こたつねこカフェ

癖のある俳優さん、悪役さんが大好きです。時代劇、ドラマ、映画、俳優さんのことを好きに書いています。
TOP映画・犯罪/推理ミステリー ≫ 6歳の子供は殺意を持つか 「影の車」

6歳の子供は殺意を持つか 「影の車」

加藤剛さんといえば、私には大岡越前様。
清廉潔白で、男らしい。
部下にいたら時には耳が痛いような意見も言うが、忠誠心が篤く、いざと言う時に頼りになる。
上司にいたらこの人のために動きたいと思わせ、実際に最後まで見捨てることはしない。

清潔感ある美形で、知性的。
自分はああはなれないけど、理想の人物像。
男性からも女性からも好かれる俳優さんでした。

しかし、この映画では小心で、自分にも理解できるずるさ、情けなさを持つ男を演じます。
これが結構、ピッタリハマってるんだ。
やっぱりうまい俳優さんなんだな。

1970年作品「影の車」。
原作、松本清張。
浜島幸雄は加藤剛さん。

小磯泰子は、岩下志麻さん。
大きな美しい目、可憐です。
浜島啓子は、小川真由美さん。
こちらもすごい美女。


暑い夏の日、通勤するバスの中で浜島幸雄は「浜島さんじゃございません?」と声をかけられた。
声をかけたのは、美しい女性だった。
「吉田でございます」。

彼女は吉田泰子。
現在は小磯泰子となっているが、幸雄と同じ海の近い小さな村の出身だった。
学生時代から美しかった泰子に、少年の幸雄は淡い恋心も抱いていた。

泰子は幸雄の利用するバスの、ひとつ前の停留所で降りた。
会わなかったのが不思議なぐらいだった。
幸雄は妻の啓子と、団地で暮らしている。

結婚10年目だが、子供はいなかった。
妻の啓子はアートフラワーの教室を主宰していて、幸雄が帰宅する時にいない時も多かった。
「今日、珍しい人にあったよ」と幸雄は泰子に逢った話をする。
「そうお」。

啓子は自分の教室の話をすると、掃除機をかけ始めた。
後半の幸雄の声は、掃除機の音にかき消された。
幸雄は旅行会社に勤めており、旅行が活発になって来た時期で仕事は忙しかった。
周りでは妻は働いてくれるし、良い家庭だと言われている。

青葉台駅で、仕事帰りの幸雄が降りる。
駅前のバス停で、数人前に泰子がバスを待っていた。
「あら、またお会いしましたわね」。

「4年もこのバスを使っているのに」と幸雄は言った。
「本当に不思議ですわ。お会いする時は立て続け…」。
泰子は、幸雄の故郷でもある千倉の街が一番印象深いと言った。

きっと、中学生という多感な時を過ごした街だからだと言う。
泰子の父は役所を定年退職し、すでに亡くなっていた。
当時は珍しい洋館の官舎に、泰子は住んでいた。
「汐入ってバス停が、ありましたでしょ」。

漁業を営んでいた村は魚がたくさん干してあり、幸雄の家もそうだった。
ちょっと行くと漁業組合。
その前を小川が流れて。
突き当りが酒屋で、そのあたりを曲がると浜島さんのお店で。

お母様はいつも一人で忙しそうに働いていらっしゃったわね、と泰子は言った。
思い出話に花が咲いた。
「お近いんだし、ちょっとお寄りになりません?」

泰子の言葉に、一瞬、幸雄はためらった。
「…そうですね」。
「どうぞ」。

「本当に懐かしいですわ、千倉のことは」。
泰子の家は、バス停から15,6分だという。
夕暮れで、蜩が鳴いていた。

連れ添って歩きながら幸雄は、「ずいぶん寂しい道ですが、夜遅いと大変でしょうね」と聞いた。
「でも慣れてますから」。
「いや、最近、この辺は物騒ですよ。先に帰られたご主人がお迎えにでも?」
「主人はおりません。4年前に亡くなりました。子供が1人、いるだけなんです」。

