すごい…、まるで進化だ 「シン・ゴジラ」 (1)

「シン・ゴジラ」。

語りたいポイントがたくさんあったので、場面ごとに語っていきたいと思います。
映画館で観ただけなので、間違ってる部分もあるかと思います。
ご容赦願います。

このゴジラ、まさに破壊神でした。
映画で竹野内豊さんが演じる赤坂が「そう、生き物です。地震や台風とは違います」と言います。
天災ではない。
だから、どうにかできる。

そう思った。
ハリウッド版のゴジラのコピーに、「破壊神」「死神」ってあったと思います。
このゴジラ、あれよりはるかに破壊神でした。

神がすることに、人間の理解が及ばないのと同じ。
まさに破壊神。
とにかく、理由がない。
そこに現れる理由、日本に現れる理由がない。

日本を壊滅に導く、理由もない。
災害に理由がないのと同じ、理不尽な感じがする。
このゴジラはまさに、災害。


東京湾で、無人のボートが発見される。
その直後、羽田沖から激しく水蒸気があがり、東京湾アクアトンネルが破損する事故が起きる。
海底火山による事故かと思われた。

トンネルから避難した乗客は、最初は非日常の事態、深刻ではない非日常にはしゃいでいる風でもあった。
そこに異様な振動と物音がする。
人々は、一斉に天井を見る。
「上に何か、いない?」

総理以下、閣僚が集められて会議が行われる。
大河内総理は、大杉漣さん。
赤坂英樹内閣官房長官代理が、総理に対してとるべき行動を的確にアドバイスする。
この赤坂は、竹野内豊さん。

優秀な官僚の言う通りに動く総理。
海底火山の活動は、徐々に収まりつつあるようだった。
死者もいないし、政府は事態をあまり深刻に考えていないようだった。

その中で1人、矢口蘭堂内閣官房副長官のみが、この事故は「巨大不明生物」の仕業だと主張する。
矢口は、長谷川博巳さん。
赤坂は、それをたしなめる。
矢口を推薦した官房長官の立場も考えて、会議をかき回すような真似は慎めと言う。

ネットで、アクアラインの事故は騒ぎになっていた。
テレビ中継のカメラは、信じられないものをとらえる。
会議中に「テレビつけて!」と言う声が飛ぶ。
閣僚たちが目にした映像は、海から突き出た長い尻尾であった。

「何だこりゃ!」
赤坂は、矢口の冗談が本当になったとつぶやく。
今度は巨大不明生物への対処について、会議が行われる。

生物に対する選択肢は、いくつかあった。
静観、捕獲、駆除、外海への排除。
環境保護団体や生物、海洋学者からは貴重な生体なので捕獲してくれとの意見が寄せられる。

御用学者が呼ばれるが、「何の生物かわからない」という、役に立たない意見しかなかった。
苛立った総理は、少々変わり者でも良いから違う学者を呼ぶように言う。
御用学者の代わりにやってきたのは、尾頭ヒロミ環境省自然環境局野生生物課長補佐。
市川実日子さんです。

早口で、感情を交えない口調で、淡々と語る。
かなり優秀だが、かなり変わり者であることがうかがえる。
彼女の指摘に文部科学大臣が、いや~な顔をする。

しかし、彼女は自分の意見を通しているのではなく、得た情報から事実を述べているのだ。
現実なのだ。
この反応で、彼女が異端とされている理由もわかるし、優秀であることもわかる。

結局、巨大不明生物は水棲生物であるため、上陸はないと判断される。
上陸しても、すぐに死んでしまう。
差し当たっての脅威はないと、総理がテレビで国民に呼びかける。
その時だった。

総理にメモが渡され、耳打ちがされる。
「えっ?上陸したの?」
この辺り、まだコミカル。

その生物は、グロテスクな体をくねらせ、多摩川の火口から大田区に川を遡上してくる。
生物の動きに合わせて津波のように水は逆流し、船を次々跳ね飛ばしていく。
水が川から溢れ、自動車を押し流していく。

生物が来る横の建物に、「ジャック&サリー ねこ病院」というピンクの看板にちょっと和む。
ねこ病院、壊さないで~。
しかしそんな悠長なことを言っていられないほどの規模で、破壊が進んでいくのであった。
生物は蒲田に上陸する。

逃げる人。
川沿いの建物は、破壊されていく。
ビルも車もなぎ倒しながら、巨大不明生物は進んでいく。

後に結成される「巨大不明生物災害対策」でも言われるが、この生物はただ、歩いているだけ。
だから、行動パターンも、思考もわからない。
しかし、被害が大きい。
もはや、駆除しかない。

後手後手に回る対策。
「それ、どこの役所に言ったの」などの閣僚の発言。
前例がない!ことを理由にした拒絶、結論先延ばし。
3月11日の時も、こんな風に官邸は混乱していたのだろうか。

最初に、「巨大不明生物」を見た時の感想。
「これ、ゴジラじゃないよね?」
「ゴジラは後から出てきて、これと戦うんだよね?」

そう思ったぐらい、全然、ゴジラじゃない。
エメリッヒ監督版の恐竜ゴジラでさえ、ない。
深海生物みたいな、前足はなくて、後ろ足はあるけど体全体をくねらせてやってくる妙な生物。
体の割れ目からは、まるで血のような赤い体液をバシャバシャと落とす。

