FC2ブログ

こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
2018年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2018年09月
TOP映画・ホラー/サスペンス ≫ 身動き取れなくなるようなことはやめよう 「ジェラルドのゲーム」

身動き取れなくなるようなことはやめよう 「ジェラルドのゲーム」

ジェシーは夫のジェラルドと別荘にやってきた。
夫婦はうまくいっていないことはなかったが、新鮮さを取り戻そうと休暇を利用し、やってきたのだ。
この別荘は隣の家とも車で行かなくてはならない、人里離れた場所にあった。

ジェシーは別荘の辺りをさまよう、黒い犬を見つけた。
冷蔵庫にステーキ肉があったので、犬に与えようとするが、用心深い犬は近づいてこない。
それを見つけたジェラルドは、1枚200ドルもする取り寄せた神戸牛だと笑った。

ジェラルドに手を引かれて部屋に入るとき、ドアを閉めなかった。
ちらりと、そのことをジェシーは気にした。
ステーキ肉を置いて、部屋に入ったジェシーはセクシーな白いスリップ姿となった。
ベッドに行く。

ジェラルドはベッドのジェシーに、手錠をかけた。
それは刺激的なシチュエーションをもたらすはずだった。
しかし、ジェシーの中に激しく拒絶が持ち上がった。

手錠を外して!と叫ぶジェシー。
戸惑うジェラルドの顔色が変わった。
彼は胸を押さえ、倒れた。

ジェラルドは、ベッドから落ちる。
ベッドのジェシーからは、倒れたジェラルドの腕しか見えない。
「ジェラルド?」
呼びかけに返事はない。

ジェシーの両手には、ガッチリと手錠がかかっている。
もうすぐ、日没となる。
目の前に、ジェラルドが現れた。
だがジェシーの前には、倒れたジェラルドの腕が見える。

ここには誰も来ない。
声は届かない。
携帯電話に手は届かない。

『人間は飲まず食わずで、どれだけ持つと思う?』
ジェラルドが聞いてくる。
もがくジェシー。

すると、手錠から手が外れた。
片方の手が外れたので、思い切りベッドの柵を揺すると、柵が壊れた。
ジェシーは見事、脱出できた…。

解放されたジェシーが、ベッドに縛られたままのジェシーを見下ろした。
それはもう1人のジェシー。
ジェラルドは言う。
手錠は外れないし、柵は補強された特別製のベッドだ。

もう1人のジェシーが、言う。
頭の上の棚に、水の入ったグラスがある。
ストローを使って、飲める。
がんばって。

すると、あの黒犬が現れた。
犬はジェラルドの腕の匂いを嗅ぎ始めた。
あろうことか、ジェラルドの腕に噛みつく。
「あっちへ行きなさい!」

怒鳴るジェシーが、必死に大きな音を立てる。
初めは驚いてひるんだ犬だが、ジェシーが来ないことがわかると逃げなくなる。
ピチャピチャと、おぞましい音がする。
床に血が流れる…。

夕暮れが近づいてきた。
ジェシーは、これまでの人生を思い出していく。
まだ子供のジェシーが父親と一緒に海辺のリゾート地で、日食を見ていた。

無邪気なジェシーを膝に乗せた父親。
はしゃいでいたジェシー。
しかし、子供のジェシーにも次に父親がしたことの異常さはわかった…。

その日から、ジェシーは父親を見られなくなった。
部屋にやって来た父親は、このことを母に言うように勧めた。
当然のことだ。

罰は受けると言う父に、ジェシーは誰にも言わないと言うしかなかった。
誰にも言えない。
今、お腹に子供を宿している母親がどれほどのショックを受けるか。

夜のテーブルで、母が聞く。
日食はどうだった?
ジェシーが思わず、手に力を入れた。
コップが砕けて、血が流れた。

父親がジェシーをバスルームに連れていく。
その後ろ姿を見送る母親の顔に、恐怖と疑惑が浮かんだ。
心の傷。
だがそんなジェシーが選んだのは、父親のような存在のジェラルドだった。

ジェラルドが言う。
「うまくいかないわけだ」。
ジェシーはどこか、ぎこちなかったのだ。

夜が来た。
犬はやってきて、ジェラルドを食べていく。
そして死神もやってきた。
幻かと思ったが、血でできた、犬ではない足跡があった。

ここから先はネタバレしてます。


ジェラルドと、もう1人の自分とジェシーは会話を続ける。
何とか、ストローで頭上の棚のグラスの水を飲むことに成功する。
ジェシーは、決心した。

手錠から抜けるため、ジェシーは手の皮と肉をそぎ取るる。
血で手が濡れれば、滑って抜けやすくなるだろう。
手錠から抜けるために、大きな結婚指輪を抜き取る。
床に転がる結婚指輪。

