政府の機能は立川の広域防災基地(?)に移り、そこに矢口が到達する。
動きを停止しているゴジラから、30kmぐらいしかない。
総理もいない、誰もいない。

志村の報告に苛立った矢口は「いない者を言ってもしかたないだろう!」と思わず怒鳴る。
すると、泉政調副会長が「落ち着け」と水を渡す。
このちょっと、太目の泉さんがこれがまたすごく良かった。
松尾論さん、良いですね。

矢口が総理になった時は、幹事長のポストをくれよと言う野心家でもある。
それだけに有能で、それでいて日本のためには背一杯その能力を使う。
一足早く出発し、生き残った赤坂を見て言う。
「政治家に必要な先を見る能力と強運の持ち主」。

総理以下、閣僚全員が死亡し、政府は機能を失った。
巨災対のメンバーも、半分になっていた。
ここにたどり着けなかった人たちの分も、がんばってくれと森は言う。

安田が複雑な表情をしている。
悲しみ、怒り。
メンバーも大切な者を失っているに違いない…。

ここで外遊していた農林水産大臣の里見祐介が、臨時総理に就任する。
平泉成さん。
これが良いんだ。

報告を受けてそれに対処して、「あーあ、伸びちゃったよ」とラーメンが伸びきったのを嘆く。
この人、派閥のバランスと年功序列で大臣になったような人らしい。
総理なんて重圧な役職には、つきたくなかったよーって感じが満々。

日本が大変な時に、火事場泥棒的な動きをする国あり。
そして国連、国連と言ってもアメリカ。
国連でゴジラに対する多国籍軍が結成され、日本への熱核兵器の使用が選択される。

2週間で360万人を避難させろと言う。
大河内も、かの国は無理言うって言っていたけど、里見もあの国は無理を言うってぼやく。
そりゃそうだ、受け入れ先だってあるし。
「避難って言ったって、生活を根こそぎ捨てさせるんだ。簡単に行くか」って。

巨災対にも、このことは伝えられた。
安田が言う。
「そりゃ選択肢としてはありだけど、だからといって、選ぶかよ…」。
やりきれなさと諦めと、怒りと哀しみと、無力感の入り混じった言葉と表情。

尾頭も言う。
「ゴジラより怖いのは、人間ってことですね」。
この決定を怒りを持って、口にする者もいる。

アジアの果ての国のことだと思って!
憤ると、赤坂は言う。
「これがニューヨークでも、彼らは同じ決断をするそうだ」。

矢口と赤坂は再会し、話す。
赤坂「結局、わが国は戦後からずっとアメリカの属国だ」。
矢口「戦後は続くよ、どこまでも」。

赤坂は、企業は操業停止、株価も円も国債も暴落し、日本がデフォルトしそうだと言う。
街には失業者が溢れる。
今なら。
今、熱核兵器の使用を受け入れれば、その後の日本の復興への各国の援助は約束されている。

もう、今の日本は国際社会の同情と善意に頼るしかないのだと。
世界中に貸したお金、返してもらってええー!
いや、債権者が破滅したら喜ぶだけか…。

結局、自分の国は自分たちでしか守れない。
他の国が守ってくれているのは、自国の利益に繋がるからで善意ではない。
そんな当たり前の、それでも現実を、今、この状態で突きつけられる。
この状態だから突きつけられるのか。

そんな危機に対して、矢口と赤坂、方向は違う。
けれど、どちらも日本の存続を願ってのこと。
今の日本の立場と、日本の向かう道を考えさせる。

タイムリミットは2週間。
多国籍軍にとっては長いが、日本にとっては短い時間だった。
エネルギーを使い果たしたゴジラは、動きを止めているらしい。

動き出すまでの時間は、360時間と推定された。
ゴジラが動き出すまで、熱核兵器使用までの残された少ない時間。
ゴジラは東京の真ん中、東京駅で固まった。
何故だろう?
ゴジラの頭部の写真を見て、いかにも編み合わせの悪そうな歯だと巨災対は言う。

一体、何を食べているのだろう?
エネルギー源は何だろう?
巨災対は、ゴジラのエネルギー源と体の仕組みに注目。

ゴジラの通過した後からは、放射線が検出されている。
体内に原子炉のようなものを備えているのではないか。
この説に最初、安田は笑い出しそうになり、尾頭ににらまれて口をつぐんでいる。
その後に尾頭の説が正しいことに気づいた安田は「ごめんなさい」と、素直に謝っている。

ゴジラは体内の体内の仕組みは、原子炉と同じらしい。
一度、海に戻ったのは、あの時はまだ、原子炉を冷却する装置が働かなかったらしい。
海で冷却するしかなかった。
ならば血液を凝固させれば、動きをとめることができるのではないか。

矢口たち巨災対は、その2週間でゴジラの血液を凝固させる作戦にかける。
ゴジラは元素も変換できるほどに進化しており、水と空気さえあれば生きていける。
ではもう、血液の凝固も意味がないのではないか。
凝固剤も効かないのではないか。

ここで牧の残したゲノムの資料を、折鶴のように立体化したことにより、道が開ける。
しかし、日本に残ったコンピューターだけでは解析が間に合わない。
世界中に協力を求める。
ゴジラの情報は、アメリカ以外に渡さない約束を破る。

ドイツにも協力を要請する。
自分たちの機密も盗まれるかもしれない。
そんな協力はできないと言う部下に、「人間を信じましょう」と協力を申し出る所長。

この方、「ヤパン」と言っている。
「日本を信じましょう」と言ってるんですね。
目頭が熱くなる。

ゴジラの機能を停止させるのに有効な、血液凝固剤と方法が判明した。
企業、プラント、全ての協力でそれらを生産し、ゴジラに注入する。
矢口は生き残った統合幕僚長財前に、プランの説明をする。

民間のポンプ車を残った自衛隊員に訓練を施し、運転させ、作戦を遂行する。
この作戦は、ヤシオリ作戦と名づけられた。
危険な任務を遂行してくれる自衛隊と幕僚長に、矢口は「ありがとうございます」と頭を下げる。

すると、幕僚長は言う。
「礼はいりません。仕事ですから」。
このセリフを少しも気負わず、サラッと言う。
国村隼さんの、しびれる演技です。

里見総理には、核兵器発射のカウントダウンを遅らせる工作が必要になる。
「そうは言ってもね、泉ちゃん」。
だが泉は言う。

自国のために他国を犠牲にするのは、覇道だと。
日本は王道を行くのだと言う意味ですね。
泉、カッコいい。

赤坂も言う。
「総理。そろそろ、好きになさったらいかがですか」。
沈黙の後、里見が言う。
「どこに判をしたら良いの?」

ゆっくりと、これもまた、気負わずに。
本当に里見さんが、カッコいい。
もう、登場人物の大半が普通の人だけど、みんな、みんなカッコいいんです。

誰かにだけ良いカッコをさせて立てる脚本だと、こういうことができない。
出番は多くないけど、みんな自分の仕事をきっちりしていて、見せ場を持って、印象に残っている。
役の人物がそうだし、俳優さん自体がそうしている映画。

一方、カヨコも矢口に言う。
熱核攻撃を東京にするなんて。
祖母をまた、苦しめるなんて。

ここに入る、広島、長崎の原爆の惨状。
ゴジラの訴えたメッセージは、健在だった。
このシーン、なぜか、矢口とカヨコが端っこにいて、中心にあるのは、電車の車庫?
その意味はすぐにわかる。

日本の命運をかけたヤシオリ作戦。
しかし国内のプラントを総動員しても、ゴジラに有効な量を調達するのに3日掛かることがわかる。
2日後には、核兵器が使用される。
カウントダウンを遅らせなければ。

中露は地理的に日本に近く、熱核兵器使用に積極的だ。
アメリカはダメだ。
…フランス。

泉が、フランスにコネを持っていると言う。
ゴジラの情報を渡すことを条件に、フランスがカウントダウンの延期を言い出す。
この動きを知ったアメリカ大使が、日本が狡猾な外交をし始めるとはと言う。
ゴジラは日本を成長させたと、アメリカ大使は言う。

日本は、ヤシオリ作戦に賭けたのだ。
自分にできることは、何だろうとカヨコは思う。
カヨコはアメリカにもいる核攻撃反対派と共に、動く決意をする。

そうすれば、主流派からの攻撃を食らうだろう。
パタースン家の栄光の歴史に、傷を残すこと。
40代でアメリカ大統領になるという夢を捨てることを、意味している。

そう指摘する大使の手に、カヨコは無言で自分の手を重ねる。
石原さんの見せ場。
この後、矢口と会ったカヨコは今までのスーツではなく、作業服になっている。

カヨコも、変わった。
米軍の海兵隊にも当然、退去命令が出ている。
でもヤシオリ作戦への、志願兵が後を絶たないとカヨコは矢口に言う。

牧悟郎の言う「好きにしろ」を、みんなが始める。
そして、「好きにし始めた」時、いろんな力が発揮されだす。
牧はやっぱり、日本に全てを委ね、託したのかもしれない…。

『本当は、日本が目覚めると世界が変わるのよ』。
本当なのかもしれないと思ってしまう。
ここまでやられっぱなし、破壊される一方だっただけに、この反撃には心が高揚してくる。
政治家、官僚、企業、研究者、技術者、自衛隊、運転手、全ての力・日本が結集していく。

ここから先はもう、単純に燃えましょう!
それがこの映画を楽しむというもの。
私は楽しんだ。


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2016.08.14 / Top↑
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