引き続き、アニメの「デビルマン」を見ているんですが、おもしろいです。
妖将軍ザンニン、魔将軍ムザンと来て、妖元帥レイコック登場。
しかしその前に、ララと言うデーモンが登場します。

ララは頭が軽くて、デーモン族みんなから「おバカ」扱いされている。
でも本人はとてもポジティブで明るくて、根拠のない自信に満ち溢れている。
その能天気さは、ダークなエネルギーに満ちているデーモン族らしくない。
魔王ゼノンも、ララの扱いには困っているほど。

ギャグ担当で現れたようなキャラクター、ララ。
それなのに、後半のデビルマン世界にはとても大きな存在となるんです。
当初の予想を超えた、名キャラクターとなるララ。

ララの手はあらゆるものを、瞬時にぐにゃぐにゃに溶解させる。
そして、思う通りの物体に作り替えることができる。
ララは顔も作ることができて、自分の顔を作ってしまう。
だがくしゃみをすると老婆のように顔が崩れてしまうので、そのたびに顔を作り直す。

ララは人間界に、自分の美しい顔を見せびらかしに行くつもりだった。
そんな時、ゼノンは人間界にいるデーモン・ドドに対し、ララを使いに出した。
ララは最初に明たちが乗っているスキー列車の窓の外に現れ、列車では幽霊が出たと大騒ぎになった。

ゼノンのドドへのメッセージは「デビルマンと戦うな」であったが、それは正確に伝わらなかった。
ララにお使いは、無理だったのだ!
デビルマンを倒そうとしたドドは、罠を張って檻に閉じ込めることには成功した。

だが、脱出したデビルマンに消滅させられてしまう。
残ったララはデビルマンに戦いを挑むが、全く相手にされない。
最後には頭がおかしいと判断され、明たちが見ている前で精神病院に強制入院させられてしまう。

ところが次回の話でララはこの精神病院を、何度も脱走していることがわかる。
そのため、病院の評判が落ちることを恐れた医師と看護師は、ララを海に捨てることを考える。
だが救急車は海に向かう途中、妖元帥の配下の妖獣ジュエルの宝石の雨に遭遇。
医師と看護師は、夢中になって宝石をあさる。

その隙に、ララは救急車のドアから外に飛び出すことに成功する。
しかしララは手足を拘束されていたため、橋から川に落下。
学校帰りの明と美樹、タレちゃんとミヨちゃんの前に落ちて行く。

流れていく女性を見た美樹もタレちゃんもミヨちゃんも、仰天。
ララとは知らない明は、落ちた女性を助けに行かされるはめになる。
下水道の中で、つまみ上げた女性がララと知った明。

一方、デビルマンと再会したララは、再びデビルマン討伐をしようとする。
だが、明はララが作った剣に流れてきたおもちゃやゴミを投げて刺したりと、おちょくるばかり。
覚悟を決めたララは、さあ殺せとデビルマンに迫る。

「さあ殺しなさい!殺せったら」。
「一人前のこと言うじゃん、ララ」。
「ふん、デーモンの国に帰って笑いものにされるより、ずっとましだわ!さあ殺してちょうだい」。

「よせよせ、ララ。美人がもったいねえよ。お前は長生きするたちだよ」。
「ふん、ごまかすな!あたしが美人だなんてさ。そりゃあ、まあ…、美人だけどさ。デビルマン、そう思う?あなたも?」
「実はあたしも、鏡を見るたびに惚れ惚れしちゃってんの」。

「類い稀れなる美貌だなあって。慎み深いからさ、あたし、そんなこと口に出しては言わないけど」。
「でもあたしを誉めるなんて、デビルマンも目が高いわあ」。
ここでデビルマンこと明は、相手にしていられなくて去っていく。

辺りを見回して、デビルマンがいないのに気づいたララ。
「あら?あらん!?デビルマン?デビルマンどこ行ったのよ?」
「どうしてあたしを殺さなかったのよぉ~、デビルマン!」

すると、どぶ川に一輪の花が流れてきた。
それを手にしたララは「わかってるわ。あなたがあたしを殺さなかったわけ…」。
花を手に、陶酔したララは言う。
「あまりの美しさに手が震えて、あたしを傷つけることができなかったのよね」。

「いいえ、いいえ、傷ついたのはあなたなのね、デビルマン!」
「あたしの魅力でハートに、ひびが入ったのでしょう。ああ、かわいそうなデビルマン」。
それを下水道の別トンネルから見ていた明は「はあ、冗談じゃねえや」と、遠ざかっていく。
ララは、うっとりしている。

「あたしは今こそ決心したわ。あたしの美しさを認めてくれたデビルマンとともに生きることを」。
「掟に背き、恋に殉ずる純情可憐なララ…」。
傾けた花から水がこぼれ、ララはそれを頭からかぶる。
つまり、ララは、デビルマンは自分の美しさに恋をしたために自分を殺せなかったのだと思い込んでしまったのだ!

ララを放置して出口を探していたデビルマンは偶然、人間を操っているジュエルを発見。
戦いとなる。
不意を突かれたデビルマンは、ジュエルの攻撃でピンチに陥った。
ダイヤモンドの硬度を持つジュエルのドリル攻撃は、デビルマンをとらえ、穴をあけようとしている。

しかしそこに、もう一人のデビルマンが現れた。
どちらが本物のデビルマンなのか?!
2人のデビルマンを見比べながら、ジュエルは戸惑った。
攻撃を止めたジュエルは、デビルマンに倒される。

もう一人のデビルマンは、変身したララだった。
すり寄って来るララを、くすぐったがるデビルマン。
この時からララは、デビルマンの恋人気分。

ララの登場は、美樹にも影響があった。
美樹ちゃんはとっても良い娘だし、さばさばした男前な娘。
だけど、たまに明には横暴な態度を取ることもあった。

氷村がいた頃は、時に氷村側に立ったりもした。
もう氷村はいなけど、ララが現れた。
美樹を見ても、ララの自信は全く揺るがない。
それどころか、美樹は「あたしの」「明くん」に片思いをするかわいそうな娘と言う。

あからさまに明に付きまとうララは、美樹にとってライバル登場だった。
美樹の、明に対しての態度が変わった。
優しくなったし、好意を隠さなくなった。

軽快なテーマソングとともに、現れるララ。
それは明にとっても罪のない時間であり、視聴者にとってもギャグの時間だった。
何だかんだ言って、ララの登場はデビルマンには良かったのだ。

デビルマンはララに「お前はデーモン族で一番、長生きするよ」と言っていた。
ところがララは、妖元帥を倒した後、妖獣マグドラーの火焔攻撃で死んでしまう。
ララは、最期まで、デビルマンを気遣っていた。

燃え盛る炎の中、やってきた明にララは、来てはいけないと叫ぶ。
明までが、マグドラーの炎に焼かれてしまうと。
「あたしみたいにね」。

ララは言う。
「でもあたし、明くんに会えて幸せだったよ。だって明くん、楽しい思い出をいっぱいくれたんだもん」。
「それだけが言いたくてさ、やっとここまで来たんだよ」。

ララはここまでは、「明くん」と言っていた。
美樹はたまに、ものすごくララに怒っていたが、人間界でララはデーモン族の中ではじかれるようなことはなかった。
これまで登場した女性デーモンのように、ララは平然と殺戮ができるようなデーモンではない。

こんな性格のララに、人間界は居心地が良かったのだろう。
ララの方が、「あたし、人間が怖いー!」って泣いたりしていたぐらいだ。
人間の世界の明と過ごした日々は、ララにとっても罪がなく、とても楽しかったんだろう。
そんなララの気持ちが反映したように、今度はララはデビルマンと呼びかける。

「さようならデビルマン」。
「あたしは死ぬまで、ロマンチックだもん」。
そこにマグドラーがやってきて、また炎が上がる。

ララがマグドラーを睨む。
「いいとこなのに待ってくれないの!嫌な奴だね」。
しかしすぐに、ララは目の前の明に顔を向ける。

「愛してる」。
ララは、明に投げキッスをする。
そして燃え尽きる。

ララの輪郭の残像が消える。
呆然と見ている明、いや、デビルマン。
「あたし、明くんに会えて幸せだったよお」。
ララの声が、こだまする。

呆然としていた明が、走り出す。
「逃げるのか、裏切り者」。
マグドラーの声が追いかけて来る。

明は心の中で叫ぶ。
『逃げるんじゃねえ!』
『ララの墓に火の粉がかからねえように、場所を選んで戦うまでよ』。
デビルマンの声には、怒りが満ちている。

地球の地下のマグマをエネルギーにして復活し、火山を噴火させるマグドラー。
もはや、デビルマンの武器は通じないと思われた。
その時、デビルマンは空を見上げ、はっとする。
宇宙!