ジェシーは大切に飲んでいた水の入ったグラスを割る。
もう、後戻りはできない…。
グラスの破片を木の棚に突き刺し、ジェシーは覚悟した…。

まるで手袋を脱ぐように、片方の手の皮と肉をそぐジェシー。
絶叫。
見事、手錠から解放される。

自由になった手で、テーブルの上のカギを手にする。
手錠からの解放は、過去の自分からの解放でもあった。
犬はいない。
部屋をふらふらと歩くジェシーの前に、あの死神が現れた。

床に転がっている結婚指輪を、ジェシーは死神に与える。
これを持って、帰って。
その代わり、私を連れていかないで。
死神は指輪を受け取った。

ジェシーは必死に車まで戻り、車を発進させる。
途中、痛みと疲れが襲ってきて、意識が朦朧とする。
自分を振り立たせるが、ついに力尽き、車は木に衝突する。
その音とクラクションで、隣の家の人が駆けつけてくれた。

ジェシーは気が付いたら、病院にいた。
手には包帯が巻かれている。
助かった…。

ジェラルドの会社の人間が、ジェラルドの死因を発表しないように警察に話をしてくれた。
結婚指輪は見つからなかった。
少しずつ、回復したジェシーは社会福祉に力を注ぐようになる。
特に、虐待を受けた子供たちを救う仕事に。

ある日、ジェシーは墓荒らしをしていた男の新聞記事を読んだ。
それはあの別荘地近辺だった。
あの死神は、墓荒らしだったのだ。

男は先端肥大症により、異様に高い身長と仮面のような顔を持っていた。
そして、殺人まで犯していた。
ジェシーは、男の裁判を傍聴する。

誰もが恐れる男の前にジェシーは進み出て、笑顔を残す。
もう、彼女には恐れも憎しみもない。
脳裏に子供のジェシーが現れる。
大人のジェシーが近づく。

血のように赤い日食の風景が、消えていく。
暗闇から現れた太陽は、黄金色に輝いている。
子供のジェシーも、大人のジェシーも微笑んでいた。


スティーブン・キングは、こういうシチュエーションから脱出する話、うまいですね。
「クージョ」とか。
あれは、怖かったです。

絶体絶命になると人は、いろんなことを一瞬で思い出すらしいです。
これは何とかしてサバイバルする方法が、今までの経験の中にないか。
頭が必死に探すせいらしいですね。

ジェシーもそのように、今までの人生を思い出していきます。
封印されていた、記憶も蘇ります。
なぜ、ジェラルドのような男性を選ぶのか。
それは父親との間の、トラウマが原因だった。

しかしジェシーはその記憶を固く封印しているため、心の傷がいつまでも癒えない。
どうも、ジェラルドもジェシーがちょっとぎこちないと思っていたらしい。
描写はされないけれど、おそらく夫婦の生活でそういうことがあったんでしょう。

父親的存在を求めての、ジェラルドとの結婚。
結婚指輪を抜き取るのは、庇護を求める弱い自分との決別に見えます。
そして、手錠からの解放はもちろん、過去に縛られた自分からの解放。
弱い自分からの脱皮。

スリラーと思ったら、これは1人の女性のトラウマ克服の話だった。
途中、グロテスクなシーンもあります。
いたーい!

でも、最後はとっても解放的。
感動的。
トラウマになっていた日食の太陽が、普通の日の出となって輝く。

社会復帰したジェシーは、ジェラルドの代わりに立派な役員となっている。
200ドルの神戸牛って、すごい。
トランプ大統領も堪能してましたね、ステーキ。
おいしそうなお肉だけど、犬は…。

これ、ジャンルとしてはホラー、スリラー、サスペンスになるのかな。
心理ドラマがメインなんですけどね。
これはスリラーであり、生命の危機に直面したジェシーが、今までの人生を振り返る話。
そして長年、封印してきたトラウマを克服する話でした。

ジェシーの中で「1922」と違って、こちらの後味は良いです。
開いたドアを気にするって、犬が入って来る伏線だったんですね。
いくら周りに家がなくて、人が来ないとはいえ、やっぱり戸締りはしましょう。
それと、いくら遊びでも自分が身動き取れなくなるような状況はやめましょう。



スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL