こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
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「人間がなぜ、泣くのかわかった…」 「ターミネーター2」

学習モードとなったターミネーターに、ジョンはいろんなことを教えていく。
粋な受け答えの仕方。
笑うこと。
遊ぶこと。

それを見ていたサラは思う。
サイボーグと遊ぶジョン。
私は突然、理解した。

ターミネーターはこの上ない庇護者です。
忙しいと相手にしないこともなく、酔っ払って殴ることもない。
ずっと見守り、いざという時は自分の命を犠牲にしてもジョンを守る。
これまでいた、どの男よりもこの機械が父親らしい。

それまでのサラの生活と、ジョンの生活が垣間見える言葉。
楽しそうなジョンの姿は、友達と遊んでいるというより父親と遊んでいるように見える。
この子は愛情に飢えている。

ドライブインでけんかをする幼い子供を見てジョンは、言う。
「みんな死ぬんだね」。
ターミネーターを振り返って言う。

「そうだろ。子供たちも」。
ターミネーターは、こともなく答える。
「ああ。人間が自分で選択した運命だ」。
「…どうしようもないね」とジョンが答える。

スカイネットのようなものが、なぜ生まれたのかとサラは聞く。
「2ヶ月後、画期的なマイクロチップの開発に成功する」。
「3年後、軍のコンピューターは全て、サイバーダイン社のシステムと入れ替えられる」。

無人化したステルス機は、あらゆるテストに完璧とも言える成績を収める。
スカイネット法案が議会で可決される。
「1997年8月5日にシステムが稼働すると、防衛戦略の全てを任されたスカイネットは、当比較級的な速度で学習を始めて」

「8月29日、東部標準時間2時5分、自我に目覚めた」。
「恐怖に駆られて人間はスイッチを切ろうとする」。
目に浮かぶような説明だった。

「それが戦争の始まり?」
「そうだ」。
サラはスカイネットの開発者、ダイソンというサイバーダイン社の開発部長を殺すことを決意する。

ダイソンの自宅を襲撃するが、ダイソンをかばう妻と子供の姿を見たサラは撃つことができない。
母親の殺人を止めようと、ジョンが駆けつけてくる。
とどめをさせず、泣き崩れているサラを見る。

「殺せなかったわ。どうしてもダメ」。
「ああ」。
サラは戦士だが、非情な悪人ではないのだ。

ターミネーターは攻撃できる。
そのタフさゆえに、手加減しなくて良い。
感情のなさ、痛みを感じない神経、非情さゆえに攻撃できる。
だが、生身の罪もない人間を、未来のことで殺すことはサラにはできない。

「できない」。
泣いているサラをジョンは抱きしめる。
「殺さなくても、何とかなるよ」。
ジョンの声は優しい。

「他の方法を考えれば良い」。
ああ、やっぱりこの子は未来のリーダーだ。
同時に、優しいサラとカイルの子だ。

「そうだろう」。
「殺すのをやめさせに来たの?」
「ああ、そうだよ」。

「愛してるわジョン」。
「離れている間もずっと」。
初めて、母親からの愛情を確認したジョンはサラを抱きしめる。
「わかってる」。

母と息子の心が初めて、素直に通い合った。
サラに説明した通りの説明を、ダイソンにもするT-800。
呆然。
自分の開発したもののせいで、32億の人間が死ぬのだ。

だが「私を責めるのか」と、ダイソンはかろうじて声を絞り出す。
「わかるわけ、ないだろう」。
それを聞いたサラが皮肉たっぷりに言い返す。
「わかるわけ、ないだろう?…ふん」。

「あんたみたいな人が、水爆を作ったのよ」。
「それで、何か作ったつもり?」
「作るってのは、命を生み出すことよ」。
「それができるのは女だけ」。

「男が作ったものなんか、破壊だけ」。
きっとサラはそう言って、周りに憎しみをはき出していたのだろう。
こうして自分と関係した男も、本当は一人も愛していなかったに違いない。

ジョンが頭を抱え、「ママ、今そんなこと言っている場合じゃないだろ」と止める。
愛してもいない男たちと暮らすサラを見たジョンも、傷ついていたことだろう。
この後、ダイソンは自分はサイバーダイン社を辞め、研究を中断することを約束する。

だが会社にあるデータも、壊さなければならない。
ターミネーターとサラ、ダイソン、ジョンは会社に行く。
そしてそこはさながら、市街戦のような戦いの場になるのだ。
「I’ll be back」(すぐもどる)(また来る)が、こんな形で聞けるとは!

