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2014年の「A-Studio」。
松重豊さんがゲストです。

鶴瓶さん「大杉漣とは…」。
「漣さんが出たときゲストで(松重さんに)出てもらった(2011年)」。
「(今回)漣さんとこ行って来たんですよ」。
漣さんの写真が出る。

松重さん「映画のデビュー作で、黒沢清監督の『地獄の警備員』に抜擢された時に大杉さんと共演させてもらって」。
ここで、松重さんの大きなマントの警備員が、大杉さんを殴り殺しているシーンの写真が出ます。
「お芝居の先輩って僕、思ってたんですけど」。

ここで舞台、「水の駅」の大杉さんの写真が出ます。
それを見た松重さん「ああ、これ水の駅ですけど」。
鶴瓶さん「無言劇よこれ、何にも言わん」。

松重さん「映画の現場ではほんとに、話題の中心」。
鶴瓶さん「大杉漣って絶対物言わんような、寡黙な感じやろ?…よう喋るおばちゃんや」。
スタジオ、大笑い。

「めっちゃ陽気!」
松重さん、うなづく。
「めっちゃ良いおばちゃんや!」

松重さん「ものすごい、素敵な先輩で」。
鶴瓶さん、松重さんを指さして「ほんまに、ものすごい好きみたいよ(松重さんのことが)」。
松重さん「ありがとうございます」。

松重さん「やっぱり、大杉さんみたいな人が、…その頃は今ほどは売れてなかったので、こういう人が」。
「芝居はうまいし、ご家庭は愛してる。仲間、愛してる」。
「こういう先輩がちゃんと評価されないと、僕は目標がないなって思ってたらやっぱり!」

鶴瓶さん「今すごい、出てはるよね」。
松重さん、うなづく。
そして「大杉さんみたいな人が、ちゃんと道作ってくれたなって気がします」。
鶴瓶さん「10歳離れてるようには見えない」。

鶴瓶さん「(松重さんに大杉さんが)会うた時から佇まいが良くて」。
「こいつはええ奴やなって思ったって」。
「大杉さんずっと言ってた」。
松重さん「ああ、ありがとうございます」。


本当に仲良かった。
大杉さんは松重さんが大好きだったし、松重さんも大杉さんを尊敬し、大好きで大切に思っていた。
確か、大杉さんが松重さんが孤独のグルメで売れた時、本当に喜んでくれたって言ってました。
これで俺たちの仲間、みんな、売れた!って。

松重さんの映画をオールナイトで上映するイベントが、今から16年ぐらい前にあったんです。
その時、トークショーもあって、ゲストが大杉漣さんでした。
大杉さんはその背の高さ、映画のキャラクターとは全く違う松重さんの面を話して笑わせてくれました。

映画の中では不死身の怪物のような殺人鬼を演じた松重さんが、すごく怖がりだということ。
廃ビルで撮影していたけど、撮影隊からちょっと遅れて一人になると松重さんは必死にみんなを探して追いかけてきた。
あの、長いマントの、警備員のかっこで、泣きそうな心細い顔をして。

自分はというと、女性社員にセクハラをするシーンで、「君に見てほしいんだあ!」とズボンを脱ぐ。
その時、ズボン下ろさなくて良いと言われていたけど、脱いじゃった!と言ってました。
女優さんはびっくりして、真っ赤になったけど、良いシーンになったでしょ?