「子供さん」。
「ええ。6つになる男の子なんです」。
「じゃあ、小学校1年ですね」。

泰子は家に着くと、「ただいま、健ちゃん」と声をかけた。
家は、林を超えた畑があちこちにある、山の上にあった。
平屋で、台所のほかに部屋が2部屋ほどあった。

「こんにちは」と、幸雄は言った。
ケンちゃんと呼ばれたその子は、幸雄を凝視した。
子供が片付けたテーブルの下には、子供が描いた絵が落ちていた。

ネズミの絵だった。
ガタガタ、という音がした。
ネズミが台所の棚の上を走った。

夕食を食べながら幸雄は、母親は、まだ千倉で暮らしていると言った。
「あっ、これは」。
泰子が幸雄に、大根の漬物を出したのだ。
「ええ、おいしい大根がございましたでしょ」。

千倉にあった、ぬか漬けの大根のことだった。
泰子の母は早くに亡くなっていたので、こういうものは家政婦さんが作ってくれていた。
幸雄はおいしいと言って、音を立てて噛んだ。

食後にタバコに火をつけて、「すみません、灰皿を」と幸雄は言った。
泰子は今、保険会社で勧誘と集金をやっている。
「一口いかがでございます?」
泰子の言葉に幸雄が笑った。

家に戻った幸雄は妻の啓子に「今日はね」と話しかけた。
「ご飯もいいのね?」と啓子はそれには応えず、聞いた。
幸雄は「今日は九州旅行のことで得意先で…」と言った。

その時、電話が鳴った。
啓子が取るとすぐに「ああ、竹井さん」と話し始める。
「さっき太田さんから電話があって、メーカーがね…」と、教室のことを話し始めた。

幸雄はバス停で、泰子の来るのを待つようになった。
その日は泰子は来なかった。
待っていた幸雄はあきらめると駅前で買い物をして、泰子の降りる停留所で降りた。

妻の知り合いがバスにいて、声をかけてきた。
「ちょっと散歩を」と言って、幸雄は降りた。
帰って来た泰子に幸雄は、買ってきた肉を差し出すと「得意先からのもらい物なんです」と言った。
幸雄の持ってきた肉で泰子は、料理を作った。

健一は小さな鉈で、木切れを割り、薪を作っていた。
この辺は木がたくさんあるし、プロパンは高いのでこれで火を起こしていると泰子は言った。
集金した現金を幸雄はすぐに計算し、泰子は感謝した。

毎日、泰子は商店や工場、アパートを回って保険の勧誘や説明をしていた。
幸雄も忙しく働いている。
その日も幸雄は、泰子の家で夕食をとっている。

泰子に幸雄は、友人を紹介した。
そのおかげで泰子はうまく契約がまとまりそうだと言った。
泰子は、大きなカニを買ってきて幸雄に出した。

個人契約ではなく、会社の契約になりそうだと泰子はうれしそうだった。
今度はリストを持ってきますと言った幸雄に、泰子は感謝し、お酌をした。
それを見ていた健一は、描いていたネズミの絵を塗りつぶした。

健一が学校から戻ると、母が作った食事がテーブルの上に用意されていた。
外をブルドーザーが走り、丘を造成している。
健一は夕飯を食べ、テレビを見ている。
その横に、今日も幸雄がいる。

7時30分前、まだ泰子は帰らない。
健一は自分で食べた食器を台所に運び、洗っている。
「ケンちゃん、えらいねえ」。

啓子の家ではアートフラワーの生徒が4人集まり、華やかに笑っていた。
「ケンちゃん、眠いかい。布団敷いてやろうか。お母さん、今日は遅いよ。集金日だからね」。
幸雄は健一を着替えさせ、布団を敷いた。
時計の音が響く。」

キーキーと声がする。
台所の棚の上を、大きなネズミがいる。
幸雄は外に出た。
霧が少し出ている。

夜道を泰子が歩いて来る。
幸雄を見ると、駆け寄ってきた。
泰子と幸雄は、腕を組んで歩いた。

振り返って微笑んだ泰子を、幸雄は抱き寄せた。
2人は帰ってきて、健一の寝ている部屋の明かりを消した。
そっとガラスになっている引き戸の下の部分から、寝ている健一を見る。

