改めて見て再確認。
以前、書きました。
「エイリアン」がSFホラーに輝く金字塔。
それならこれは、SFアクション映画史上に、燦然と輝く金字塔だと。

見るたびに、余計強く思うんですよね。
これは映画史上に輝く、金字塔だと。
最高傑作だと。

映画は星の数ほどあれど、最高傑作と呼びたい映画はそんなにない。
安易に宣伝文句に「最高傑作」と歌っていても、本当に時を超えて最高だと思える映画はそんなにはない。
何となく見始めても、あの名場面がもうすぐだ、あの名場面を見たい。
あのセリフを聞きたい。

そうして、最期まで見てしまう。
とにかく色あせない名場面の連続。
最高です。

観客だけじゃない。
この映画に出た人みんな、彼らのキャリアの中でもこの映画が最高なんじゃないでしょうか。
サラ・コナーのリンダ・ハミルトン。

ジョン・コナーのエドワード・ファーロング。
「ターミネーター」でシュワルツェネッガーをターミネーターにしたセンスは健在。
良く見つけて来ましたねえ、エドワード・ファーロング。
聞けば彼には複雑な家庭の事情があったとか。

この反抗的で、寂しげで、人恋しそうな目はこれによるものであったのか。
演技をしたことは全くなく、バスケットボールをしている時にディレクターの目に止まり、出演となったとか。
現在の彼を知ると悲しい気持ちになりますが、この映画の彼は世界一輝いていたと思います。
彼を見いだした目の確かさには、うなるしかない。

そしてこの時のジェームズ・キャメロン監督は神のような才能を、存分に発揮している。
さらにアーノルド・シュワルツェネッガー。
彼はターミネーターで大スターとなり、他の役も演じたが、やはり映画史に燦然と残るのはこのターミネーター役。
T-1000を演じたロバート・パトリックも、これが最高傑作だと思う。

この映画の特殊効果には、当時は驚愕しました。
今はこれよりもずっと精巧でリアルな技術がある。
この映像は、古いといえば古いんでしょう。

でもそれが全然、気にならない。
なぜかというとやはり、ドラマ部分がものすごくしっかりしているからでしょう。
ドラマ部分、人間ドラマがしっかり描けている。

この映画に出てくる人は、みんな傷つく。
まず、母親に将来の人間の反乱軍のリーダーとなるため、育てられたジョン。
他の子供のような生活はなく、母親は彼のリーダーとしての教育に必要とみるとどんな男とも平気でくっつくとジョンは言う。

ジョンはそんな母親に傷ついている。
傷ついているけど、しかたがないと受け入れている。
本当に母親は自分を愛しているのか。

反乱軍のリーダーとして、必要だから育てているのではないか。
そんな思いも抱いたに違いない。
しかし、そんな日々が一挙に否定される。

お前の母親は、イカレている。
自分って一体何だったんだ。
ジョンは傷ついている。

人類を核の炎から守ろうとしているサラ・コナー。
しかし誰も彼女を信じない。
彼女は狂っているとみなされ、人間らしい扱いをされていない。
ジョンとも引き離されてしまった。

そしてジョンが自分を憎んでいるのも知っている。
最愛のカイルはもう、いない。
最強の女性戦士だが孤独で、傷ついている。
あまりの日々に自分の使命も揺らぎつつある。

サイボーグであるT-800、シュワルツェネッガー演じるターミネーター。
これも最新型ターミネーターT-1000との戦いで壊れる寸前まで傷つく。
T-1000は本当に壊れるというか、消滅する。

彼らの人生、感情が存分に描かれている。
T-1000には感情がないけれど。
その彼らがたった数日の間に関わり、お互いの人生に大きな影響を残し別れていく。

2時間30分が全く長いと感じないのは、これだけの人間のドラマが詰め込まれているからでしょう。
そしてその彼らの背景、全編をアクションが彩る。
迫るT-1000、逃げるサラとジョン。
守るT-800ターミネーター。

ジョンとの最初の邂逅は、前作のサラとの邂逅同様の名場面。
警官にしか見えないT-1000から逃げるジョン。
「おい、個々は子供が入っちゃだめだ!」という関係者以外立ち入り禁止区域に逃げてくるジョン。
その向こうから、ターミネーターがやってくる。

赤いバラの花の入った箱に隠したショットガン。
ショットガンを出すとバラが落ち、それを無造作に踏んでターミネーターはやってくる。
サイボーグ。
前作で子供のおもちゃを無造作に踏むのと同じ、機械の非情さ。

母親から聞かされていたのだろう。
すぐにジョンは、向こうから来るのはターミネーターだとわかったから。
聞かされていたターミネーター、まさにそれが向こうからやってきてジョンは呆然とする。

こいつだ。
本当にいたんだ。
背後から、景観にしか見えないT-1000がやってくる。
ジョンが振り向く。

どちらもこちらに、銃を向けてくる。
一体どうしたんだ。
どうすればいいんだ。

そう思った瞬間にT-800が「伏せろ」と言う。
やはり軍事訓練を受けた子らしく、さっと反応するジョン。
撃ってくるT-1000の銃弾を、ターミネーターはジョンを抱き留め、自らの背中で受け止める。
ジョンは悲鳴を上げる。

ターミネーター同士のつかみ合い。
壁は壊れ、穴が開く。
T-1000がT-800をぶん投げ、ガラスのショウウインドが割れる。
前作と同じ光景。

T-800を投げた後に、金属製のマネキンを見た時のT-1000の微妙な表情。
こういう小さなシーンまでが、この映画は楽しい。
前作を見ているとジョンの飼い犬が激しくほえるのにさえ、うなづいてしまう。

サラが84年の警察の監視カメラの写真を見せられている。
そして、これが今日の午後、ショッピングセンターで撮った写真と言って見せられたものにはT-800の姿。
サラは内心は凍り付いたと思う。

やっぱり、来た。
ついに来たのだ。
無反応の仮面の下で、サラはボールペンを密かにポケットに入れる。

前作でターミネーターの怖ろしさが、サラの骨まで染みている。
だからやり過ぎなぐらい、病院の職員と医者をぶっ飛ばしてサラは逃亡を図る。
この職員は、サラに、いや、おそらく女性患者に性的ないたずらをしていたと思われ、同情できない部分もあるが。

病室を脱出したサラは院内の廊下を走り、これからどうするか立ち止まる。
どうやってこの病院を出て、ターミネーターを阻止するのか。
思案した時、エレベーターの音がする。
エレベーターだ。

サラは走って行く。
エレベーターのドアが開く。
カツーン、カツーン。
廊下に靴音が響く。

エレベーターから足の先が出て、廊下に見える。
サラがエレベーターに近づく。
そして腰を抜かす。
エレベーターから現れたのは、ターミネーターだった。

この時のサラの驚愕。
ストンと尻餅をつく。
無理もない。

前作で、ターミネーターのために愛するカイルが死んでいる。
上半身だけになり、それでもターミネーターは、動くのを止めなかった。
サラのルームメイトも、母親も、ターミネーターに殺された。
ターミネーターの記憶は、消えない恐怖として残った。

悲鳴を上げてサラは、何もかも忘れて病室の方向へ走る。
パニックだった。
逃げていくサラを見たジョンは、「助けてよ!」と言う。
ジョンに「ここにいろ」と言って、ターミネーターは行く。

「あいつが来たわ!」
「殺される!」
「みんな、殺される!」

それはもう、叫ぶに違いない。
ターミネーターはその通り、次々と警備の人間を投げ飛ばす。
だが以前のように撃たない。

恐怖の中で、少し不思議に思ったサラにジョンが駆け寄る。
「ママ!」
サラは信じられないという表情で、ジョンを見る。
何が何だかわからない。

ターミネーターが手を差し出す。
「死にたくなければ一緒に来い」。
「僕たちを守ってくれるんだよ、心配ないよ」。
ジョンの優しい声で、サラはわからないままもターミネーターの手を握って起きる。

その時、靴音が響き、向こうからT-1000の警官の姿が見える。
ぐにゅぐにゅと溶け、液体金属のT-1000は、鉄柵を超えてくる。
だが持っていた銃が、柵に引っかかった。

