時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇「顔」。
松平健さん主演、池波正太郎原作で、江戸の闇社会を描きます。
共演が火野正平さん、中村嘉つ雄(「つ」は律に草かんむり)さん。

ここでまた「必殺」を忘れられないしょうもない懐古主義者の私は、「新・仕置人の己代松と正八だあ…」って思ってしまったんですね。
すぐにそんな連想をする。
結びつけちゃう。
だから嫌われちゃうんですよね。

わかってるんですけど、連想しちゃうのはしかたない。
許してほしい。
謝ったところで、「顔」のCMです。

松平健さんに裏の仕事を依頼するのが、どうも火野さんの役らしい。
しかし、CMで流れている、火野さんの声がすごい。
「人間にはね、表と裏の顔があるんですよ」。

「あるんですよ」というより、「あるんすよ」と言った方が良いニュアンスで話している。
どうも、松平健さん演じる男が描いている絵を評価してくれている男がいる。
その実直そうな男の殺しの依頼が、火野さんを通して松平さんに入ったらしい。

自分にも優しく、誠実そうな男。
演じるのは、石黒賢さんですね。
好感を抱いている男の、殺しの依頼。

なぜ。
あの人を殺してほしいなんて、依頼が来るのだ。
おそらくそこでの火野さんの一言なんでしょう。
「人間には、表と裏の顔があるんですよ」。

あなたに見せているのは、表の顔。
仏、菩薩の顔と言うべき顔なのかもしれない。
しかし、どんな人間にもいろんな面がある。
あなたには見せない、あなたには縁がない。

だが、この人を誰かは死ぬほど恨んでいるんです。
大枚はたいて、危険な裏街道の人間に殺しを依頼してもいいほどの恨み。
確かに松平さんに微笑んでいるのとは、ガラリと違う顔を見せている石黒賢さんがいる。
仏、菩薩に見える人間にも悪鬼、羅刹の顔があるんですよと。

火野さんの声に、凄みが宿っている。
この声はいろんなものを見て、いろんな修羅場をくぐって生き残ってきた男の声だ。
軽く、それゆえに怖ろしい。

もし、正八が裏の仕事にずっと関わって生きていたら。
数々の仲間がむごく死んでいくのを見ながら、生き残っていたとしたら。
こんな男になったかもしれない。

そんな想像してしまいました。
想像するぐらい、自分の中に正八が残っていた。
火野さんが演じる正八が残っていた。

さらりと演じているようで、ここまで人に深く残す。
短いセリフに、この男の背景まで想像させるほどの凄みを込める。
やっぱりこの俳優さんは、怖ろしい俳優さんだ。
「顔」がますます、楽しみです。




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2016.10.27 / Top↑
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