それは漣さんの趣味では?みたいな会話で、会場が大笑いでした。
一度会ったら、魅了されずにはいられない魅力の持ち主。
そう確信しました。


「ぷっすま」に出てた大杉さん。
草なぎさんとユースケさんと自宅でバーベキューしたり、フットサルしたり、ギターを弾いて歌ってました。
画面ではそういう場面はありませんでしたが、大杉さんは草なぎさんのこれからを応援したと思います。

たくさんの共演がありました。
そして、たくさんの良いシーンがありました。
草なぎさんのドラマの名シーンには、大杉さんがいました。


今日のニュース番組でのたけしさんも、本当に泣いてました。
たけしさんの「素」が見えました。
自分が映画で大杉さんを抜擢した時、映画の中で大杉さんを殺した。
最後の映画になってしまった「アウトレイジ」でも、殺した。

「俺が生かして、俺が死なせた(「殺した」を訂正。「殺した」は間違えとしても言葉がきつすぎでしたね、すみません)」。
この言葉。
たけしさんの喪失感、悲しみの深さが見えました。

大杉漣さんが亡くなったと言われた時、「大杉漣って…、誰?」
「大杉漣って何?」って本当にわからなかったそうです。
それだけ、頭がその報を拒否していたんですね。
たけしさんが泣いているのを見たのは、お母様が亡くなった時以来な気がしました。


手元に「クロワッサン特別編集」の「やっぱり猫は不思議」という雑誌があります。
角田光代さんと、大杉漣さんの対談が出ています。
猫の寅子ちゃんについて、語っています。

撮影で生後2カ月の寅ちゃんと一緒だった。
その間、「寒くないでちゅか」「カリカリ食べまちたか」。
コワモテ顔の僕が、と言って角田さんが大笑い。

撮影が終わって別れなくてはいけないと思ったら、つらかった。
家には犬の風ちゃんがいて、どうかと思ったけど、この猫はどうなるのか聞いてみた。
飼い主を探すというので、連れて帰りますと言うと、拍手が起きたらしいですね。

奥さんに電話して「猫を連れて帰る」と言うと反対しなかった。
その日に連れて帰った。
家について、風ちゃんと並べたら、風ちゃんが寅ちゃんの匂いを嗅ぎに行った。
その時、大丈夫だと思った。

…大杉さんが優しいからですよね。
「猫は良く寝ますね。僕の20代みたい」。
「暇だったから良く寝てました」。

「自宅で寝ていると、階段を上って来る寅ちゃんの首輪の鈴の音が、ちりりん、ちりりんと聞こえて、かわいいですよ!」
「僕は出先から、風ちゃんと寅ちゃん、どうしてる?って電話するのが日課です」。
そして自分が4歳の時、90を過ぎた祖母が亡くなった話をしていました。

祖母が飼っていたクロという大きな黒猫が、その翌日に死んだと。
一緒に行ったんだね、とお母様がおっしゃった。
「(祖母のクロは)祖母が連れて行ったのか、猫がついて行ったのかわからないけど」。

「母が『猫って不思議だね』と言った」。
漣さんは寅ちゃんが死んだら、どうしようとしょっちゅう考えているそうです。
「僕が先に逝こうと思っています」。


成田三樹夫さんが亡くなった時。
岸田森さんが亡くなった時。
菅貫太郎さんが亡くなった時。

これからもっと、味のある良い演技を見たかったと思いました。
いつまでも、思い出すたびに惜しくて、くやしかった。
大杉さんがその中に入ってしまうなんて、思いもしなかった。

好きな俳優さんはいっぱいいるし、それぞれに訃報を聞いた時は悲しかった。
でも大杉さんはまだこれから、たくさん見ると思ってました。
これから、良い感じに老け役で、やってくれると。

だから本当に悲しい。
すごく悲しい。
とても信じられない。

今も、大杉さんの姿をあちこちで見ます。
本当に人を楽しませようとしてくれていた。
ご本人も楽しそうだった。

俳優としての存在感。
そして、人としての大きさ。
大杉さん、ありがとうございました。

でも、でも、やっぱり、すごく悲しいです。
そういう人がとても多いと思います。
大杉さんのご冥福をお祈りします。
…でも私は、まだ、あきらめきれない。

ダメだ、泣いてしまう。
だからね、カテゴリー「訃報」に入れられないんですよ。


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2018.02.25 / Top↑
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