カシーン。
音が響く。
見ていた医師に、これが現実であることを知らせる音だ。

サラのターミネーターの妄想を最もらしく警察に説明していた医師は、たばこを口からポロリと落とす。
そんなことにはかまわず、始まる逃走劇。
T-1000が銃撃しながら、エレベーターに向かって走ってくる。
医師が「ひっ」と小さく悲鳴を上げ、目を閉じる。

エレベーターの天井から、手を剣に変えて襲ってくるT-1000。
サラはターミネーターの腰から拳銃を取り、応戦する。
この辺りは圧巻の一言。

天井の小さなたくさんの傷から浸透し、傷を破って一つの金属の塊となって降りてくるT-1000。
解けた金属のような塊が、天井から重みを持って落ちてくる。
エレベーターを出たサラがジョンの手を引きながら、やってきたパトカーの保安官に銃を向ける。
「降りなさい!」

「早く降りるのよ!」と一撃をお見舞いするサラ。
怯えて降りた保安官をターミネーターが突き飛ばし、頭を柱に打ち付けた保安官が気絶する。
T-1000が走ってくる。
瞬時に人の形になり、顔ができ、色がつく。

「来たよ!」
T-1000に向かって、ショットガンを放つT-800はすごい。
しかし、拳銃を構えて撃ちまくるサラもすごい。
このため、この時のためにサラは戦士となったのだ。

いまこそ、戦う時なのだ。
虎も熊も、子供を守る母親が一番、凶暴であるという。
そんな言葉が頭に浮かぶほど、サラの戦う姿は壮烈でそして美しい。

…やがてT-1000の追跡を振り切ったターミネーターとサラは、ジョンを抱きしめる。
しかしその手は、ジョンの無事を確認するためのもの。
「けがはないったら!」とジョンは言う。

サラはジョンを「なぜあなたはこんなところへ来たの!」と叱咤する。
「もう少しで殺されるところじゃないの。もっと賢くならなきゃダメよ!」
「あなたは絶対に死ねないの。人類のためにもね」。
「ごめんね」と詫びてしまうジョン。

ママが殺されると思ったから。
だがサラは「自分のことは自分で守れる」と言って、前を向く。
こんなことをされたら、子供は傷つく。
ジョンの目から、涙が出てくる。

それを見たターミネーターは「目をどうかしたのか」と聞いてくる。
彼には人が泣くということが、わからない。
「別に」と言うしかないジョン。
…さあ、ここまで見たら、今度はサラがジョンを抱きしめるシーンを見なくては気が済まなくなる。

ある無人のガソリンスタンドにたどり着いたターミネーターたちは、そこでサラの傷の手当てをする。
人間の体について、ターミネーターは熟知している。
悲鳴一つあげず、傷を縫ってもらうサラ。
「そうね、人を殺すのに必要なことだわ」。

ターミネーターの言葉に対するサラの答えには、納得と敵意がある。
ジョンがターミネーターは学習することはできないのかと聞くと、T-800は読み込みができるモードに変えられると教える。
ターミネーターはチップの取り出し方と、モードの切り替えについて説明する。

ここのシーンではターミネーターの寿命と、その頑丈さを改めて知る。
言われたとおり、チップを取り出したサラ。
機械らしくターミネーターは、動きを止める。

電池が切れた人形のようになったターミネーターに、ジョンはまた驚く。
チップを手にしたサラは、ハンマーを振り下ろして壊そうとする。
まさにハンマーを振り下ろす瞬間、ジョンが気づいて手でかばう。

「殺さないで!」
だがサラは言う。
「殺すんじゃないわ。壊すのよ」。
サラの憎しみと不信は根強い。

「いいよ、わかった」とサラの感情を肯定してジョンは「僕たちにはあれが必要なんだ」と言う。
「必要ないわ。2人だけの方が安全よ」。
「信用できないのよ!」

「敵に回ったらどんなに怖ろしいか…」。
「そうなる前に壊しておくのよ!」
それはそうだ。
ジョンは最初から味方のターミネーターしか知らない。

だが、サラはターミネーターのために何もかも失っている。
結局、ジョンは自分を認めて、言うことを聞いてくれと言う。
ママが聞かないのに、反乱軍のリーダーになってみんなが言うことを聞いてくれるのかと。
その説得にサラは「好きになさいな!」と言い捨てて、あきらめる。


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2017.01.08 / Top↑
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