起きる気配はない。
虫の声が響く。
その夜、幸雄は泰子と関係を持った。

2人はそれから、毎日のように泰子の家で逢瀬を重ねた。
「僕はこのままにはしないよ。今すぐにって言われたら困るけど」。
「いいの。私はこのままでも…」。

そう言って、泰子は抱きついた。
眠っていた健一が、目をこする。
視線の先には抱き合う母と幸雄がいた。

日曜日、幸雄が家にいる。
啓子が教室を開いている。
10人には満たないが、集まった女性たちはアメリカで起きた女優・シャロンテート殺人事件を声高に話題にしていた。

「血まみれだったそうよ」。
「浮気してたの?」
「ううん、乱交パーティ」。

その声にウンザリした幸雄は、「散歩して来る、それから歯科医に行ってくる」と家を出た。
生徒たちに啓子は「おとなしくて良い旦那さんね」と言われて、それってどうでもいいってこと?と返して笑いをとった。
でもふと、考えて「あんまり派手にやりすぎるよりコツコツまじめに間違えなくやってくれたら」と笑いあった。

健一は林の中、なたで木を切っていた。
泰子はアイロンがけをしていた。
幸雄を見ると、「あら、こんな時間に」と言った。

「家にいてもしょうがない」。
「夕ご飯食べていかれる?」
「うん、あまり遅く離れないけど」。
「すぐ、買い物行ってくる」。

うたたねした幸雄の目に、健一が庭の木に縄をかけたのが見えた。
先が丸く輪になっていて、まるで首吊りの縄のようだ。
幸雄はギョッとして、目を覚ました。
健一は、ブランコを作るのだと言った。

『この子はまるで俺を無視している』と幸雄は思った。
『決して、懐こうとしていない』。
『不思議な子だ…』。
いや、自分にはこの健一の気持ちが、実によくわかる…。

古めかしい、色合いに満ちた思い出の街。
学校から戻った幸雄を待っていて、微笑みかける母。
幸雄の家は、小さな商店を営んでいた。
店先の道路には、イカや魚が干してある。

母が幸雄の、足を洗ってくれる。
白い上着を着た男がやってくる。
母が嬉しそうに迎える。

男は幸雄に向かって、みやげを差し出した。
だが幸雄は挨拶もせず、家の奥に上がった。
母が料理を作る。

物を買いに来た客の応対を、その男がしている。
3人の食事。
幸雄は目を伏せている。

夏のある日、母も自分も、その男も浴衣を着て花火を見た。
母は自分を早く寝かしつけた。
幸雄は今、泰子と食事をし、泰子が健一を寝かしつける。
今の自分のやっていることと、過去の思い出が重なる。

『だがあの男には一つだけ、良いところがあった』。
釣りをしている男。
幸雄も一緒に釣りをする。

男が下駄を釣り上げて、笑う。
幸雄も笑った。
崖の上。
幸雄が小さな、鉈を振り下ろしている。

男に向かって、鉈で小さく刻んだ餌を放る。
そして男が体に巻き付けている命綱を、巻き取る。
すると男は手を大きく振って、幸雄を止める。
幸雄の顔に、悲しみと怒りが浮かぶ。

男はそれに気づかない。
大きな魚を釣り上げ、幸雄に見せる。
だが幸雄は無言で、崖を登っていく。
男は再び、釣り糸を海に向けて投げた。

健一を見ていた幸雄は、思った。
こういう子供には、自分も一緒になって何かをしてやることが必要だ。
健一は、幸雄に作ってもらったブランコで遊んでいる。

泰子と健一がネコイラズ入りの団子を作っているのに、幸雄も参加した。
白い小さな毒入りダンゴが、皿の上に並ぶ。
幸雄がネズミがそれを食べて痙攣して倒れる様子を演じると、健一が笑った。

以来、幸雄は健一の勉強を見てやるようになった。
健一がちらちら、縁側を気にする。
「ダメダメ、あれを作るのは勉強がすんでから」。

健一が気にしているのは、幸雄が持ってきた最新のジェット機のプラモデルだった。
幸雄は健一と一緒に、そのプラモデルを作った。
それを見ていた泰子は「だんだんあなたになついて来るわね」と言った。

今度の日曜日は、レンタカーでドライブだと幸雄は言った。
風呂でも、風呂から上がっても健一はプラモデルを持ってはしゃいでいた。
その夜、泰子は健一が幸雄を父親だと思ったらどうするのと聞いていた。
幸雄は、良いじゃないかと答えた。

家に戻った幸雄に妻の啓子が、今度の日曜日、祖母の具合が悪いので一緒に行ってもらうと言った。
一瞬、動きが止まる幸雄だが、フラワー教室はどうするんだと言った。
啓子は少し考えて、やはり見舞いは自分が平日に行くと決めた。
知り合いに子供ができたと啓子は告げ、幸雄に病院に行ってみようかと言う。

この先、子供ができなくてもできても。
「一生別れるわけにいかないんだし」。
「先々のことを考えるとねえ…」。

啓子の言葉に、幸雄の顔がこわばる。
そして啓子は幸雄のベッドに入りながら、「どうして私たち、子供ができないのかしら」と言う。
幸雄は内心、啓子がうとましかった。

日曜日、紅葉の美しい山に幸雄は泰子と健一を連れて来ていた。
外でおにぎりを食べ、川辺で遊んだ。
川辺で、健一はカニをとって遊んだ。

帰り道、助手席で健一は眠ってしまった。
幸雄は後ろの方が足を延ばして眠れるから、と泰子と健一の席を入れ替えた。
車が道の端に止まっている。

健一が目を覚ました。
車内には、誰もいない。
健一は外に出て、「おかあさーん」と呼んだ。
「おかあさーん」。

辺りを見回してもいない。
川のほとりの方まで行ってみたが、いない。
来た道を引き返し、辺りを見回しながら健一は母を探した。

丸太が通った川を渡る。
森の中も、誰もいない。
健一は目元を手の甲でこすりながら、走る。

走って車まで戻って来る。
辺りを見回す。
石を拾って、「ばっかやろー、こんちきしょー」と言いながら車に投げた。

その時、幸雄と泰子は森の奥で抱き合っていた。
しっかりと抱擁し合って2人は、歩いていく。
車の中から、健一が見ている。
2人が近づくと、健一はまた寝たポーズをとった。

今日みたいに健一がはしゃいでいるのを初めて見たと、泰子が言う。
「やっぱり子供には父親がいなくちゃね…」。
その声を聞きながら、健一は後部座席で涙でぬれた目を見開いていた。

秋も深まった。
「健ちゃん、さあ、勉強だよ」と幸雄が声を掛けた。
健一は無視して、テレビをつけた。
幸雄は戸惑いながら、「じゃあテレビを見よう」と言った。

「しかしこの番組はちょっと、子供向けじゃないなあ」と言って、幸雄はチャンネルを変えた。
健一は振り向きもせず、チャンネルをもとに戻した。
幸雄は眉間にしわを寄せた。
しかし、しかたなく、立ち上がり、トイレに向かった。

その時、ゴミ箱に一緒に作ったプラモデルがあるのを見た。
「健ちゃん!これどうしたんだ!」
健一の答えは、なかった。

幸雄が顔を上げると、目の前で包丁が光っていた。
健一が包丁を手に立っていたのだ。
ギョッとする幸雄の横を通り、木で作った船を棚から取り出す。
無言でその木のふちを、包丁で削り始める。

泰子が帰ってきた。
今日、契約者の葬儀に出てきた話をして、妻が異常に泣いていたと言った。
自分は夫が死んだとき、あんなに泣かなかった。
「夫婦って、ああいうものかしらね」。

