうと思っても。時間も許されない。
でもヒットはさせなくてはいけない。

するとそこそこ当たりそうなもの、一定数見てくれる人がいそうなものを作っておこうという気持ちになる。
誰も見たこともないようなものを作ろうという気持ちもなくなってくる。
そうすると今度はその一定数以外の人は見なくなる。
予想としてはこんな感じに思えますね。

今、よく「ターミネーター」の1と2を見るのですが、この映画もやはりすごいです。
1は低予算だそうですが、それを超えて余りあるすばらしさ。
シュワルツェネッガーをターミネーターにするキャスティングのセンス。
2は潤沢な予算がありますが、少年ジョン・コナーや新型ターミネーターT-1000のキャスティングなどやはりセンスも抜群です。

映画って何だろう。
ドラマって何だろう。
そう思います。

>当時の珍しくなかった現状…VTRが高価な為、放送終了すれば上書きで次の映像を撮る…
>その結果、局にも映像が無い、二度とお目にかかれない名作が大河に限らず多々あるというのは、
>何とも悔しくホント勿体ないですよねぇ…。

これにはビックリでした。
NHKが?!と。
幸い、ファンの方や出演者の御家族が録っていてくれていて、今日の放送に至ったものがあるとか。

>春日太一氏が、今秋予定でNHKの大河や他時代劇作品についての本を出される予定だそう。
>まだかなり先ですが、購入しようかなぁと思っております。

それは読みたいです。
春日氏は厳しい指摘もしますが、うなづけるものも多く、時代劇への情熱を感じさせます。

コメントありがとうございました!
2016/03/13 00:53  | URL | ちゃーすけ #la5PUrQg[ 編集] ▲ top
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