このところ、時代劇専門チャンネルで、毎週、「総集編で見る大河ドラマ」を見ています。
ものすごい久しぶりというか、もうほとんど初見に近い。
NHKの大河ドラマ「勝海舟」を、総集編で見ました。

渡哲也さんが勝海舟だったと思ったのが、途中で松方弘樹さんになって、その理由がわからなかった。
自分の勘違いだと思ってました。
松方さんも良かったですが、渡さんも相当に良かった。
渡さんの海舟も、見たかった。

「勝海舟」でたびたび話題になるのは、若き日の萩原健一氏の岡田以蔵。
人斬り以蔵です。
萩原さんこと、ショーケンについては私よりこの方に書いてほしいという方がいらっしゃる。
この方が書くべきではと考えているのですが、これはやっぱり良かった。

「龍馬伝」で佐藤健さんが、哀しい以蔵を演じて印象に残りました。
この「哀しい人斬りの若者」の元って、ショーケンの以蔵なんじゃないでしょうか。
教養もなく、身分も低い以蔵の武市半平太に対する尊敬と献身が、空回りする。
「斬ってくれないか」ではなくて、「斬れ」と言ってくださいと以蔵は言う。

その以蔵に命じられた人斬りは、勝海舟だった。
武市先生も偉い人だが、勝先生も偉い人だ。
そして、勝先生のことは大好きだ。

張り裂けるような思いで、勝に会いに行く以蔵。
斬れない。
勝について夜道を行く以蔵は、逆に襲ってきた刺客を斬り伏せてしまう。

すべてをわかっている勝は、以蔵にここから離れろと言う。
やがて以蔵は捕らえられ、土佐に引き渡される。
散々、汚い仕事をさせられた挙句。

その様子を知った勝の心は、痛む。
以蔵は籠に乗せられ、まるで家畜のように運ばれる。
籠の隙間から勝を見た以蔵は、知らない人だと言う。

役人は、あれほど恩を受けた奉行に対して、無礼だと怒る。
でもそれは以蔵の勝に対する、迷惑をかけまいとする精一杯の思いなのだった。
それがわからない勝ではない。

以蔵を救えない。
蔑まれ、動物のように殺される以蔵。
救えなかった。
人を斬るのは、楽しいか。

以蔵は、そう聞かれた。
だが以蔵の目は決して、血に飢えてもいなかった。
楽しそうでも、充実感に溢れてもいなかった。
ただ、ただ、哀しく、寂しそうだった。
人を斬ることでしか、以蔵は尊敬する相手に尽くせないと思っているようだった。

でも、自分が相手を思うほど、相手は自分を思ってはいない。
わかっていながら、以蔵はそうするしかなかった。
その先に破滅が待っているとわかっていても、そこに向かって行くしかなかった。
ショーケンには、以蔵ってこういう青年だった!と思わせる力があった。

以蔵は、ショーケンみたいな青年だったんじゃないか?
いや、ショーケンがこの時代にいたら、以蔵になったんじゃないか?
勝のような大人と、もう少し早く、以蔵が出会えていたなら。
そんな以蔵は、悲しく、切ない。

歴史を扱う大河ドラマ。
その放送された時代の俳優さんも、時代の空気も感じることができる。
過去のドラマはいろんな意味で、ちょっとしたタイムマシーンになります。


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2016.03.09 / Top↑
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