勝ち誇ったマグドラーをまとわりつかせたまま、デビルマンは上空へ上空へ飛んでいく。
まとわりつかれた体に、炎の熱さが伝わって来る。
しかし、デビルマンは飛び続ける。

雲が現れ、やがて青い空は紺色になる。
星が瞬き始める。
「デ、デビルマン?!」
マグドラーは驚愕する。


デビルマンは、孤独だった。
最初、デビルマンは美樹一人守れば良いと考えていた。
それが牧村家の人々の優しさ、美樹を取り巻く友人と関わって、変わっていく。
美樹の周りの人を守る。

そしてそれは、人間を守る方向に変わっていく。
美樹を通してデビルマンは、人の世には愛があり、美しい世界が存在していることに気付く。
それをデーモン族に支配させてはならないと、思うようになる。
後に知ったのですが、この辺り、マンガとは真逆なのですね、おもしろい。

♪裏切り者の名を受けてすべてを捨てて戦う男♪
歌詞の通り、すべてのデーモンは敵だし、人間界に理解者はいない。
デビルマンは、孤独のヒーローだった。
自分の種族であるデーモンを裏切らせるきっかけになった美樹でさえ、デビルマンの正体は知らない。

そんなことは、最初から承知している。
何とも思っていない。
そこに現れた同じ種族が、ララだった。

最初は、デビルマンは自分に恋しているという激しい思い込みにイラついていたデビルマン。
だが、デーモンとの戦いに協力するララは、デビルマンにとって、かけがえのない仲間になっていった。
おバカだろうがララは、デビルマンと同じデーモン族だ。

冷静に見るとララは結構な能力の持ち主なのだが、あまりに抜けているため、それをデーモンらしい破壊に生かせないだけなのだ。
また、デーモンがいると、デビルマンとララだけはそれを感じ取ることができる。
人間が凍り付き、動きを止めた中では、明とララだけが動いているのだ。

そうした中でララは、ララなりにデビルマンをサポートし始めるのは普通のことだった。
あるいはサポートしていると思わずに、助けになることになる。
ララのサポートが、デビルマンを勝利に導くこともたびたびあった。

戦いを終えて人間の姿に戻った明がどれほど、疲労困憊しているのか。
知っていて怒り、思いやれるのはララだけだ。
そう、ララはたった一人のデビルマンの仲間。

戦友だ。
愛する者のために、人間界に残ったデーモン。
いろんな意味で、ララはデビルマンと同じなのだ。

ララだけがデビルマンの孤独を知り、癒してやれる。
デーモンを愛のために裏切った、同じ仲間なのだ。
裏切り者の名を受けて。


戦友ともいえるララの死を見届け、宇宙に飛んで行ったデビルマン。
マグドラーが気が付いた時は、遅かった。
宇宙空間では、マグドラーはエネルギーを得ることができず、燃える炎の体は凍り付いた。
あわてて地球に戻ろうとするマグドラーだったが、デビルマンが逃すはずはない。

怒りに燃えるデビルマンはララの分も執拗に攻撃を加え、マグドラーを粉砕する。
マグドラーを粉砕したデビルマンは、宇宙でつぶやいた。
「ララ。バカな奴だ、死んじまいやがって」。

すると、暗い宇宙空間にララの姿が現れる。
「いやぁん、あたしのバカは死んじゃったから治っちゃったのよ」。
いつものララだった。
ララの姿が消えると、そこには輝く星があった。

宇宙に輝く、ララの星。
「そうか、そうだったな」。
「あばよ、ララ!」

そう言ってデビルマンは、地球に帰っていく。
ララもデビルマンも明日をも知れぬ、デーモン族同士だからだろうか。
愛のためにデーモンを捨てた仲間同士。
その絆が、かえって別れをアッサリさせるのだろうか。

アッサリした別れが、かえって胸に迫る。
かえってデビルマンの傷心が、胸をえぐる。
ララの最期には泣いた。
まさか、ララで泣くとは思ってもみなかった。


マグドラーの次の回、妖獣ウッドドゥ。
その攻撃に縛られたデビルマンが「左手!左手さえ出られたら」と苦しむ。
もし、ララがいたら「デビルマ~ン!」と叫び、ウッドドゥの邪魔をしたことだろう。
デビルマンの左手を開放し、ウッドドゥにひどい目に遭わされたララは「デビルマン、デビルビームよー!」と叫ぶだろう。

だがもう、ララはいない。
デビルマンは一人、ララが来る前と同じように、1人で戦い続けるのだ。
ララとの別れが、境目のようになったかのように、この回から「デビルマン」世界は深刻さを増して行く。
デーモンの攻撃は、地球規模の危機となるのだった。


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2017.03.19 / Top↑
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