幸雄は思い出した。
白黒の風景。
岩場に波が、打ちつけている。

村人が長い提灯を掲げて、歩いて来る。
写真を胸に持ち、うなだれて歩く喪服の女性。
その後に男たちが四方を4人で棺を担いでいるのが見える。

葬列は、幸雄の店の前を通る。
卒塔婆を持った老人と子供が、先頭にいる。
その後ろを花を持った女性や、老婆が続く。

遺影を持った女性がいる。
4人の男性が棺を運んでいる。
母親が耐えきれず、顔を覆って家の中に入り泣き崩れる。

子供の幸雄は、それを見ている。
女性が持っている遺影は、幸雄の家にいた男だった。
母親が号泣している。

そして今。
幸雄と泰子が寄り添っている。
「あなたが死んだらあの奥さん…」。

幸雄はまた、思い出す。
母と男が、抱き合っていた。
泰子の声がする。
「だって死んだらあなたに指一本触れられないんですもの、こんな悲しいことないわ」。

母親と男は、抱き合っていた。
子供の幸雄は、それを凝視している。
泰子の声を聞きながら、幸雄はそんなことを思い出している。

紅葉した葉も落ち、街路樹に葉がなくなった。
暗い道をコートを着た幸雄が歩いていく。
泰子の家に行く。

「健ちゃん1人かい。お利口だね」と言って、買ってきたまんじゅうを渡す。
健一はそれを食べた。
「おいしいかい?」
うなづく。

2人はプラモデルを作り始めた。
小腹がすいた幸雄は、健一にさっきのまんじゅうを持ってきてくれるように頼んだ。
健一が、まんじゅうの載った皿を持ってくる。
「ありがとう」。

幸雄がプラモデルを見ながら、まんじゅうに手を伸ばした。
買ってきたまんじゅうは、茶色い薄皮に包まれていた。
幸雄が手に取ったのは、一回り小さい、白いまんじゅうだった。

口に入れた幸雄が、顔をしかめた。
皿を見る。
でこぼこした白い小さな饅頭。

幸雄は口を押えて、台所に走る。
まんじゅうを吐き出し、水を出す。
コップに水をくみ、せき込みながらうがいをする。
座ったまま、健一は黙って、それを見ていた。

日曜日。
フラワー教室の生徒でごったがえす自宅を、幸雄は出て行く。
鳥の声が聞こえる。

泰子の家の庭先で、健一が何か言っている声が聞こえて来る。
「お母さん、買い物かい?」
健一がうなづく。

「何してんだい?」
「ほら、これ!」
健一が大きなネズミの死骸を尻尾を持ち、幸雄に放り投げた。
うっ、と幸雄が避ける。

幸雄は泰子の家で、眠ってしまっていた。
ガス台に、ヤカンがかかっている。
ヤカンは沸騰し、水があふれる。
ガスの火が消える。

幸雄は夢を見ていた。
青い空、青い海。
砂浜で健一が、ネズミ捕りにかかったネズミを砂に掘った穴に沈めて遊んでいる。
それを見た幸雄は、やめなさいと言った。

健一は薄ら笑いを浮かべ、幸雄を見た。
ネズミは水浸しになり、動かなくなった。
部屋にガスが充満して来る。
幸雄が喉をかきむしった。

目を覚ます。
鼻と口を覆い、台所に走る。
ガスを止めた。
ガタガタと窓を開けようとしてあきらめ、部屋に走る。

部屋の、庭に面した大きな窓を開けようとするが、開かない。
真っ暗なガラス窓の外には、健一がいた。
立って、こちらを凝視している。

怯えた幸雄は隣の部屋に走り、窓を開けようとする。
その外にも健一がいて、窓に貼りつくようにして幸雄を見ていた。
幸雄はまた走り、元の部屋に戻る。

急いでねじをまわしてカギを開け、窓を開けた。
外は静かな、秋の夕暮れの風景だ。
下の方で健一が、ボールで遊んでいる。
幸雄に気が付き、こちらを見る。

スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL