「シン・ゴジラ」、また観て来ました。
会議シーンが多いのが嫌だと言う人もいますが、自分はこれ、おもしろかったんです。
まず、実力派の俳優、それぞれの役柄にあった配役をされています。

そして出番の時間の長短に関わらず、良い演技をしています。
ちょっとの出番でもその人物の背景や、普段が伺えるような演技をしている。
そのために、その人に対する想像が広がるんです。

松方弘樹さんが「仁義なき戦い」には、出たかった。
俳優が出番の時間の長さに関わらず、良い仕事をしている映画だからとおっしゃっていました。
「シン・ゴジラ」もそういう映画だと思いました。

ここからは相変わらずネタバレになりますので、観ていない方は観てから読んでほしい。


「シン・ゴジラ」の閣僚はみんな、良いですね。
全員、犠牲になってしまうという、衝撃の展開を見せるわけですが、みなさん、ベテランにふさわしい演技。
中でも私の好きなキャラクターは、花森防衛大臣。
余貴美子さんが演じています。

もともと、余さんは大好きな女優さん。
悪女はゾクゾクさせてくれるし、コミカルな演技まで硬軟自由自在。
60歳なんて嘘のような美貌。

まだ、初期の段階で、ゴジラはこれで一件落着。
復興に利用しようかなどと言っている大臣に対して、矢口が言う。
先の大戦では見通しの甘さから、国民に多大な犠牲が出たと。

会議では巨大不明生物、後に命名されるゴジラに対して米軍の出動をお願いしたらとの意見が出る。
すると、浜森防衛大臣。
日米安保という決まりはあるが、それはあくまで自衛隊が出た後のこと。
まず、日本のことは日本でやるのが当たり前、米軍に出動など依頼できないと現実的な意見をビシッと述べる。

そして今度は自衛隊を出すか、という段階になる。
すると花森大臣は、それも含めて検討の時間をいただきたい!と、またもや、ビシッと言う。
その次には、今は市民の避難を最優先にすべきです!とも言う。

極めて現実的な対応をする。
その口調。
キッとしたまなざし。

花森防衛大臣は、女性でありながら甘いところなど、一切ない。
思えばこの人は、最初から一切、楽観的ではなかった。
イギリスのサッチャー首相が鉄の女と呼ばれましたが、花森防衛大臣は鉄の女と呼ばれるにふさわしい。

花森は、市街地であれ、命令があれば自衛隊は徹底的にやりますと総理に言う。
ヘリが攻撃態勢に入るが、そこに逃げ遅れた市民がいることがわかる。
老人を背負う、やはり老人らしき男性。
花森は大河内総理に、指示を仰ぐ。

「撃ちますか?」
「撃っていいですか!」
「総理!」

もしかしたら総理より決断力があるんじゃないか?と思わせる迫力。
ですが、ちゃんと総理を尊重しているのがわかる。
防衛大臣だから当たり前とは言え。

私情を交えることがない花森大臣が、多摩川を絶対防衛線として攻撃を開始する時につぶやく。
「頼んだわよ…!」
初めて、露わになる花森の感情。
良い防衛大臣なんだなと思う。

健闘むなしく、ゴジラは防衛線を越える。
それはそうだ。
ゴジラは未知の生物で、とにかく常識が通用しない生命体だったんですから。
対応しようにも、情報がなさ過ぎる。

「ここまでです」という花森の言葉に、無念さがにじむ。
都内に進むゴジラに対して米軍が攻撃を開始し、MOP2が投下される。
するとゴジラから流血が確認されたとの報告が入る。

「さすが米軍だ!」
「いけるぞ!」と喜ぶ閣僚がいる。
その時に花森防衛大臣は、キッとにらんでいるように見える。

逃げ遅れた市民がいるために、今ここで叩けば効果があったかもしれない時に自衛隊は攻撃しなかった。
大河内総理が「自衛隊の弾丸は絶対に市民に向けるわけにはいけない!」と言い、攻撃は中止される。
それに対して、まだ市民の避難が終わっていない時点で、予定より早く米軍は攻撃を始める。

全然詳しくない自分ですが、自衛隊と米軍は日本とアメリカ、自国と他国での行動であることから、もういろんなことが、違いますよね。
その米軍がゴジラを傷つけたことに対して、閣僚が賞賛した。
防衛大臣だからこれもまた当たり前なのかもしれないけど、花森は自衛隊に絶対の信頼を置いている。
自衛隊に対して、理解もしているんです。

いろいろと制約がある。
そして制約があっても、自衛隊はかなり優秀。
意識も高い。
その自衛隊が全力を尽くし、犠牲も出している。

結果、防衛できなかった。
そのことを花森は理解している。
だから閣僚の手放しの米軍への賞賛にムッとしたように見えたんです。

花森は良い防衛大臣なんだな、と思いました。
統合幕僚長との普段からの関係も、良さそう。
信頼関係が築かれ、ちゃんと連携が取れていると思わせる。

それだけに、ゴジラのビームでヘリが撃ち落されて、犠牲になったのがとても無念…。
生き残って、あの人が臨時総理だったらと想像してしまう。
サッチャー英首相のような、鉄の女首相だったのでは。
里見臨時総理はこれまた、すごく良かったですけどね。

そして、余さんはやっぱり、すごく良い。
年齢を超えた迫力がある。
そしてやっぱり、年齢にふさわしい美しさがある。

どんな時でも、人を魅了する美しさがある。
それは美醜だけじゃなくて、余さんの女優としての実力がにじみ出た美しさだと思いますね。
「シン・ゴジラ」で私は余さんも、堪能しました!


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2016.09.06 / Top↑
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