時代劇専門チャンネルで放送されている「腕におぼえあり」。
平成4年から放送を開始し、シリーズとして3まで作られました。
村上弘明さん主演。
藤沢周平原作で、何度かドラマになっていますが、自分としてはこの作品が一番好きです。

「3」の見所は何と言っても、敵となる隠密組織嗅足組(かぎあしぐみ)の頭領・石森左門でしょう。
近藤正臣さんが演じています。
これが、もう、本当にさすが。
最終回の決闘は、長時間に渡ります。

黒幕と思われた谷口が、病死している。
その原因は、本当に病なのか。
隠密の佐知が尋ねると、「毒殺…」と左門が言う。
怖い。

ついに又八郎と左門の戦いが始まります。
雷鳴轟く中、戦いは石森左門優勢となります。
又八郎を愛する隠密の佐知が、手裏剣でサポートに入りますが左門には無力。

すると、近くの桜の木に落雷。
左門に当たったかと思うような衝撃と叫び声。
起き上がった左門と又八郎。

左門の髪の髷が解け、落ち武者のような風貌になっている。
ここから左門が妖怪じみてきます。
開いた口からは、真っ赤な舌が見える。
「俺は嗅足組を、日の当たる場所に出したかったのだ!胸を張りたかった!」

汚い仕事を請け負わされ、日の当たる場所に出ることもなかった左門の怨念。
執念が吹き出してきます。
村上さんの青江又八郎だって、無敵の使い手です。
これまでにいろんなライバルを倒してきています。

しかし、その怨念が左門を強くしている。
何か、邪悪なものが左門に力を貸しているのではないか。
そんな風にまで思える。

命のやりとりの中、左門が笑っている。
笑っていると思うが、顔を見ると笑っているわけではない。
でもやっぱり、笑っているように見える。

左門の髪の一部が白髪になって、メッシュが入っているように見える。
そこがまた、迫力。
ほとんど妖怪。

勝負は左門の刀が、又八郎の刀を弾く。
飛んでいく又八郎の刀。
小刀を抜き、対抗する。
さらに両手に小刀を持ち、対抗する。

しかし又八郎、顔を斬られる。
かつてない傷を負い、追い詰められていく又八郎。
ついに尻餅をつき、ジリジリと後退していく。

刀を振り上げる左門。
するともう一度、落雷が起きる。
左門の刀は、又八郎を貫いていると思われた。

又八郎の眼にもはっきり、死の恐怖が浮かんでいた。
佐知が悲鳴をあげ、又八郎にしがみついた。
だが左門の表情が固まっている。

動かない。
やがて左門が倒れる。
左門の体には、折れた桜の枝が突き刺さっている。

これですね、又八郎の側から枝は左門に突き刺さっているんです。
絶体絶命の又八郎が、折れた枝を手にして刺した。
そう理解してますが、落雷によって枝が折れて刺さったんでしょうか。
又八郎にとどめを刺そうとしていた背中に刺さっていたなら、雷で折れて刺さったんだなって思ったんですが。

仰向けに倒れる左門。
左門の様子をうかがう。
目をカッと見開き、起き上がろうとする左門。

しかし息絶える。
ホラーです。
近藤さんの熱演です。

原作は前作から10年以上経っている設定で話が展開します。
そのため、老いてきた主人公と登場人物が描かれ、ちょっと寂しい。
「用心棒日月抄」のシリーズなんですが、用心棒稼業をする状態ではない。

そこを曲げてドラマにしているので、ちょっと違和感がある。
二度と交わることがない道を行く者もいれば、老後に立ち寄る楽しみができた人物もいる。
原作では謎解きがメインで、躍動感ある場面はほとんどなし。

しかしドラマでは、近藤さんが見せ場を作ってくれました!
決闘の結末の解釈は、違うのかな。
桜の枝で刺すって、まるで「必殺仕事人」の政ですもんねえ。


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2016.12.30 / Top↑
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