気持ち悪い。
この動きも、気持ち悪い。
ただ歩行しているだけなんだけど、何のために遡上してくるのかわからない。

何でこっち来るのよー、来ないでー。
そう言いたくなるグロテスクさ。
目も深海魚みたいな、深海鮫のような目をしている。
知性とか、思考とか、感情がない目をしている。

ああー、ダメだ。
これと共存は無理だ。
第一、生理的に嫌だ。
自分は、これ、さわりたくない。

こういうのが網に掛かったら、「誰か捨ててー」と言ってしまうだろう。
そんな形態をしている。
「何で陸に来たいんだよ!」と文句言いたくなる。
すると突然、それは動きを止めた。

巨大生物はもがき始め、なんと立ち上がった。
足が、しっかりしてくる。
体の表面が、まるで水面が震えるように波打っていく。

生物が上を向き、口を開く。
ギザギザとした歯が見える。
まるで針のように糸を引いた口の中は、真っ赤だった。
それは咆哮した。

矢口は思わず、言う。
「すごい。まるで進化だ」。
何千年もかけて行われるはずの進化を、今、目の前で見た。
尻尾を第1形態として、これは第2形態、第3形態と呼ばれる。

体を震わせながら、生物は進む。
大きなマンションが行く手にあれば、それを倒しながら進む。
何のために。
何故。

おそらく、理由はない。
ただ、そこにいるだけ。
それはまるで、災害だ。

住民を避難させる消防庁、警察。
建物の中で「ママ、早く!」と叫ぶ男性。
大急ぎで、必要と思われるものを持ち出そうとバッグに詰める女性。
子供もいる。

しかし巨大生物の上半身が、建物に乗り上げた。
コンクリートの壁が崩れ、床が傾く。
悲鳴と共に、人が落ちていく。

この事態はもはや、自衛隊に任せるしかない。
日米安保を適用し、米軍に任せたらどうか。
これには花森防衛大臣が、あくまで自衛隊が対処すべきであると言う。
自衛隊が対処し、その上で米軍に援助を申し込むのが筋である。

だが、これで自衛隊を出動させるなど、前例がない。
だいたい、国及びそれに殉ずるものに日本が攻撃を受けた時に自衛隊が行くのである。
今回は国でもなければ、組織でもない。
生物なのだ。
しかしもう、ことは静観を許さない状態となっていた。

住民を避難させ、その上で武器を使用する。
消防、警察は住民を誘導する。
道路は渋滞し、人々は大混乱に陥りつつ、避難は終了したかに見えた。

ヘリコプターが出動し、生物に照準を合わせる。
鳴り響く鉄道の警報機。
攻撃命令が下るのを待つ。
緊張が増していく。

その時、線路を横切る姿が見える。
背中に老人を背負った人が、ゆっくりと歩いてくる。
まだ人がいる!

花森防衛大臣は総理に聞く。
「撃ちますか?!」
花森防衛大臣は、余貴美子さん。
カッコいい~!

大河内総理は叫ぶ。
「ダメだ!」
「自衛隊の武器は、絶対に国民に向けない」。

「止むを得まい」とは言わない。
これより前に大河内総理は事態が事態であれば、自衛隊の存続に関わるとは言っています。
でもこの時のこの言葉は、決して自分の保身で言っているのではない。
自衛隊のためでもない。

市民、国民を守るのが自分の仕事だと思っているんでしょう。
このために自衛隊をなくすような事態は、避けたいと思っている。
その気持ちから出た言葉だって、わかるんです。
大杉漣さんの演技のなせる技だと思います。

会議ばかりでダメダメかと思われる内閣及び総理ですが、そんなことはないんです。
後でわかりますがグロテスク 全員が全員、ちゃんと自分の職務に忠実で、果たしているんです。
確かにみんな、優秀なんです。
考えたら当たり前なんです、トップまで行くんですから。

攻撃は中止命令が出された。
しかし、巨大不明生物は、なぜか海に向かって戻っていく。
生物の通っていく通路に煙が上がり、道ができていく。
そして生物は、再び海に消えた…。

矢口は現場に趣く。
たった2時間で、これか。
たった2時間の上陸で、街は徹底的に破壊されていた。
初期対応のまずさを指摘する矢口に、良くやっている、矢口は自惚れるなと言う赤坂。

瓦礫の下を必死に、生存者を探し、救出しているレスキュー隊。
靴が見える。
瓦礫の下から、足がのぞいている。

そこにあった、たくさんの人の生活。
誰かの家族。
誰かの大切な人。

どれほどの家族が、奪われたのだろう。
取り替えの効かないもの。
命。
築いてきた人生。

何も予期せず、それは突然断ち切られた。)やられー
矢口は思わず、頭を垂れて祈る。
見ているこちらも、黙祷したくなる。

何か決めるのに、時間が掛かる日本の問題点が浮き彫りになる。
自衛隊、安保、自衛権の問題も浮かび上がって来る。
ゴジラという虚構の存在で、現在の日本の現実が浮き彫りになる。
この映画、只者ではない…、と感じて来る。

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癖の強い俳優さんや悪役さん大好き。
俳優さん、ドラマ、映画、CMその他、懐かしいもの、気になるものについて、長々と語っております。

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