「重版出来!」の第5話に、運を使わないようにギャンブルはやめるエピソードが出てきました。
この話で思い出したことがあります。
「奇妙に怖い話」という、作家の阿刀田高さんが選者の本の中にあった話です。
体験談か、作った話か、どちらも問わないということなので、この話が本当なのかはわかりません。

その話の前日、作者はパチンコで負けに負けた。
出なかったのは、その作者の台だけだった。
逆にそばにいたお客さんが、「その台、明日出るわ」と言ったぐらい、負けた。
だから作者は翌日、朝一番に並び、その台の前に座った。

台を巡る不愉快な小競り合いはあったが、作者は昨日の出なかった台に座ることができた。
すると本当に、見る間にその台はパチンコ玉を飲み込み、電飾を輝かせた。
両隣のお客さんが、「ほー」と言って身を乗り出して見る。
大当たり。

それを出して、さらに次回来店した時の当たりも保障する当たりまで出た。
12回連続で、大当たり。
足元には、パチンコ玉が詰まった箱の山ができた。

さらに数万回に一度という、プレミアムリーチが出た。
その全てが当たった。
…私にはわからないので、描写されたところによると、こういう当たり方らしい。

周囲のお客さんも初めて目にする光景に、集まってきた。
それが何度も何度も、続いた。
20回目の大当たりの時だった。
「兄ちゃん、すごいね」と声をかけてきた男がいた。

「7で来ただろう」。
「それから5回続けて、7」。
「3が3回」。

「5、5、7、7」。
「最後が8」。
その人は出た当たりの目を、全て言い当てた。
20回目まで全部、言い当てた。

なぜだろう?
疑問に思った時、男は「あと10回出るよ」と言った。
その言葉に、作者が感じた疑問はかき消されてしまった。

まだ、当たるんだ!
男は言った。
「俺の連れが、兄ちゃんとまったく同じ目で勝った」。
なぁんだ、そうだったのか。

男の言った通り、当たりが来た。
ついに9回目まで、当たりが来た。
ダメだろうなと思ったのに、当たるのだ。

帰り支度を始めた男に、作者は「あと1回来ますか」と聞いた。
男の言う通り、10回当たりが出るなら、あと1回当たるはずだ。
「そうだな。連れと同じだ。最後は4で終わる」。

男は背中を向けながら言った。
「この当たりの出た帰り、連れは死んだけどな。トラックにはねられて」。
「え…」。

息を呑んだ瞬間、機械音が「リーチ」と言った。
目の前のパチンコ台は、まさに「4」の当たりが出るところだった。
それを見た男は、薄く笑って帰っていった。


会社にある自動販売機のジュースを買った同僚が、大当たりしてもう1本もらいました。
「良かったねー」と言う私に同僚は、「こっ、こんなところで運使って…」と言いました。
やっぱり、そういう感覚ってある。
自分は割り込みや強引に電車やらで席を取られたり順番を後にされた時、相手に対して「あーあ、アナタ、こんなところで今日1日の運を使いましたね」と心でつぶやいております。




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2016.09.09 / Top↑
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