しかし、ダイソンさんはかわいそう。
そして市街戦の場と化したサイバーダイン社に、T-1000が来ないわけがない。
追跡劇は前作、サラとカイルがターミネーターに追われた時のさらにスケールアップした再現となる。
この後はラストまで、ノンストップのアクションが続く。

T-800とT-1000の熾烈な戦い。
ジョンを逃がし、自分は残るサラ。
サラにT-1000が迫る。

T-1000の恐怖を目の前にしたサラの、銃をセットする手がもつれる。
この機会をT-1000は逃さない。
サラの肩を、手を変身させた錐で貫く。

「ジョンを呼べ」。
サラは答えない。
「痛いのはわかっている」。

ギリギリと責めるT-1000。
まさに非情。
「嫌よ」。

するとT-1000は指をサラの前に突きつける。
指が鋭く、細い針に変わる。
「ジョンを呼べ」。
その針を見ながらサラが言う。

「殺しなさいな」。
サラ・コナー、崇高な戦士。
そこに助けに入るT-800。
再び、死闘となる。

だが最新型のT-1000は、強い。
しかしそこはさすが、あれだけしぶといターミネーター。
この後、サラの最後の戦いぶりに感動。
T-800の戦いに拍手喝采。

そして…。
自分の頭の中にもチップがある、と指さすターミネーター。
自分では破壊できない。
サラの手で、溶鉱炉に沈めてくれ。

「そんな」。
「ダメだよ、死んじゃ!」
ジョンがしがみつく。

だがターミネーターは言う。
「この世界には残れない。残念だ」。
「僕が命令する、死ぬなって言ってるんだ。命令が聞けないのか」。
泣きながら、ジョンが命令する。

だがこれは変えられないことなのだ。
ターミネーターが言う。
「…人間がなぜ、泣くのかわかった」。

ジョンの涙をなぞるT-800。
「俺には涙を流せないが」。
機能として備わっていないだけで、T-800は泣いている。

ジョンを抱きしめるターミネーター。
そして、サラを見る。
サラが深くうなづく。

あれだけ憎んでいたT-800に、サラが手を差し出す。
戦友だ。
男女の恋愛を超えた、生死を共にくぐり抜けて戦った戦士としての手。

「さようなら」。
自分では自分を破壊できないターミネーターは、サラに溶鉱炉に沈めてもらう。
スイッチが押され、ターミネーターが下に降りていく。

2人をじっと見上げているターミネーター。
足が溶鉱炉につく。
火花が散る。

ずっと彼は2人を見ている。
沈んでいくターミネーター。
足が、腰が、上半身が沈んでいく。
だがターミネーターは上を見ることを、やめない。

肩が飲み込まれ、顔が埋まっていく。
ターミネーターはずっと、上を見ている。
炎に包まれながら、彼はずっとジョンたちだけを見ている。

一途な、ひたむきな目。
やがて、右手だけが残る。
その手も沈んでいく。

ターミネーターが、親指を立てる。
「グッドラック」、だろうか。
ジョンが教えた仕草。

他に伝える術を持たない、ターミネーターの最大の愛情表現。
愛しているという言葉を持たないターミネーターの、愛しているという表現。
それはターミネーターの全部を飲み込むまで、崩れることはなかった…。

ターミネーターのコンピューターが止まる。
全てが一点に集約され、丸となり、それが消滅する。
暗黒。
ターミネーターの消滅。

未来は変わった。
サラが言う。
「未来へ続く道はまだ闇に包まれていますが、わずかに希望の光が見えてきました」。
「機械が、ターミネーターが命の大切さを学べるのなら、私たちにできないはずはありません」。

ここであの、ターミネーターの音楽。
エンドロール。
完璧。


シュワルツェネッガーのことを「絶対ターミネーターだ」と、キャメロン監督とともに言ったスタン・ウィンストンという、特殊メイクの方。
お亡くなりになっていたのですね。
この方がいなければ、「ターミネーター」という素晴らしい作品はありませんでした。
お悔やみ申し上げます。


前作の「ターミネーター」について、監督や特殊メイク、シュワルツェネッガーは特殊効果だけを売りにするようなアクション映画ではないと言った。
子供だけが、SFファンだけが、アクション映画好きだけが大喜びする映画でもないと言った。
つまり、一部のファンしか楽しめない映画ではないということ。

それはメッセージがあり、娯楽性も高いからだと言う。
全部の層の人に、訴えるものがあるのだと言う。
観客を選ばない映画。
それは「2」でも同じだった。

「1」は、アクションの形をしたラブストーリーと言っても良い。
または、サラという女性の成長物語だと言っても良い。
「2」は母と息子が危機に際して、愛情を確かめ合うストーリーかもしれない。

サラのトラウマ克服物語になるかもしれない。
どこかで父親を求めていたジョンの、成長物語かもしれない。
ターミネーターという機械がジョンに対して愛情を抱き、命の大切さを学ぶ過程の映画であるかもしれない。

人間ドラマの部分が、とてもしっかりしている。
だから「1」と同じく、観客を選ばない。
時代を選ばない。

「1」は映画史上に輝く大ヒット、名作となった。
そういう作品の「2」は、なかなか難しい。
しかし「2」は「1」で続編を期待した観客の期待に、見事に応えた。

「1」が素晴らしくて、「2」も素晴らしいという映画。
「エイリアン」がそうだけど、その前は自分は「ゴッドファーザー」ぐらいしか1作目より高い評価をされている映画は記憶にない。
それほど「2」は難しく、評価が厳しいのだと思う。
「2匹目のドジョウはいない」という評価は、「2」とついている映画について良く聞いた評価だった。

しかし、ターミネーターの「1」と「2」は、何度見ても見飽きない。
見れば見るほど、良くできている映画だと思う。
そして自分が如何にこの映画を好きか、わかって来る不思議な映画だと思う。

「ターミネーター3」、もしくはそれ以降の作品が好きな方。
すみません。
あまりに素晴らしいので、私の中で「ターミネーター」はこの「2」で終わってしまっています。

ジョンとサラを見上げながら沈んでいくターミネーター。
突き出した親指。
それが最後まで形を崩さず、飲み込まれていく。
機械が人間の感情を、愛情を理解し、自分のものにした瞬間。

苦痛とは無縁のターミネーターだからできる、別れのシーン。
機械ということを、ターミネーターということを逆に取った設定。
この映画、全てに言えることだけど、壮絶な戦いの後に来たこのシーン。
映画史上に残る屈指の別れ、愛のシーンだと思います。



*****
DVDがいくつか出ていますが、「ターミネーター」はフジテレビで放送された時の吹き替えが声、セリフともに好きです。
そのフジテレビ吹き替えが収録されたディスクが出て、良かった。
私が持っているのは、そのディスクです。
*****

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Comment

編集
私もつい最近T2特別編を改めて観たが、ラストで不覚にも泣いてしまった。
小さいころ観た覚えでは楽しいアクション映画だったが、大人になってじっくり観るとその深いストーリー、設定、俳優たちの演技などなど、すべてに圧倒される。
私の中ではNo1の映画。
アクションと深い人間ドラマを、ここまで見事に調和させた映画はなかなか無いだろう。
今でこそ人工知能の危険性が叫ばれているが、30年も前にターミネーターの脚本を考えたジェームズ・キャメロンはやはり天才ですわ。
2017年01月21日(Sat) 19:44
Johnsonさん
編集
>Johnsonさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

>私もつい最近T2特別編を改めて観たが、ラストで不覚にも泣いてしまった。

別れなくてはならない、ターミネーターの出ない涙。
最後まで2人を見続ける視線。
あのラストには、本当に言葉がありませんでした。

>小さいころ観た覚えでは楽しいアクション映画だったが、大人になってじっくり観るとその深いストーリー、設定、俳優たちの演技などなど、すべてに圧倒される。

ジョンコナー、サラ、ターミネーター、全員、これが俳優生命でベストワークじゃないでしょうか。
T-1000でさえそうだと思います。
このストーリーも、前作を引き継いだ設定も最高でした。

>私の中ではNo1の映画。

そういう方がいるのを知ると、私もそうですので、とてもうれしくなります。
何度見てもおもしろい。
無人島に何か持って行けと言われたら、このDVDは必ず持って行くと思います。

>アクションと深い人間ドラマを、ここまで見事に調和させた映画はなかなか無いだろう。

見事ですよね。
最近、奇をてらって観客の期待とは違うものを見せる監督がいますが、そういうことをせず、それ以上のものを見せた。
観客が見たいと思っていた期待以上のものを見せたという点でも、この映画は素晴らしいと思います。

>今でこそ人工知能の危険性が叫ばれているが、30年も前にターミネーターの脚本を考えたジェームズ・キャメロンはやはり天才ですわ。

人工知能、無人化というニュースを聞くと、特に軍事関連で耳にすると「スカイネット…」って言ってしまいますねー。
この映画が見た人に残したものって、本当に大きいです。

コメントありがとうございました。
良ければまた、来てくださいね。
2017年01月22日(Sun) 00:32












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